ぼくの憧れの人

四季

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3話

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「すご~い! まるで魔法~!」



 彼女は調子に乗って右腕を肩から動かし出す。

 ぼくはそれを慌てて制止。



「動かさないでください!」

「え?」

「回復したわけではないんです!」

「そうかしら~? 痛くないわよ~?」

「なるべく動かさないように!」

「そうなの? 痛くないのに~……でも、分かったわ。ありがとう~」



 その後ぼくたちは脱出した。





 ◆





 後日。

 父親と一緒に、ミカエラさんが一時的に入院している彼女に会いにいくことになって。



「もう大丈夫ですか?」

「ええ~元気よ~」



 彼女はうさぎの形の白いケーキを食べていた。



「このたびは息子がお世話になりました。ありがとうございました。そして……ご迷惑をお掛けしました」



 父親は頭を下げ謝罪と共に礼も述べた。



「いえいえ~」

「これからはもっとしっかりさせます」

「そんな~。お父様、カーリンくんはもう紳士です~」

「な……? し、しん……?」



 父親は意味が分からず困惑していた。



 その日の帰りしな。



 父親が先に病室を出ると、ミカエラさんは小さな声で「あの時は能力を使ってくれてありがとう~助かったわ~」と言ってきて、それからさらに「助けられることってあまりないから、嬉しかったの~」と続けていた。





 ◆





 こういうことがあって、ぼくは今でも彼女を尊敬している。

 女性でありながら単身乗り込んで人質を助ける度胸、腕力、そして心の強さも凄い。



 ミカエラさんはいつまでもぼくの憧れの人なんだ!





◆終わり◆
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