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後編

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「今からこのもやもやを晴らさせていただきます」
「なっ……何をする気だ!?」
「雑な理由で婚約破棄された私のこの何とも言えぬ辛さ、あなたにも味わってもらいます」

 兄が運んできてくれたのは色々な物騒な道具。
 棍棒、ペンチ、釘、小型斧……などなど。

 その頃になってオーガはすべてを悟ったようだった。

「や、やめれ! 危険なことをするな!」
「確かに危険ですね。そして私は悪、分かっています」
「悪いことを悪いと分かってするなよ!」
「何を言っても無駄ですよ、手遅れです」

 さて、これからどうしようか。

 確かにこの復讐は善ではない。
 人を傷つけること自体が善いことではないからだ。

 でも、たとえ悪になるとしても、私はやりたい。

「ごめんなさいね」

 それから私は彼をボロボロにした。

 途中から彼は泣いてばかりだった。
 でもやめはしない。
 やめる気などさらさらなかったから。

 彼が衰弱しきった後の処分は兄に頼んだ。


 ◆


 オーガはもうこの世にいない。
 表向きは行方不明となっている。

 彼がどんな惨めな最期を迎えたか、それを知る者は私たち兄妹以外にはいない。


◆終わり◆
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