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ある雨降りの日、急に約束をキャンセルされたと思ったら……まさかの展開でした!?
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ある雨降りの日。
わたしは婚約者である彼ルーガンが知らない女性と一緒に街を歩いているところを目撃してしまった。
「ねえ、ルー。これからどうするぅ? どこ行くぅ?」
「そうだな。君の好きなところへ行くので構わないよ。どうしようか。先に食事でもいいし」
「そうねぇ、じゃあ、ルーと二人きりになりたいなぁ」
その日はもともとわたしと彼がお出掛けする約束をしていた日で、しかしなぜか唐突にお出掛け中止とされてしまった日であった。
急に約束を取りやめ、なんて、かなり謎だったのだが。
これを見たら理由がはっきりと分かった。
彼は女性と出掛けるためにわたしとの約束を急遽取りやめたのだろう。
あまり良い気はしないな……。
取り敢えず写真を数枚撮っておく。
以降、私はもうルーガンを信じることはせず、彼の浮気の証拠を集めることだけに全力投球した。
もう彼への想いはない。
この胸の内に確かに宿っていた彼への想いは彼が砕いたのだ。
――そしてその日はやって来る。
わたしは集めた証拠を持ってルーガンのもとへ向かう。
そして告げるのだ。
もうすべてを知っている、ということを。
「勘違いだよ!」
「何を言っても無駄よ、わたしは貴方を信じはしない」
「どうして」
「いつも会っているでしょう? この女性と」
「勘違いだってば!」
「ならどういう関係なのよ、説明してちょうだい」
ルーガンと共に生きられたらいいなってずっと思っていたのに。
それを壊したのは彼自身だ。
「仕事仲間なんだ。いつも一緒に仕事してて。だから仲良く見えたのかもしれないけど、本当に、仕事で手を貸し合ってるだけの関係だよ」
もはや何を言われても手遅れだ。
一度壊れたものは元には戻らない。
「ならどうしていつもいちゃいちゃしながら歩いているの?」
「違う! いちゃいちゃなんてしてない!」
「それを決めるのはこちらだわ。不快なのよ、あんな姿見せられたら」
「誤解だよ……」
ルーガンは悲しげな目をするけれど、そんな演技に効果はない。
「ならばどうしてあんないかがわしい休憩所にいつも二人で入っていくのよ」
「えっ……」
「見たのよわたし。何度も。街の外れの休憩所へ入っていくところを。……あそこへ男女で入っていくということはつまりそういうことじゃないの」
わたしはもうルーガンを愛せない。
「じゃ、婚約破棄するから」
だからおしまいにしよう。
「さよならルーガン」
◆
あれから数年、結婚し、ずっと前からの夢だった飲食店をオープンした。
夫は資産家だ。
彼の支援によって店を開くことができた。
今は毎日とても忙しいけれど、夢を叶えられたことはとても嬉しくて、非常に充実した日々となっている。
わたしはこれからもこの道を進んでゆきたいと考えている。
一方ルーガンはというと、あの浮気相手である女性と結ばれることはできなかったようだ。
というのも、ルーガンの両親がその女性との結婚を反対したそうなのだ。
当人である二人は確かに愛し合っていた、が、彼の両親がその女性を受け入れることはなく――結局二人は離れ離れになってしまうこととなったらしい。
その後ルーガンは心を病み。
彼は今ではすっかり萎れてしまっているよう。
ルーガンは今、体調を崩していて、四六時中自室のベッドに横になっていなくてはならないほどの調子の悪さだそうだ。
◆終わり◆
わたしは婚約者である彼ルーガンが知らない女性と一緒に街を歩いているところを目撃してしまった。
「ねえ、ルー。これからどうするぅ? どこ行くぅ?」
「そうだな。君の好きなところへ行くので構わないよ。どうしようか。先に食事でもいいし」
「そうねぇ、じゃあ、ルーと二人きりになりたいなぁ」
その日はもともとわたしと彼がお出掛けする約束をしていた日で、しかしなぜか唐突にお出掛け中止とされてしまった日であった。
急に約束を取りやめ、なんて、かなり謎だったのだが。
これを見たら理由がはっきりと分かった。
彼は女性と出掛けるためにわたしとの約束を急遽取りやめたのだろう。
あまり良い気はしないな……。
取り敢えず写真を数枚撮っておく。
以降、私はもうルーガンを信じることはせず、彼の浮気の証拠を集めることだけに全力投球した。
もう彼への想いはない。
この胸の内に確かに宿っていた彼への想いは彼が砕いたのだ。
――そしてその日はやって来る。
わたしは集めた証拠を持ってルーガンのもとへ向かう。
そして告げるのだ。
もうすべてを知っている、ということを。
「勘違いだよ!」
「何を言っても無駄よ、わたしは貴方を信じはしない」
「どうして」
「いつも会っているでしょう? この女性と」
「勘違いだってば!」
「ならどういう関係なのよ、説明してちょうだい」
ルーガンと共に生きられたらいいなってずっと思っていたのに。
それを壊したのは彼自身だ。
「仕事仲間なんだ。いつも一緒に仕事してて。だから仲良く見えたのかもしれないけど、本当に、仕事で手を貸し合ってるだけの関係だよ」
もはや何を言われても手遅れだ。
一度壊れたものは元には戻らない。
「ならどうしていつもいちゃいちゃしながら歩いているの?」
「違う! いちゃいちゃなんてしてない!」
「それを決めるのはこちらだわ。不快なのよ、あんな姿見せられたら」
「誤解だよ……」
ルーガンは悲しげな目をするけれど、そんな演技に効果はない。
「ならばどうしてあんないかがわしい休憩所にいつも二人で入っていくのよ」
「えっ……」
「見たのよわたし。何度も。街の外れの休憩所へ入っていくところを。……あそこへ男女で入っていくということはつまりそういうことじゃないの」
わたしはもうルーガンを愛せない。
「じゃ、婚約破棄するから」
だからおしまいにしよう。
「さよならルーガン」
◆
あれから数年、結婚し、ずっと前からの夢だった飲食店をオープンした。
夫は資産家だ。
彼の支援によって店を開くことができた。
今は毎日とても忙しいけれど、夢を叶えられたことはとても嬉しくて、非常に充実した日々となっている。
わたしはこれからもこの道を進んでゆきたいと考えている。
一方ルーガンはというと、あの浮気相手である女性と結ばれることはできなかったようだ。
というのも、ルーガンの両親がその女性との結婚を反対したそうなのだ。
当人である二人は確かに愛し合っていた、が、彼の両親がその女性を受け入れることはなく――結局二人は離れ離れになってしまうこととなったらしい。
その後ルーガンは心を病み。
彼は今ではすっかり萎れてしまっているよう。
ルーガンは今、体調を崩していて、四六時中自室のベッドに横になっていなくてはならないほどの調子の悪さだそうだ。
◆終わり◆
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