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幼馴染みで婚約者でもあった彼は浮気したうえ心ないことを言いながら婚約破棄してきました。~貴方がいなくても幸せにはなれます~
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「お前と一緒にいるのにはもう飽きたんだわ」
幼馴染みで現婚約者でもある彼エイリールズの浮気が発覚し、そのことについて話を振ったところ、彼は平然とそんなことを言う。
「まぁ、さ? お前なんていて普通みたいなもんだしさ? 一緒にいてもそんなもん~みたいなくらいだけでさ。今さらそれ以上の感情とかねぇし」
エイリールズは私が思っていた以上に心ない人だったようで。
「けど、リリサはさ、とーっても可愛いんだよ。会うだけでドキドキするし、動作とかだけ見ても可愛すぎてきゅんきゅんするしな。そんな感じ」
彼は平然と浮気相手の良いところを言葉にして並べる。
私のことなんて一度も褒めてくれたことはないのに。
「だから俺はお前よりリリサの方が好きなんだ。ま、普通に考えて、当たり前だろ?」
「そういうものかしら……」
「だってリリサといると楽しいんだもん、浮気だってしてしまっても仕方ないだろ。つまらねーお前との婚約を破棄してこなかっただけまし、そう思ってほしいもんだよ」
そんなことを言って、私を傷つけていると気づかないの? いや、それか、意図的にそういうことをやっているのか? 気づいていないかのようなふりをしつつ傷つけるような言葉を投げる、それはわざとか?
わざとでないなら、それこそ本当にどうかしていると思うが……。
「でも、こんな面倒臭いこと言われるならもういいわ」
「え……」
「お前との婚約、破棄するから」
エイリールズはさらりとそんなことを宣言した。
他人の人生を大きく左右するようなこと。
それを彼はこんな状況でさくりと決めて口から出したのだ。
「婚約破棄!?」
「ああ」
「……本気で言っているの?」
「当たり前だろ」
「でも! 迷惑がかかるわ! ……今さらそんなこと、両方の親とか親戚に言える?」
すると彼は馬鹿にしたように鼻で笑う。
「ふん、困るのは捨てられたそっちだけだろ」
ああ、もう、本当にこの人は思いやりのない人なのだ……。
強くそう感じた。
信じてきた自分が馬鹿だった。
「分かった、もういいわ」
「負け犬は惨めに喚いとけや」
こうして私とエイリールズの関係は終わったのだった。
◆
「大丈夫ですか!?」
「あ……」
エイリールズとの婚約破棄から一週間ほどが経ったある日のこと、一人で散歩していたところ倒れている良さげな身形の人物を発見した。
「怪我ですか!? それとも体調不良!?」
「う……あ、い、いや……」
「取り敢えずこちらへ! 歩けます? 少し歩けそうでしたらこちらへどうぞ、休める場所へお連れしますので!」
顔色の悪い青年を家まで連れて帰った。
そして親に事情を説明して保護に協力してもらう。
「――本当に、ありがとうございました」
彼はオシェットと名乗った。
負傷ではなく急な体調不良であったようだ。
そんなある日、母とオシェットが話しているところを目撃する。
「あらあら、もう元気になられたのですね」
「お母さまですね。保護していただき、心より感謝しています。娘さんにもそのようにお伝えください」
もちろん変な意味ではない。
ただ喋っているだけだ。
しかし入っていきづらいので壁の陰に隠れてそっと見ておくことにした。
「あの子、貴方がここにいるようになってから、笑顔を取り戻したんですよ」
「……笑顔?」
「ええ。実は……色々あったんです。婚約破棄とか何とか。あ、これはあの子には秘密にしておいてくださいね? でも、貴方が現れるまで、あの子は落ち込んで悩んでいたんですよ」
思ったより踏み込んだ話になっている……。
「そうでしたか。……それは、災難でしたね」
「だからありがとうなのですよ」
「そうですか。よく分かりませんが、少しでも何かできたなら、純粋に良かったと思います。もっとも、それでも、救護していただいたお礼には足りないと思いますが」
「よければこれからも仲良くしてやってくださいね」
「ええもちろん。恩がありますから。こちらとしましても、仲良くできれば嬉しいです」
母と話すオシェットは楽しそうだった。そして母も。二人はとても温かな空気の中で私の話をしていた。
