グアマの一日

四季

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グアマの一日

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 島国エルファーマスからタナベックス族の村へやって来た少女テラ・グアマ。エルファーマス人らしい長い耳が愛らしい彼女の朝は、とても早い。というのも、彼女は朝一番から食べる気満々なのである。

 起きてすぐ歯を磨くと、すぐに宿泊所の食堂へと向かう。

「おはようございます! おばさん!」

 この時間帯、食堂にはまだ人が少ない。
 料理を作る仕事をしている人たちは既に来ているけれど。

「グアマちゃん、今日も朝早いねぇ」
「お腹が空いて!」
「相変わらずだねぇ」
「おばさん、食べ物をください!」

 護衛としてグアマに同行しているテラム・ラムンラは、まだ、部屋で寝ている。しかしこれは何ら珍しいことではない。いつものことである。食堂で働く人たちも、そのことは知っている。

「何を食べる? まだ料理はできていないけど」
「果物はありますか!」
「あるよ。桃とか、林檎とか、桃とか」
「桃にします!」

 グアマは桃を貰った。
 食堂勤めの女性は「皮を剥こうか?」と気を遣っていたが、グアマはそれを断る。

「皮ごと食べるので大丈夫です!」
「……す、凄いねぇ」

 こうして朝一番に桃をたくさん食べたグアマだが、それだけで彼女の腹が満ちるわけがなかった。

 皆が起きてくる頃には彼女はまたお腹を空かせており、皆と同じように朝食を食べる。この日のメニューは、ニンジンをふんだんに使ったサラダと肉入りスープ。彼女は、サラダもスープも、何度もおかわりしていた。

 それから、グアマは狩りへ出掛ける。
 タナベックス族の者たちと共に山へ向かうのだ。

 グアマは弓を使って狩りに参加。だが、その最中にも、山道になっていた果実をいくつか食べていた。赤くて丸い実を食べつつ、弓を射る。傍には一応テラムがついていた。

 狩りが終わって村へ帰る頃には、昼が近づいている。
 昼食には狩りの成果が登場。うさぎのような動物を焼いて食べる。ただ、一人一匹しか食べられないので、グアマは満足していないようだった。

「ねぇテラム。肉ちょうだい?」
「……はい」
「ありがとう! いっただーきまーっす!」

 そうして迎える午後、グアマは小さいタルトをいくつか貰ったので、すぐに食べた。
 その後、グアマは友人であるラベンダの家へ向かう。

「ラベンダさん! 来ったよー!」
「いらっしゃい。今日も来てくれたのね、嬉しい」

 グアマが初めてこの家に来た時、ラベンダの兄といきなり喧嘩になった。ラベンダの兄がグアマが家に入ることを許さなかったことが原因となって、喧嘩が勃発してしまったのだ。ただ、今はその兄もグアマを攻撃したりはしない。なぜなら、グアマがラベンダの良き友となっているからである。

「今夜はご馳走を用意するから、食べていって?」
「え! いいのっ!?」
「もちろん。兄が捕まえてきた獣のお肉があるの。好きでしょう?」
「好き! 好き好き好っきー!」


◆終わり◆
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