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『猫人族の姫は人間の王子に裏切られ婚約破棄されましたが……。』
猫人族の姫であるローリエは人間の王子アッサムと婚約した。
それは二つの種族の関係を良好に保ってゆくための婚約であった。
つまり、お互いに代表を出し合ったのである。
二人が幸せに生きてゆくこと、それが、猫人族と人間が共に存在してゆくことの象徴となる……はずだったのだ。
だがアッサムはローリエを裏切った。
元々知り合いだった侍女メリアといちゃつき、深い関係となり、そうしてやがてそれがローリエにばれると逆ギレしたのだ。
「猫人族の女なんか愛するわけないだろ! 仕方なく婚約してやってんだよ! 国のために、な!」
アッサムは迷いなくメリアを選んだ。
「お前なんかとの婚約、破棄してやるッ!!」
……だがそれがローリエの父親の怒りを爆発させることとなってしまう。
猫人族は人間を許さない。
種族が異なるというだけで見下され馬鹿にされたのだからある意味当然なのだが。
ローリエの父親は軍を率いて人間の国へ侵攻。
そうして戦いが始まる。
それはどちらかの種族が滅びるまで終わることのない血に塗られた戦いとなってゆくのだった。
……そして、人間は敗北した。
アッサムは多くの猫人族の前で痛めつけられ、その果てに処刑された。
彼の親も同じだ。
捕らえられてからしばらく暴力の的となり、その後死刑となった。
そしてメリアはというと、落書きされた身体を柱にくくりつけられて晒された。
「あれなんだ、おもしれー」
「きゃははっ」
「何か変なこと書かれてるわねぇ」
「うけたわ」
「だっせ」
「愚かな人間ならではね。ざまぁ。馬鹿だから似合ってるわ」
ローリエは猫人族の国へ戻った。
それから時は流れ、ローリエは蛇人族の王子と結婚。
彼女はそこで幸せに暮らしたそうだ。
◆終わり◆
『愛していた人を妹に盗られ、ショックで壊れそうになったのですが……奇跡の復活を果たしました! ~二人はあの世逝きとなりました~』
愛していた人、婚約者だった人を、妹に盗られた。
「悪いな、俺、あんたはもう要らねぇわ」
「魅力的でごめんなさいねぇ、お姉様ぁ」
婚約者ロールスエイスは私ではなく私の妹を選んだ。
「婚約は破棄とする」
そう、彼は私を愛してはくれなかった……。
愛されている。
大事にされている。
私が信じてきたものはすべてが幻、まやかしだった。
「そんな……」
「何だようぜぇ顔しやがって。お前なんて要らねぇんだわ」
「でもっ……!」
「俺が愛してるのは妹さんだけ、彼女だけなんだよ」
こうして私の心は破壊されてしまった……。
――だが、両親からのサポートもあって、徐々に回復していく。
ようやく食事がとれるようになった頃。
ある事件が起こって。
それによってロールスエイスは死亡した。
「ロールスエイスさまあああ! どうしてわたくしを捨てたのですか!? どうしてっ……先にっ……うああああああん! ロールスエイスさまあああああああ! 戻ってきて! 戻ってきてえええええ! うわああああああああああああん! 帰ってきてくださいよおおおお! そして愛してるってもう一度言ってえええええええ!」
そのショックで妹は完全に壊れた。
「あああああ……戻ってきて、あなた……あああ……わたくしを捨てるのですか……? どうして! どうしてなのですか!? 早くここへ! 戻ってきてください! わたくしは、わたくしはっ……ここに! ここにいるというのに! お願いですから帰ってきてくださいいいいいいいいい! あああ! ああああ! いぃやああああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁっあっあっうっああああああああ!」
私と違って回復しそうにもなく。
「お願い! わたくしを! わたくしも連れていって! 一緒に! そちらへ! 浮気しないで! きぃえええぇぇぇやぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ! あなたああああああああ!」
彼女はそのまま叫び続け、やがて衰弱して亡くなった。
……こうして、私を傷つけた二人はこの世を去ったのであった。
◆
「おはよう、今日も良い天気ね!」
「うんそうだね~。おはよう~。っていうか、朝から元気だね~」
あれから数年、私は、良き夫を得られた。
「爽やかな朝は好きなの」
「そうなんだ~」
「何よそれ!? 初耳みたいに言うわね!?」
「いやいや~、聞いたことあるけど~、改めて学んだな~って」
「えええ……」
おっとり気味で可愛らしい夫と幸せに暮らしている。
「じゃあ朝食作ってくるから」
「ありがとう~」
「あ、卵どうする? 半生がいい?」
「やった~」
