12 / 44
ある晩餐会にて、婚約者が婚約破棄を告げてきました。しかも会場からも追い出されてしまったのです……が?
しおりを挟む
「エリーザベータ! 貴様との婚約、本日をもって破棄とする!」
婚約者ロマニスクはある晩餐会にてそんな宣言を発する。
あまりにも突然の宣言。
その場に居合わせた誰もが戸惑いの色を面に滲ませている。
「ロマニスクさま……何あれ、ちょっと意味不明ね……」
「いきなり婚約破棄とか言い出すとか子ども?」
「馬鹿みたい、って、思ってしまうわどうしても」
「こういう皆が楽しんでる場で婚約破棄とかそういうこと言い出さないでほしいわよねぇ、せっかくの時間が、晩餐会が台無しじゃないの」
晩餐会参加者たちはそんなひそひそ話をしていた。
「エリーザベータ、貴様には価値などない!!」
「いきなり何を仰るのですか?」
「つ、つまり! もう貴様は要らんということだ! 今すぐ消えろ、と、そう言いたいだけだ!」
「なぜ婚約破棄なのか、理由を説明してください。私が何をしましたか? 私にどういった非がありますか?」
冷静に言葉を返せば、ロマニスクは変に慌て出す。
「う、う、うるさいッ!! 説明する義務なんてないだろ!? 婚約破棄するって決定はなぁ! もう絶対なんだよ! 男が決めればそれが絶対的な決定、当たり前だろうが!!」
何だか怪しいなぁ……。
「とっ、と、とととっ……とにかく! 貴様! さっさとここから去れ! 婚約破棄された女には、晩餐会に参加し続ける権利はないのだから!! わ、わわ、分かったか!? 分かったならすぐに出ていけ! いっ、いまっ、今すぐにっ! 早く! たっ……た、たた、立ち去れよ! 目の前から消えてくれ、いや、消えろ! ほら早くッ!!」
こうして私は婚約破棄されたうえ晩餐会の会場からも追い出されてしまった。
「ロマニスクさま……何あれ……ちょっと引くわ……」
「癇癪起こすとか子ども?」
「馬鹿みたいね、呆れるわ」
「こういう社交の場で婚約破棄とか何とか言ったうえぎゃあぎゃあ騒ぐのはやめてほしいものねぇ、迷惑の極みだわ」
だがその帰り道。
「少しよろしいでしょうか?」
「え……あ、はい」
「貴女がエリーザベータさまですね」
「え、っと……その、貴方は?」
「ああそうでした、いきなり名乗りもせず失礼しました。わたしは帝国領主のカープストンと申します」
カープストン、といえば、確か隣国である帝国の広大な領土を治めている領主だった……ような?
でも、また、そんな人がどうして私に?
いやそもそも帝国の人がここにいるのがよく分からないし。
しかも私なんかに話しかけてくるというのも理解が追いつかない。
「失礼ですが、婚約破棄されたそうですね」
「はい」
「よければ、なのですが……」
「何でしょうか」
怪しみつつ対応していると。
「わたしのもとへ嫁いではくださいませんか」
彼の口から飛び出してきたのは、心臓を爆発させかねないほどの威力のある言葉であった。
私はただ硬直することしかできなかった。
あまりにも唐突。
あまりにも想定外。
脳の動きは完全に停止、唇が訳もなく小刻みに震える。
だが。
「実は、昔、この国に来ていて貴女に救われたことがあるのです」
そう聞かされて、少しだけ硬直から解放される。
「えっ。そうなのですか?」
「はい、実は、その時わたしは親についてこの国へ来ていたのですが、空が綺麗だったのでぽけーっとしてしまっていて迷子になってしまったのです」
過去の記憶へとアクセスして。
「あ……!」
一分も経たず答えを出す。
「思い出していただけましたか?」
少し頬を緩めるカープストン。
「も、もしかして、十年以上前の……?」
「そうです」
「あの凄まじく泣いていた!?」
「はい、はい、そうです」
「あの少年が貴方、カープストンさまだったのですか!!」
「ええそうです」
……そうか、私たち、もうずっと前に出会っていたのか。
これをきっと人々は運命と呼ぶのだろう。
◆
あれから一年。
私は近い将来カープストンと結婚することを決め、家族で、帝国へと引っ越した。
今はカープストンとそのご両親に色々お世話になっている。
そうそう、ロマニスクはというと、あの後間もなく子を宿しているらしい女と結婚したそうだ。
