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ちょっぴりひとやすみ? 詩のコーナー
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『魔法が使えるなら』
魔法が使えるなら
貴方を取り戻したい
愛していた人
いいえ
愛している人
他の誰も代われない存在である貴方に
今すぐここへ戻ってきてほしい
けれど
心だけではきっと無意味だし
言葉だけでもきっと願いは叶わないでしょう
だから
魔法が使いたい
貴方をここへ連れ戻す魔法よ
嘘みたいな話ね
呆れるような話ね
けれどももしそんなものがあるとすれば
私きっと迷わずに使うと思うわ
だって貴方を求めているのだもの
だって貴方を欲しているのだもの
どうかここへ来て
どうか傍にいて
あの頃のように……
魔法が使えるなら
貴方を取り戻したい
愛していた人
いいえ
愛している人
他の誰も代われない存在である貴方に
今すぐここへ戻ってきてほしい
願いは願うだけでは無意味だから
叶えるための手段が必要で
けれども人に宿る力など小さなものだから
どんなに願ったとしても
叶わないものは叶わないものだから
ただそれでも
どうしても諦められなくて……
魔法が使えるなら
貴方を取り戻したい
ああどうか
一度だけでいい
奇跡を与えてほしい
魔法が使えるなら
『教えてわたしに』
ねぇ 教えてわたしに
あなたの色
あなたの息
すべてを教え込んでほしい
そうやって 伝えてわたしに
あなたという人を
あなたという存在を
永遠に
この魂に刻み込んでほしいの
だって 愛してる
あなたの色
あなたの息
すべてが愛しいから
淡い色をした輪郭を指でなぞっても
愛を描くことはできないけれど
もしもあなたがそれを望んでくれるのなら
あなたがわたしに描き方を
そっと教えてくれればいい
そうすればきっと……
切なげな目をしていた
あの夜のあなたに
愛してるを伝えたくて
けれどできなかったわたしは
今も心の中で
後悔を重ねているから
もう一度呼んで
もう一度見つめて
お願い
ねぇ 教えてわたしに
あなたの色
あなたの息
すべてを教え込んでほしい
そうやって 伝えてわたしに
『婚約破棄される前の話よ』
お腹が痛い夜には
あなたとの日々を思い出すの
共にあれたあの頃
毎日がとても楽しかった
嫌なことも
辛いことも
きっとあったのだろうけど
そんなものどうでもよくなるくらいの幸せが
確かにそこにあって
だから
どんなことも乗り越えられた
婚約破棄される前の話よ
頭が痛みに軋む夜には
あなたとの日常が蘇るの
隣り合っていたあの頃
毎日が薔薇色で
苦しみも
悲しみも
きっと存在はしたのだろうけど
そんなこと少しも気にならないくらいの幸せが
確かにそこにあったから
だから
どんなことにも立ち向かえた
婚約破棄される前の話よ
もしあの頃に戻れるのなら
何を願うかって
問われてもきっと
答えはすぐには出せなくて……
魔法が使えるなら
貴方を取り戻したい
愛していた人
いいえ
愛している人
他の誰も代われない存在である貴方に
今すぐここへ戻ってきてほしい
けれど
心だけではきっと無意味だし
言葉だけでもきっと願いは叶わないでしょう
だから
魔法が使いたい
貴方をここへ連れ戻す魔法よ
嘘みたいな話ね
呆れるような話ね
けれどももしそんなものがあるとすれば
私きっと迷わずに使うと思うわ
だって貴方を求めているのだもの
だって貴方を欲しているのだもの
どうかここへ来て
どうか傍にいて
あの頃のように……
魔法が使えるなら
貴方を取り戻したい
愛していた人
いいえ
愛している人
他の誰も代われない存在である貴方に
今すぐここへ戻ってきてほしい
願いは願うだけでは無意味だから
叶えるための手段が必要で
けれども人に宿る力など小さなものだから
どんなに願ったとしても
叶わないものは叶わないものだから
ただそれでも
どうしても諦められなくて……
魔法が使えるなら
貴方を取り戻したい
ああどうか
一度だけでいい
奇跡を与えてほしい
魔法が使えるなら
『教えてわたしに』
ねぇ 教えてわたしに
あなたの色
あなたの息
すべてを教え込んでほしい
そうやって 伝えてわたしに
あなたという人を
あなたという存在を
永遠に
この魂に刻み込んでほしいの
だって 愛してる
あなたの色
あなたの息
すべてが愛しいから
淡い色をした輪郭を指でなぞっても
愛を描くことはできないけれど
もしもあなたがそれを望んでくれるのなら
あなたがわたしに描き方を
そっと教えてくれればいい
そうすればきっと……
切なげな目をしていた
あの夜のあなたに
愛してるを伝えたくて
けれどできなかったわたしは
今も心の中で
後悔を重ねているから
もう一度呼んで
もう一度見つめて
お願い
ねぇ 教えてわたしに
あなたの色
あなたの息
すべてを教え込んでほしい
そうやって 伝えてわたしに
『婚約破棄される前の話よ』
お腹が痛い夜には
あなたとの日々を思い出すの
共にあれたあの頃
毎日がとても楽しかった
嫌なことも
辛いことも
きっとあったのだろうけど
そんなものどうでもよくなるくらいの幸せが
確かにそこにあって
だから
どんなことも乗り越えられた
婚約破棄される前の話よ
頭が痛みに軋む夜には
あなたとの日常が蘇るの
隣り合っていたあの頃
毎日が薔薇色で
苦しみも
悲しみも
きっと存在はしたのだろうけど
そんなこと少しも気にならないくらいの幸せが
確かにそこにあったから
だから
どんなことにも立ち向かえた
婚約破棄される前の話よ
もしあの頃に戻れるのなら
何を願うかって
問われてもきっと
答えはすぐには出せなくて……
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