そしてやって来る、オシェットが帰る日。
「本当に、色々ありがとうございました」
「健康になられて良かったです」
ずっと同じ家にいたから別れは少し寂しい。
「また、近く、伺わせてください」
「え?」
「お礼もしたいですし……問題がなければ、ですが」
そう言ってもらえて、次に繋がる言葉を発してもらえて、とても嬉しい。
「ぜひ! また仲良くしてください」
こうして私たちは別れたのだが、その直後に知ることとなる――オシェットが隣国の王子であったという事実を。
「母さん知ってたの!?」
「いいえ、知らなかったわ」
「王子!? 嘘でしょ!? そんなことって……あり得るの!?」
「でもそうみたいよ」
「えええ……」
ということは私は一国の王子を家に置いていたのか。
こ、怖すぎる……。
それから少しして、オシェットはお礼として家へ来てくれた。しかもいろんなお土産を持ってきてくれて。その中には高級な品もたくさんあって、ああやはり王子なのだなぁ、とそれによって初めて実感する。オシェットは良い意味で威厳のない人だからこれまでは信じられなかったけれど、持ってきてくれたお礼の品の顔ぶれを見るとやはりそうなのだと信じられるような気がしてきたのである。
以降、私たちは定期的に顔を合わせるようになった。
会うたび二人で話をする。
くだらないことだって話した、どうでもいいようなことも。
けれども彼はいつだって嫌な顔はせず聞いてくれていたし、穏やかな笑みを向けてくれていて。
だからこそ彼との会話は何よりも楽しかった。
そんな中で私はいつしか彼に惹かれるようになっていた。異性、という意味で。けれども無理な想いだとも思っていた、だから、踏み出すことはできなかった。
だって彼は一国の王子よ? 無理に決まっているじゃない。私は普通の女でしかない、それが彼の隣に? 呆れる。そんなこと、そんな奇跡、起きるはずがない!
けれどもその時はやって来て。
「貴女と結婚したい、そう考えています」
彼はそう言ってきた。
「え……」
告げられた時はまったくもって理解できなかった。
変に冷静さはあって「この人、何を言っているの?」なんて思ってしまうほどで。
「いきなりですみません。けど、いつかは言いたいと思っていたのです。他人でありながら保護し救ってくださった貴女の優しさに、実はずっと前から惹かれていました」
しかしそんな私を見てもオシェットは苛立ちはしなかった。
落ち着いて、優しく、言おうとしていることを整理しながら説明してくれる。
「え、あ、あの……ちょっと、大丈夫、です……?」
「どういうことでしょうか」
「あっ、いや、すみません! 失礼なことを! 無礼を!」
こちらはかなり混乱していて変なことを言ってしまったりもしたけれど。
「いえ責めてはいませんが」
「変なこと言ってしまってすみませんッ」
「いやいや、いいんです、気になさらないでください。それより、共に生きる未来を考えてみてはくださいませんか?」
オシェットはどんな時も穏やかな心を保っていた。
「あ……」
そして、こちらへ向いている彼の瞳は、どこまでも曇りなく真っ直ぐであった。
「嫌でしたらもちろんそう言っていただいで問題ありませんよ」
「……い、いえ、その……とても、嬉しいです」
心はもう決まっている。
彼と生きる。
そう固まっている。
きっと、少し前からそうだった。
彼を想っていたのだから。
「よろしく、お願いします……!」
◆
あれから数年、私とオシェットは夫婦となり生きている。
生まれ育った国を出ること、それは、ある程度勇気のいることであった。
けれども私は迷わなかった。
だって彼のところへ行きたかったから。
愛は勇気となりこの身を突き動かしたのだ。
一方エイリールズはというと、リリサと結婚しようと話を進めるも途中でリリサの親と喧嘩になってしまいある喧嘩中彼女の父親を何度か殴ったために結婚できないこととなってしまったそうだ。
また、暴行罪で牢屋送りとなり、数年を棒に振ることにもなってしまったようである。
もっとも、今さらそんなことを聞いても何も感じない。だって私にはもうそれほど関係のないことだから。我が人生において、彼は既に過去の人。だから、そんな話を聞いたとしても、馬鹿だなぁとしか思わない。
また、リリサはその後別の男性と結婚したそうだが、その男性は結婚後豹変して暴力夫となったそうだ。