「半生好きよね」
「うん好き大好き~」
◆終わり◆
猫人族の姫であるローリエは人間の王子アッサムと婚約した。
それは二つの種族の関係を良好に保ってゆくための婚約であった。
つまり、お互いに代表を出し合ったのである。
二人が幸せに生きてゆくこと、それが、猫人族と人間が共に存在してゆくことの象徴となる……はずだったのだ。
だがアッサムはローリエを裏切った。
元々知り合いだった侍女メリアといちゃつき、深い関係となり、そうしてやがてそれがローリエにばれると逆ギレしたのだ。
「猫人族の女なんか愛するわけないだろ! 仕方なく婚約してやってんだよ! 国のために、な!」
アッサムは迷いなくメリアを選んだ。
「お前なんかとの婚約、破棄してやるッ!!」
……だがそれがローリエの父親の怒りを爆発させることとなってしまう。
猫人族は人間を許さない。
種族が異なるというだけで見下され馬鹿にされたのだからある意味当然なのだが。
ローリエの父親は軍を率いて人間の国へ侵攻。
そうして戦いが始まる。
それはどちらかの種族が滅びるまで終わることのない血に塗られた戦いとなってゆくのだった。
……そして、人間は敗北した。
アッサムは多くの猫人族の前で痛めつけられ、その果てに処刑された。
彼の親も同じだ。
捕らえられてからしばらく暴力の的となり、その後死刑となった。
そしてメリアはというと、落書きされた身体を柱にくくりつけられて晒された。
「あれなんだ、おもしれー」
「きゃははっ」
「何か変なこと書かれてるわねぇ」
「うけたわ」
「だっせ」
「愚かな人間ならではね。ざまぁ。馬鹿だから似合ってるわ」
ローリエは猫人族の国へ戻った。
それから時は流れ、ローリエは蛇人族の王子と結婚。
彼女はそこで幸せに暮らしたそうだ。
◆終わり◆
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愛していた人、婚約者だった人を、妹に盗られた。
「悪いな、俺、あんたはもう要らねぇわ」
「魅力的でごめんなさいねぇ、お姉様ぁ」
婚約者ロールスエイスは私ではなく私の妹を選んだ。
「婚約は破棄とする」
そう、彼は私を愛してはくれなかった……。
愛されている。
大事にされている。
私が信じてきたものはすべてが幻、まやかしだった。
「そんな……」
「何だようぜぇ顔しやがって。お前なんて要らねぇんだわ」
「でもっ……!」
「俺が愛してるのは妹さんだけ、彼女だけなんだよ」
こうして私の心は破壊されてしまった……。
――だが、両親からのサポートもあって、徐々に回復していく。
ようやく食事がとれるようになった頃。
ある事件が起こって。
それによってロールスエイスは死亡した。
「ロールスエイスさまあああ! どうしてわたくしを捨てたのですか!? どうしてっ……先にっ……うああああああん! ロールスエイスさまあああああああ! 戻ってきて! 戻ってきてえええええ! うわああああああああああああん! 帰ってきてくださいよおおおお! そして愛してるってもう一度言ってえええええええ!」
そのショックで妹は完全に壊れた。
「あああああ……戻ってきて、あなた……あああ……わたくしを捨てるのですか……? どうして! どうしてなのですか!? 早くここへ! 戻ってきてください! わたくしは、わたくしはっ……ここに! ここにいるというのに! お願いですから帰ってきてくださいいいいいいいいい! あああ! ああああ! いぃやああああぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああぁぁぁぁっあっあっうっああああああああ!」
私と違って回復しそうにもなく。
「お願い! わたくしを! わたくしも連れていって! 一緒に! そちらへ! 浮気しないで! きぃえええぇぇぇやぁぁぁぁあああああぁぁぁぁ! あなたああああああああ!」
彼女はそのまま叫び続け、やがて衰弱して亡くなった。
……こうして、私を傷つけた二人はこの世を去ったのであった。
◆
「おはよう、今日も良い天気ね!」
「うんそうだね~。おはよう~。っていうか、朝から元気だね~」
あれから数年、私は、良き夫を得られた。
「爽やかな朝は好きなの」
「そうなんだ~」
「何よそれ!? 初耳みたいに言うわね!?」
「いやいや~、聞いたことあるけど~、改めて学んだな~って」
「えええ……」
おっとり気味で可愛らしい夫と幸せに暮らしている。
「じゃあ朝食作ってくるから」
「ありがとう~」
「あ、卵どうする? 半生がいい?」
「やった~」
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◆終わり◆
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