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学生時代に知り合いその後婚約した人がいたのですが、実妹に奪い取られてしまいました。~私は幸せになります~

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 私にはアルフレッドという婚約者がいた。
 彼との出会いは学園時代。
 元々はさほど親しくなかったのだが、卒業間近のある日彼が声をかけてきてくれて、それから徐々に話をするようになっていっって――そうして婚約するに至った。

 だがその話を耳にした実妹イリナは不満げな顔をして。

 それからどのくらい経ったか分からないが。大体二ヶ月くらいだろうか。そのくらいが経った時に、イリナはアルフレッドを私から奪った。巧みな演技力でアルフレッドを惚れさせたイリナは、アルフレッドに私との婚約を破棄させ、その後間もなく彼と婚約した。

 完全に奪われた形であった。

 しかしその後私は隣国の高貴な家柄の男性に見初められて結婚。
 おかげで不幸にはならなかった。
 けれどもイリナがまた現れて、色仕掛けをして、アルフレッドの時と同じように奪い取ろうとした。

 しかし高貴な彼は騙されなかった。

 彼はすぐにアルフレッドに連絡する。

 ――そうして泥棒猫的行動がばれてしまうイリナだった。

 アルフレッドには「幻滅した」と言われ、離婚されるイリナ。

 彼女は独りになってしまう。
 実家へ戻るも離婚の理由が理由なので親からも冷たい接し方をされることに。

 そうして彼女は壊れていった……。

 ちなみにアルフレッドはその後二股していて片方の女性の兄と父親に殴られ死亡した。


 ◆


 あれから三年半ほどが経過した。

 私は今も高貴な家柄の男性と夫婦として穏やかに暮らしている。
 優しさと凛々しさを宿した彼は良きパートナーだ。

 彼とならどこへでも行けるし何でも乗り越えられる、そんな気がしている。

 この道を歩んできたことを後悔はしないだろう――そう、一生。

 イリナはというと、今も実家にいるようだが、その精神は砕かれきってしまっているようだ。

 彼女はもう正気ではない。
 朝から晩まで突然泣き出す、奇声を発する、何の前触れもなく暴れ始める、と、ずっとそんな不安定な状態だそうだ。
 同居している両親はすっかり彼女のことを嫌いになっているそう。
 私からいろんなものを奪い取ったり奪い取ろうとしてきた彼女だけれど、結局、純粋な意味での幸せを手に入れることはできなかったようだ。

 彼女は孤独だ。

 ――そう、永遠に。

 良い結婚相手も、家族からの愛も、彼女は二度と手に入れることはできないだろう。

 生きていてもただ生きているだけ。
 何なら周囲に不愉快がられ鬱陶しがられながら生きてゆくこととなるに違いない。

 だがそれも自業自得だと私は思う。
 姉の婚約者を奪い取ったような女が幸せになれるはずがないのだから。

 悪女は悲しい結末へ至るのが当然、そうであるべきだ。


◆終わり◆
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