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1話
しおりを挟む当時私には婚約者がいた。
だがその婚約者である彼ヴィッシーズからある日突然婚約の破棄を告げられてしまって、しかもその理由は彼と私の妹が仲良くなっていたからというものであった。
妹は陰でヴィッシーズにすり寄り、こっそり深い関係性にまで発展させていたのだ――それによって私はヴィッシーズから関係の終わりを告げられてしまったのである。
実質、妹に奪われたも同然。
そんなこともあって落ち込んでいた私だが。
両親から励ましてもらったうえ出会いのためのパーティーへの参加をお勧めしてもらえて。
私は勇気を出してそれに参加しようと思ったのだが……。
「え!? どうして!?」
参加する予定の日の朝、用意していたドレスがズタズタに裂かれていて。
「そんな……」
せっかくこの日のために準備しておいたドレスなのに。
これでは人が集まる場所へ着ていくことはできない。
どうすればいいの……。
仕方がないので、私は、昔から持っていた地味なドレスを着ることにした。
「あ~らお姉さま、何ですの? そのだーっさーいドレスは」
「準備していたドレスが破かれていたのよ」
「あらあら、そうでしたの? それは災難でしたわね? うふふっ」
すれ違いざま、妹は黒い笑みでこぼす。
「あんたには似合わないのよ、あんな綺麗なドレス」
――ああ、そうか。
その瞬間すべてを察した。
妹だ。
彼女がやったのだ。
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