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後編
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「出会いはある午後、彼女の方からティータイムに誘ってくれてな。それで、少しだけと思って、一度行ってみたんだ。そうしたらとても快適だったんだ。彼女はとにかく優しくて、話もじっくり聞いてくれて肯定してくれる」
いや、もう、そういう話はいいから。
「分かりました。そちらに別の女性がいるなら仕方がないので、お別れしましょう」
「ようやく分かったか」
婚約破棄して損することになるのは彼の方。いや、厳密には、彼の両親か。わたしたちが別れるとなると、彼の両親の思惑はすべて崩壊することとなる。この話を知れば、彼の両親は驚き慌てるだろう。
「さようなら」
「ああ。永遠にバーイ、だな」
カールスは最後まで感じ悪かった。
◆
その後わたしとカールスの婚約は破棄となる。
予想通りカールスの両親は驚き慌てていた。また、何とか別れ話をなくそうと、わたしやわたしの親を説得しようとしてきた。が、すべて無意味だ。だって、婚約破棄の話を出したのはこちらではないのだから。破棄しようと言い出したのはカールス自身なのだから。
わたしは慰謝料の支払いは求めなかった。
とにかく少しでも早く彼の前から去りたかったのだ。
後に聞いた噂によると、わたしとの婚約を破棄するや否やカールスはフルシリエラのところへ行ったそうだ。そしてプロポーズしたらしい。だが断られたそうだ。というのも、フルシリエラには愛している婚約者がいたのだ。フルシリエラにとって、カールスはちょっとした遊び相手に過ぎなかったのである。
すっかり落ち込んでしまったカールス。
そんな彼を帰りを待っていたのは、激怒している父親。
カールスは父親から叱られることとなる。せっかくいい感じの婚約だったのに、と責められ続けたカールスは、苛立ちのあまり父親を殴ってしまう。そのことを通報され、親を暴行したとして捕まってしまう。
カールスは、愛する女性からは相手されず、罪人として扱われ虚しく生きた。
一方わたしはというと。
誰かと再び婚約する気にもなれず、勉強に力を入れ、植物学者になった。
◆終わり◆
いや、もう、そういう話はいいから。
「分かりました。そちらに別の女性がいるなら仕方がないので、お別れしましょう」
「ようやく分かったか」
婚約破棄して損することになるのは彼の方。いや、厳密には、彼の両親か。わたしたちが別れるとなると、彼の両親の思惑はすべて崩壊することとなる。この話を知れば、彼の両親は驚き慌てるだろう。
「さようなら」
「ああ。永遠にバーイ、だな」
カールスは最後まで感じ悪かった。
◆
その後わたしとカールスの婚約は破棄となる。
予想通りカールスの両親は驚き慌てていた。また、何とか別れ話をなくそうと、わたしやわたしの親を説得しようとしてきた。が、すべて無意味だ。だって、婚約破棄の話を出したのはこちらではないのだから。破棄しようと言い出したのはカールス自身なのだから。
わたしは慰謝料の支払いは求めなかった。
とにかく少しでも早く彼の前から去りたかったのだ。
後に聞いた噂によると、わたしとの婚約を破棄するや否やカールスはフルシリエラのところへ行ったそうだ。そしてプロポーズしたらしい。だが断られたそうだ。というのも、フルシリエラには愛している婚約者がいたのだ。フルシリエラにとって、カールスはちょっとした遊び相手に過ぎなかったのである。
すっかり落ち込んでしまったカールス。
そんな彼を帰りを待っていたのは、激怒している父親。
カールスは父親から叱られることとなる。せっかくいい感じの婚約だったのに、と責められ続けたカールスは、苛立ちのあまり父親を殴ってしまう。そのことを通報され、親を暴行したとして捕まってしまう。
カールスは、愛する女性からは相手されず、罪人として扱われ虚しく生きた。
一方わたしはというと。
誰かと再び婚約する気にもなれず、勉強に力を入れ、植物学者になった。
◆終わり◆
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