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3話
しおりを挟む「とにかく、私は嫌いだなんて誰にも言っていないわ」
「本当なのか……?」
「ええ。じゃあ複数人に聞いてみてちょうだいよ。ルルーレだけじゃなくて。近所の人とかにも。そうすれば真実が見えてくるのではない?」
「あ、ああ……確かに、そうかもしれない……」
ここにきて素直になるメタストフル。
「そうさせてもらうよ」
「ええ、いいわよ」
――数日後。
「コルセリア、聞き込みしてみたよ」
メタストフルは少し明るい顔つきで私の家へやって来た。
「本当だったんだ、君の話は」
「分かった?」
「ああ、分かった。ルルーレさんの言っていたことが嘘だったんだ。君は悪口を言いふらしたりはしていなかった」
どうやら分かってもらえたみたいだ。
ありがとう、対応してくれた人。
「ごめんなさい!!」
メタストフルは豪快に頭を下げる。
「本当に……疑ったりして、すみませんでした!!」
そんな彼を見ていたら何だか少し可哀想に思えてきて。
「メタストフル、頭を上げて」
「え……」
「もういいわ。真実を分かってくれたならそれでいいの。だから、そんな風に頭を下げ続けないで」
「あ……ああ、うん、ありがとうごめん……」
数分が経って、ようやく頭を持ち上げたメタストフル。
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