で、彼女は、今もその被害を受け続けているらしい。
毎日のように怒鳴られ殴られ蹴られといった感じの生活だと聞いている。
◆終わり◆
幼馴染みで現婚約者でもある彼エイリールズの浮気が発覚し、そのことについて話を振ったところ、彼は平然とそんなことを言う。
「まぁ、さ? お前なんていて普通みたいなもんだしさ? 一緒にいてもそんなもん~みたいなくらいだけでさ。今さらそれ以上の感情とかねぇし」
エイリールズは私が思っていた以上に心ない人だったようで。
「けど、リリサはさ、とーっても可愛いんだよ。会うだけでドキドキするし、動作とかだけ見ても可愛すぎてきゅんきゅんするしな。そんな感じ」
彼は平然と浮気相手の良いところを言葉にして並べる。
私のことなんて一度も褒めてくれたことはないのに。
「だから俺はお前よりリリサの方が好きなんだ。ま、普通に考えて、当たり前だろ?」
「そういうものかしら……」
「だってリリサといると楽しいんだもん、浮気だってしてしまっても仕方ないだろ。つまらねーお前との婚約を破棄してこなかっただけまし、そう思ってほしいもんだよ」
そんなことを言って、私を傷つけていると気づかないの? いや、それか、意図的にそういうことをやっているのか? 気づいていないかのようなふりをしつつ傷つけるような言葉を投げる、それはわざとか?
わざとでないなら、それこそ本当にどうかしていると思うが……。
「でも、こんな面倒臭いこと言われるならもういいわ」
「え……」
「お前との婚約、破棄するから」
エイリールズはさらりとそんなことを宣言した。
他人の人生を大きく左右するようなこと。
それを彼はこんな状況でさくりと決めて口から出したのだ。
「婚約破棄!?」
「ああ」
「……本気で言っているの?」
「当たり前だろ」
「でも! 迷惑がかかるわ! ……今さらそんなこと、両方の親とか親戚に言える?」
すると彼は馬鹿にしたように鼻で笑う。
「ふん、困るのは捨てられたそっちだけだろ」
ああ、もう、本当にこの人は思いやりのない人なのだ……。
強くそう感じた。
信じてきた自分が馬鹿だった。
「分かった、もういいわ」
「負け犬は惨めに喚いとけや」
こうして私とエイリールズの関係は終わったのだった。
◆
「大丈夫ですか!?」
「あ……」
エイリールズとの婚約破棄から一週間ほどが経ったある日のこと、一人で散歩していたところ倒れている良さげな身形の人物を発見した。
「怪我ですか!? それとも体調不良!?」
「う……あ、い、いや……」
「取り敢えずこちらへ! 歩けます? 少し歩けそうでしたらこちらへどうぞ、休める場所へお連れしますので!」
顔色の悪い青年を家まで連れて帰った。
そして親に事情を説明して保護に協力してもらう。
「――本当に、ありがとうございました」
彼はオシェットと名乗った。
負傷ではなく急な体調不良であったようだ。
そんなある日、母とオシェットが話しているところを目撃する。
「あらあら、もう元気になられたのですね」
「お母さまですね。保護していただき、心より感謝しています。娘さんにもそのようにお伝えください」
もちろん変な意味ではない。
ただ喋っているだけだ。
しかし入っていきづらいので壁の陰に隠れてそっと見ておくことにした。
「あの子、貴方がここにいるようになってから、笑顔を取り戻したんですよ」
「……笑顔?」
「ええ。実は……色々あったんです。婚約破棄とか何とか。あ、これはあの子には秘密にしておいてくださいね? でも、貴方が現れるまで、あの子は落ち込んで悩んでいたんですよ」
思ったより踏み込んだ話になっている……。
「そうでしたか。……それは、災難でしたね」
「だからありがとうなのですよ」
「そうですか。よく分かりませんが、少しでも何かできたなら、純粋に良かったと思います。もっとも、それでも、救護していただいたお礼には足りないと思いますが」
「よければこれからも仲良くしてやってくださいね」
「ええもちろん。恩がありますから。こちらとしましても、仲良くできれば嬉しいです」
母と話すオシェットは楽しそうだった。そして母も。二人はとても温かな空気の中で私の話をしていた。
そしてやって来る、オシェットが帰る日。
「本当に、色々ありがとうございました」
「健康になられて良かったです」
ずっと同じ家にいたから別れは少し寂しい。
「また、近く、伺わせてください」
「え?」
