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前編
しおりを挟む現代日本で暮らしていた私は、ある時夜道で何者かに襲われて死に、そのまま異世界へと転生した。
しかも、別人として。
「ルミーラ! お前のような頭空っぽな女は俺には必要ない! よって、婚約は破棄とする!」
――転生した先の女性ルミーラは、とても可愛らしい容姿の持ち主だった。
赤い髪は少しうねっていて長く伸び、肌はつるんとしていて、目鼻立ちは華やか。どんなドレスを着ていても似合うような、そんな、同性から見ても魅力的な女性であった。
しかし婚約者アボガットには好かれていないようで。
「お前はな! 元々馬鹿過ぎなんだよ! 分かるか? 言われてる意味。俺はなぁ、妻にするのは聡明な女って決めてたんだよ! 子どもの頃から! ったく、ちょっと遊んだらその気になりやがって……ふざけんな!」
いや、むしろ、かなり嫌われているようだった。
「何そこにじっとしてんだ!」
「え……」
「ルミーラ、お前は馬鹿だから分からないだろうが、俺はもうお前の顔を見ることすら不快で嫌なんだ」
「は、はい……」
「さっさとどっか行ってくれ!」
「……承知しました」
どうしてそこまで嫌うの? ルミーラは可愛い娘じゃない。それこそ元々の私みたいな地味な女じゃない、魅力的で愛されるに相応しい女性だ。なのにどうして、そんな、酷い言葉ばかり並べるの? そんなにルミーラを傷つけたいの?
色々思ったけれど、私は速やかにその場から去った。
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