上 下
2 / 2

後編

しおりを挟む
 嫌がっているのが彼自身であるのなら説得の余地もあったかもしれないが、そうでないなら――嫌がっているのが彼の姉なのなら、私が何を言っても変えられはしない気がする。

 ならば私は去るのみ。

「そうですか。分かりました。では……さようなら」

 こうして私たちの関係は終わった。


 ◆


 あれから数年。
 私は今、村の手芸用品店で手伝いをしつつ、穏やかに暮らせている。
 それほど客は多くない店なので、忙しくなり過ぎず、私にはちょうどいい環境だ。

 ちなみにフォレヴェルはというと、あの後高潮に巻き込まれて落命してしまったそうだ。

 海は美しいが、それと同時に恐ろしくもある……。

 改めてそう感じた。


◆終わり◆
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...