「お礼もしたいですし……問題がなければ、ですが」
そう言ってもらえて、次に繋がる言葉を発してもらえて、とても嬉しい。
「ぜひ! また仲良くしてください」
こうして私たちは別れたのだが、その直後に知ることとなる――オシェットが隣国の王子であったという事実を。
「母さん知ってたの!?」
「いいえ、知らなかったわ」
「王子!? 嘘でしょ!? そんなことって……あり得るの!?」
「でもそうみたいよ」
「えええ……」
ということは私は一国の王子を家に置いていたのか。
こ、怖すぎる……。
それから少しして、オシェットはお礼として家へ来てくれた。しかもいろんなお土産を持ってきてくれて。その中には高級な品もたくさんあって、ああやはり王子なのだなぁ、とそれによって初めて実感する。オシェットは良い意味で威厳のない人だからこれまでは信じられなかったけれど、持ってきてくれたお礼の品の顔ぶれを見るとやはりそうなのだと信じられるような気がしてきたのである。
以降、私たちは定期的に顔を合わせるようになった。
会うたび二人で話をする。
くだらないことだって話した、どうでもいいようなことも。
けれども彼はいつだって嫌な顔はせず聞いてくれていたし、穏やかな笑みを向けてくれていて。
だからこそ彼との会話は何よりも楽しかった。
そんな中で私はいつしか彼に惹かれるようになっていた。異性、という意味で。けれども無理な想いだとも思っていた、だから、踏み出すことはできなかった。
だって彼は一国の王子よ? 無理に決まっているじゃない。私は普通の女でしかない、それが彼の隣に? 呆れる。そんなこと、そんな奇跡、起きるはずがない!
けれどもその時はやって来て。
「貴女と結婚したい、そう考えています」
彼はそう言ってきた。
「え……」
告げられた時はまったくもって理解できなかった。
変に冷静さはあって「この人、何を言っているの?」なんて思ってしまうほどで。
「いきなりですみません。けど、いつかは言いたいと思っていたのです。他人でありながら保護し救ってくださった貴女の優しさに、実はずっと前から惹かれていました」
しかしそんな私を見てもオシェットは苛立ちはしなかった。
落ち着いて、優しく、言おうとしていることを整理しながら説明してくれる。
「え、あ、あの……ちょっと、大丈夫、です……?」
「どういうことでしょうか」
「あっ、いや、すみません! 失礼なことを! 無礼を!」
こちらはかなり混乱していて変なことを言ってしまったりもしたけれど。
「いえ責めてはいませんが」
「変なこと言ってしまってすみませんッ」
「いやいや、いいんです、気になさらないでください。それより、共に生きる未来を考えてみてはくださいませんか?」
オシェットはどんな時も穏やかな心を保っていた。
「あ……」
そして、こちらへ向いている彼の瞳は、どこまでも曇りなく真っ直ぐであった。
「嫌でしたらもちろんそう言っていただいで問題ありませんよ」
「……い、いえ、その……とても、嬉しいです」
心はもう決まっている。
彼と生きる。
そう固まっている。
きっと、少し前からそうだった。
彼を想っていたのだから。
「よろしく、お願いします……!」
◆
あれから数年、私とオシェットは夫婦となり生きている。
生まれ育った国を出ること、それは、ある程度勇気のいることであった。
けれども私は迷わなかった。
だって彼のところへ行きたかったから。
愛は勇気となりこの身を突き動かしたのだ。
一方エイリールズはというと、リリサと結婚しようと話を進めるも途中でリリサの親と喧嘩になってしまいある喧嘩中彼女の父親を何度か殴ったために結婚できないこととなってしまったそうだ。
また、暴行罪で牢屋送りとなり、数年を棒に振ることにもなってしまったようである。
もっとも、今さらそんなことを聞いても何も感じない。だって私にはもうそれほど関係のないことだから。我が人生において、彼は既に過去の人。だから、そんな話を聞いたとしても、馬鹿だなぁとしか思わない。
また、リリサはその後別の男性と結婚したそうだが、その男性は結婚後豹変して暴力夫となったそうだ。
で、彼女は、今もその被害を受け続けているらしい。
毎日のように怒鳴られ殴られ蹴られといった感じの生活だと聞いている。
◆終わり◆
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