だがそれを知った別の女に激怒され、二人まとめて殺められてしまったそう。
ちなみにその激怒した女というのは子を宿している女とは別にロマニスクに手を出されていた女だったのだそうだ。
つまりロマニスクは私以外の複数人の女に手を出していたのだ。
……どこまでだらしない人なのだろう、まったく、呆れてしまう。
とはいえ、彼がもうこの世界にいないというのは安堵するところではある。だってそれは、もう二度と彼の顔を見なくて済むということだから。他人の不幸を願うわけではないけれど。でも、彼に関しては、二度と会わなくていいと思えることは嬉しいことなのだ。死を願っていたわけではないけれど。
◆
帝国へ引っ越して、数年。
私はカープストンと結婚し帝国領主の妻となった。
「おはよう、エリー」
「カープはいつも朝早いわね」
「そうかな?」
「自覚はないのね」
「まぁ元々こんな感じだからね、よく分からないな」
私たちの関係は良好。
毎日はとても幸せ。
「ま、でも、なんにせよ、今日も貴方が元気そうで良かったわ」
この世界にもし本当に神様がいるのなら、ありがとう、そう言いたい。
「これから仕事?」
「うん」
「頑張ってね! あ、そっか、手伝えることがあったらいつでも呼んでちょうだいね」
「エリーはいつもそう言ってくれるね」
「変かしら」
「ううん、嬉しいんだ。頼むことはあまりないけど。でも、共にあろうとしてくれる気持ちがとても嬉しいよ」
夫婦である以上、支え合うのが当然のこと。
でもこうして改めて感謝されればそれはそれで嫌な気はしない。
「取り敢えず朝食を。エリーもどう?」
「ぜひ!」
「じゃあ頼んでくるね」
「ヨーグルトがあるといいなぁ」
「エリーはほんと好きだね、ヨーグルト」
「ええ! だって美味しいんだもの!」
「じゃあ伝えておくよ」
「ごめん……わがまま言って……」
「まさか。わがままじゃないよ。希望を言ってもらえるのは嬉しいことだよ」
◆終わり◆
婚約者ロマニスクはある晩餐会にてそんな宣言を発する。
あまりにも突然の宣言。
その場に居合わせた誰もが戸惑いの色を面に滲ませている。
「ロマニスクさま……何あれ、ちょっと意味不明ね……」
「いきなり婚約破棄とか言い出すとか子ども?」
「馬鹿みたい、って、思ってしまうわどうしても」
「こういう皆が楽しんでる場で婚約破棄とかそういうこと言い出さないでほしいわよねぇ、せっかくの時間が、晩餐会が台無しじゃないの」
晩餐会参加者たちはそんなひそひそ話をしていた。
「エリーザベータ、貴様には価値などない!!」
「いきなり何を仰るのですか?」
「つ、つまり! もう貴様は要らんということだ! 今すぐ消えろ、と、そう言いたいだけだ!」
「なぜ婚約破棄なのか、理由を説明してください。私が何をしましたか? 私にどういった非がありますか?」
冷静に言葉を返せば、ロマニスクは変に慌て出す。
「う、う、うるさいッ!! 説明する義務なんてないだろ!? 婚約破棄するって決定はなぁ! もう絶対なんだよ! 男が決めればそれが絶対的な決定、当たり前だろうが!!」
何だか怪しいなぁ……。
「とっ、と、とととっ……とにかく! 貴様! さっさとここから去れ! 婚約破棄された女には、晩餐会に参加し続ける権利はないのだから!! わ、わわ、分かったか!? 分かったならすぐに出ていけ! いっ、いまっ、今すぐにっ! 早く! たっ……た、たた、立ち去れよ! 目の前から消えてくれ、いや、消えろ! ほら早くッ!!」
こうして私は婚約破棄されたうえ晩餐会の会場からも追い出されてしまった。
「ロマニスクさま……何あれ……ちょっと引くわ……」
「癇癪起こすとか子ども?」
「馬鹿みたいね、呆れるわ」
「こういう社交の場で婚約破棄とか何とか言ったうえぎゃあぎゃあ騒ぐのはやめてほしいものねぇ、迷惑の極みだわ」
だがその帰り道。
「少しよろしいでしょうか?」
「え……あ、はい」
「貴女がエリーザベータさまですね」
「え、っと……その、貴方は?」
「ああそうでした、いきなり名乗りもせず失礼しました。わたしは帝国領主のカープストンと申します」
カープストン、といえば、確か隣国である帝国の広大な領土を治めている領主だった……ような?
でも、また、そんな人がどうして私に?
