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10話「幸せへと向かいます」
しおりを挟むその日はとても忙しくて、のんびり語らう間なんてなかった。
できることなら廊下を走りたいくらいの気分であった。
なんせやることや決めることが多過ぎるのだ、だからとにかく忙しい――こうやって忙しい忙しいと言うと語彙力がない人であるかのようだが、実際忙しいの一言に尽きる状態だったのだ。
ただ、常にオルフォが寄り添ってくれていたので、心理的な負担は比較的軽い状態で過ごせた。
育った国ではない国、それも大きな国で、あまり知らない人たちに囲まれて色々なことをする。それは結構大変なこと。身体的な疲労の度合いはそれほど変わらないにして、精神的な部分だとそうはいかない。そもそも、生まれ育った地から離れるというだけでも心理的には負担があるのだ。そこに様々な要素が加わってくるのだから、心は押し潰されかけになっても当然である。
それらの負担から私を護り、また力強く支えてくれるのが、オルフォの存在だ。
彼が隣にいてくれるだけで前向きになれる。
◆
「「「オルフォ様! エーリア様! ご結婚おめでとうございます!」」」
私はついに彼と結ばれた。
ここまでの日々は非常に忙しかったけれど、いくつもの山を越えて、こうして祝福の日までたどり着くことができたのだ。
これからはストラビオスで暮らしていく。
◆終わり◆
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