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ルナ 想い編

お菓子の楽園

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 人間の世界にはお菓子ってものがたくさんあるみたいね。

 それが、とっても甘くて。
 結構美味しいの。
 しかし形や食感も色々、目も舌も楽しめるのよ。

 いいわねぇ~。

 最近気に入っているのはお饅頭ね。

 まんまるふかふか、可愛い生き物みたいで。
 可愛すぎて食べたくなくなっちゃいそうだけど――でも食べちゃう!

 だって美味しいんだもの、食べないなんて選択肢はないでしょ?

 中には黒いねちねちした物体が詰まっていて、その味はとっても濃くて甘いの。人間から聞いた話によれば、餡子とか呼ばれているらしくって、ある地域ではそういうものがたくさん使われているんですって。

 しかも豆から作られているとか。

 興味深いわねぇ、餡子。

 アタシ、人間の世界になんて興味はなかったわ。
 だってアタシは正真正銘魔の者でそれはどうしようもないことなのだし、そんな状態で敢えて人と関わる必要もないって思っていたのよ。

 それにアタシはノワ様が元気でいてくれればそれで良かった。

 だから、人間なんてどうでもいい~って感じだったわけ。

 でもこんな美味しいものがたくさんあるのなら考えは変わったわ。

 人間にもちょっと興味ある。
 今ははっきりとそう言えるわよ。

 皆と仲良しとか、人間と同じように生きるとか、そんなことはどうでもいいわ。

 ただ、ね?

 いろんな素材を使って、美味しいお菓子を作る。
 その人間の知恵。
 それ自体に興味があるのよね。


◆終わり◆
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