いやそもそも帝国の人がここにいるのがよく分からないし。
しかも私なんかに話しかけてくるというのも理解が追いつかない。
「失礼ですが、婚約破棄されたそうですね」
「はい」
「よければ、なのですが……」
「何でしょうか」
怪しみつつ対応していると。
「わたしのもとへ嫁いではくださいませんか」
彼の口から飛び出してきたのは、心臓を爆発させかねないほどの威力のある言葉であった。
私はただ硬直することしかできなかった。
あまりにも唐突。
あまりにも想定外。
脳の動きは完全に停止、唇が訳もなく小刻みに震える。
だが。
「実は、昔、この国に来ていて貴女に救われたことがあるのです」
そう聞かされて、少しだけ硬直から解放される。
「えっ。そうなのですか?」
「はい、実は、その時わたしは親についてこの国へ来ていたのですが、空が綺麗だったのでぽけーっとしてしまっていて迷子になってしまったのです」
過去の記憶へとアクセスして。
「あ……!」
一分も経たず答えを出す。
「思い出していただけましたか?」
少し頬を緩めるカープストン。
「も、もしかして、十年以上前の……?」
「そうです」
「あの凄まじく泣いていた!?」
「はい、はい、そうです」
「あの少年が貴方、カープストンさまだったのですか!!」
「ええそうです」
……そうか、私たち、もうずっと前に出会っていたのか。
これをきっと人々は運命と呼ぶのだろう。
◆
あれから一年。
私は近い将来カープストンと結婚することを決め、家族で、帝国へと引っ越した。
今はカープストンとそのご両親に色々お世話になっている。
そうそう、ロマニスクはというと、あの後間もなく子を宿しているらしい女と結婚したそうだ。
だがそれを知った別の女に激怒され、二人まとめて殺められてしまったそう。
ちなみにその激怒した女というのは子を宿している女とは別にロマニスクに手を出されていた女だったのだそうだ。
つまりロマニスクは私以外の複数人の女に手を出していたのだ。
……どこまでだらしない人なのだろう、まったく、呆れてしまう。
とはいえ、彼がもうこの世界にいないというのは安堵するところではある。だってそれは、もう二度と彼の顔を見なくて済むということだから。他人の不幸を願うわけではないけれど。でも、彼に関しては、二度と会わなくていいと思えることは嬉しいことなのだ。死を願っていたわけではないけれど。
◆
帝国へ引っ越して、数年。
私はカープストンと結婚し帝国領主の妻となった。
「おはよう、エリー」
「カープはいつも朝早いわね」
「そうかな?」
「自覚はないのね」
「まぁ元々こんな感じだからね、よく分からないな」
私たちの関係は良好。
毎日はとても幸せ。
「ま、でも、なんにせよ、今日も貴方が元気そうで良かったわ」
この世界にもし本当に神様がいるのなら、ありがとう、そう言いたい。
「これから仕事?」
「うん」
「頑張ってね! あ、そっか、手伝えることがあったらいつでも呼んでちょうだいね」
「エリーはいつもそう言ってくれるね」
「変かしら」
「ううん、嬉しいんだ。頼むことはあまりないけど。でも、共にあろうとしてくれる気持ちがとても嬉しいよ」
夫婦である以上、支え合うのが当然のこと。
でもこうして改めて感謝されればそれはそれで嫌な気はしない。
「取り敢えず朝食を。エリーもどう?」
「ぜひ!」
「じゃあ頼んでくるね」
「ヨーグルトがあるといいなぁ」
「エリーはほんと好きだね、ヨーグルト」
「ええ! だって美味しいんだもの!」
「じゃあ伝えておくよ」
「ごめん……わがまま言って……」
「まさか。わがままじゃないよ。希望を言ってもらえるのは嬉しいことだよ」
◆終わり◆
2
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
【完結】『母の命を奪った罪人である自分は、誰にも愛されない』だと? そんなワケあるかボケっ!!
月白ヤトヒコ
恋愛
うちで開催されているパーティーで、家族に冷遇されている子供を見た。
なんでも、その子が生まれるときに母親が亡くなったそうで。それから、父親と上の兄弟に目の仇にされているのだとか。俺は初めて見たが、噂になる程の家族の言動。
俺、こういうの大っ嫌いなんだけど? ちょっと前に、親友が突然神学校に入りやがった。それもこういう理由で、だ。
というワケで、大人げなく怒鳴っている見苦しいオッサンと、罵倒されて委縮している子供の間に割って入ることにした。
俺の前で、そんなクソみたいなことしてるそっちが悪い。
罵倒されてる子は親友じゃないし、このオッサンはアイツの父親じゃないのも判ってる。
けど、赦せん。目障りで耳障りだ。
だから――――俺の八つ当たり受けろ? お前らが、その子にやってることと同じだろ。
「あなた方がそうやって、その子を目の仇にする度、冷遇する度、理不尽に叱責する度、『キャー、わたしの仇に仕返ししてくれてありがとう! わたしの産んだ子だけど、そんなの関係ないわ! だって、わたしの命を奪った子だものね! もっと冷遇して、もっとつらい目に遭わせて、追い詰めて思い知らせてやって!』って、そういう、自分の子供を傷付けて喜ぶような性格の悪い女だって、死んだ後も家族に、旦那に喧伝されるって、マジ憐れだわー」
死んだ後も、家族に『自分が死んだことを生まれたばかりの子供のせいにして、仇を討ってほしいと思われてた』なんて、奥さんもマジ浮かばれないぜ。
『母の命を奪った罪人である自分は、誰にも愛されない』だと? そんなワケあるかボケっ!!
