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2話

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 しかも、当のガルセインも、私にはあまり関わろうとしない。直接嫌みを言ったり嫌なことをしてきたりはしないのだけど、積極的に関わろうとはしてくれない。しかも、私以外の女性に対しては物凄く積極的だったりするから、複雑な気持ちを抱かずにはいられないのだ。

 そもそもの始まりは彼が王女を欲しがったこと。

 やはり、あれは酔っ払って言ってしまっただけで本心ではなかったのだろう。

 ならばもっと早くそうだと表明してくれれば良かったのに。そうすれば私たちが婚約することもなかったのだ。あの発言は間違いだった、そう言ってくれれば、私も彼も自由なままでいられた。小さな小さなことなのに。あの時の発言は酔った勢いで言ってしまっただけ、と、一言告げてくれれば。

「アナスタリア様! こんにちは!」

 話しかけてきたのは、ガルセインの仲間である少女。
 茶色い髪を後頭部の高い位置で結んでいる。

「こんにちは」
「ガルセインのとこ、行かないんですか?」
「えぇ。邪魔してしまっても悪いですので……」

 私がガルセインと離れたところにいる時、彼女はよく話しかけてくる。いつも明るい表情で接してくれるのだけれど、どことなく不穏な雰囲気を漂わせているから、何となく心穏やかに接することができない。

「えー、そんな気にしなくて良いんですよー。あ、声かけてきましょっか?」
「いえ……構いませんよ。お気遣いありがとうございます」

 ガルセインの周りにはたくさんの少女がいる。彼女もそのうちの一人。ただ、ガルセインが一番可愛がっているのは、彼女ではない。見ていて察した感じだと、多分、彼女は三番目くらいだ。

 ちなみに、私はもっと下の方。
 順位外かもしれない。
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