設定はふわっと。
【では、なぜ貴方も生きているのですか?】の、主人公の親友の話。そっちを読んでなくても大丈夫です。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
4人の女
猫枕
恋愛
カトリーヌ・スタール侯爵令嬢、セリーヌ・ラルミナ伯爵令嬢、イネス・フーリエ伯爵令嬢、ミレーユ・リオンヌ子爵令息夫人。
うららかな春の日の午後、4人の見目麗しき女性達の優雅なティータイム。
このご婦人方には共通点がある。
かつて4人共が、ある一人の男性の妻であった。
『氷の貴公子』の異名を持つ男。
ジルベール・タレーラン公爵令息。
絶対的権力と富を有するタレーラン公爵家の唯一の後継者で絶世の美貌を持つ男。
しかしてその本性は冷酷無慈悲の女嫌い。
この国きっての選りすぐりの4人のご令嬢達は揃いも揃ってタレーラン家を叩き出された仲間なのだ。
こうやって集まるのはこれで2回目なのだが、やはり、話は自然と共通の話題、あの男のことになるわけで・・・。
お幸せに、婚約者様。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
幼女からスタートした侯爵令嬢は騎士団参謀に溺愛される~神獣は私を選んだようです~
桜もふ
恋愛
家族を事故で亡くしたルルナ・エメルロ侯爵令嬢は男爵家である叔父家族に引き取られたが、何をするにも平手打ちやムチ打ち、物を投げつけられる暴力・暴言の【虐待】だ。衣服も与えて貰えず、食事は食べ残しの少ないスープと一欠片のパンだけだった。私の味方はお兄様の従魔であった女神様の眷属の【マロン】だけだが、そのマロンは私の従魔に。
そして5歳になり、スキル鑑定でゴミ以下のスキルだと判断された私は王宮の広間で大勢の貴族連中に笑われ罵倒の嵐の中、男爵家の叔父夫婦に【侯爵家】を乗っ取られ私は、縁切りされ平民へと堕とされた。
頭空っぽアホ第2王子には婚約破棄された挙句に、国王に【無一文】で国外追放を命じられ、放り出された後、頭を打った衝撃で前世(地球)の記憶が蘇り【賢者】【草集め】【特殊想像生成】のスキルを使い国境を目指すが、ある日たどり着いた街で、優しい人達に出会い。ギルマスの養女になり、私が3人組に誘拐された時に神獣のスオウに再開することに! そして、今日も周りのみんなから溺愛されながら、日銭を稼ぐ為に頑張ります!
エメルロ一族には重大な秘密があり……。
そして、隣国の騎士団参謀(元ローバル国の第1王子)との甘々な恋愛は至福のひとときなのです。ギルマス(パパ)に邪魔されながら楽しい日々を過ごします。
完璧な姉とその親友より劣る私は、出来損ないだと蔑まれた世界に長居し過ぎたようです。運命の人との幸せは、来世に持ち越します
珠宮さくら
恋愛
エウフェシア・メルクーリは誰もが羨む世界で、もっとも人々が羨む国で公爵令嬢として生きていた。そこにいるのは完璧な令嬢と言われる姉とその親友と見知った人たちばかり。
そこでエウフェシアは、ずっと出来損ないと蔑まれながら生きていた。心優しい完璧な姉だけが、唯一の味方だと思っていたが、それも違っていたようだ。
それどころか。その世界が、そもそも現実とは違うことをエウフェシアはすっかり忘れてしまったまま、何度もやり直し続けることになった。
さらに人の歪んだ想いに巻き込まれて、疲れ切ってしまって、運命の人との幸せな人生を満喫するなんて考えられなくなってしまい、先送りにすることを選択する日が来るとは思いもしなかった。
【完結】結婚式当日、婚約者と姉に裏切られて惨めに捨てられた花嫁ですが
Rohdea
恋愛
結婚式の当日、花婿となる人は式には来ませんでした───
伯爵家の次女のセアラは、結婚式を控えて幸せな気持ちで過ごしていた。
しかし結婚式当日、夫になるはずの婚約者マイルズは式には現れず、
さらに同時にセアラの二歳年上の姉、シビルも行方知れずに。
どうやら、二人は駆け落ちをしたらしい。
そんな婚約者と姉の二人に裏切られ惨めに捨てられたセアラの前に現れたのは、
シビルの婚約者で、冷酷だの薄情だのと聞かされていた侯爵令息ジョエル。
身勝手に消えた姉の代わりとして、
セアラはジョエルと新たに婚約を結ぶことになってしまう。
そして一方、駆け落ちしたというマイルズとシビル。
二人の思惑は───……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる