上 下
203 / 219
女騎士編

ハーフかクォーター?

しおりを挟む
「リュウ、くん?」自動販売機の前の女は、リュウを見据えて言った。
「…亜梨沙、さん?」リュウも問いかけた。
「うん。」女はうなずいた。この女が亜梨沙なのだった。

リュウは亜梨沙を見据えた。なんというか、まず思ったのは「デカい」ということだった。リュウは身長173センチだが、亜梨沙も同じくらいあるのではないだろうか。

ただ背が高いだけでなく、ガタイがよくがっしりしている。太っているという感じではなく、骨太な感じだ。体格が良い、という表現が適切だろう。

胸は大きそうだ。が、肩幅があってハト胸なので、「オッパイがデカい」というよりも「胸筋が発達している」という感じだ。

服はというと、下はカーキ色のカーゴパンツである。上は黒いピッタリしたカットソーの上に、やはり黒のパーカーだ。頭には黒のキャップをかぶっている。髪はサラッとしたセミロングである。

色が白く、髪は茶色っぽく、目はぱっちりと大きくて、二重でまつ毛も長い。ハーフかクォーターみたいな印象だ。顔だけを見れば美形なのかもしれない。

しかし。

「いかちいな…。」体の大きさ、体格の良さに、リュウは威圧感を覚えてしまうのだった。
「どうしたの?」亜梨沙はリュウを促した。「早く飲みに行こうよ?」

亜梨沙に促され、リュウたちは駅構内を出て、飲み屋の密集する駅裏の繁華街エリアに移動した。リュウは亜梨沙の後ろ姿を見た。尻は発達していて、大きくてブリブリである。「外人の女みたい…。」リュウは圧倒された。

駅裏の繁華街エリアには飲み屋が軒を連ねていた。どの店も半オープンエアになっていて、テーブルとイスが路地に少しはみ出ている。客達にはオープンエアの席が人気のようで、2人は酔客で賑わう路地を縫うように歩いた。

2人は1軒の居酒屋の前で足を止めた。この店もオープンエア席は全て若い客で埋まっていたが、店内にはまだ空席があるようだった。
「ここでいっか。」リュウは言い、店に入った。
「いらっしゃっしゃっせー!」髭を生やした20代の店員が早速声をかけてきた。
「2名っすかぁ?」店員はリュウを値踏みするように見下ろしながら言った。
「はい、2名です。」
「はい2名様、ご来店ー!」店員はフンという表情を浮かべると、大きな声で店内に告げた。
「らっしゃっしゃっせー!」店内からも大きな声が返る。

2人は混み合う店内を縫うようにして、小さなテーブル席に案内された。2名様席らしい。プロxトやドxールの一人席のような席である。隣にも同じ小さなテーブルがあり、そこはまだ空席だ。ここにも客が通されれば、だいぶ窮屈な感じになりそうである。

なかなか店員が来ないので、リュウは手を挙げ、店員が気づいてくれるのを待った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺がカノジョに寝取られた理由

下城米雪
ライト文芸
その夜、知らない男の上に半裸で跨る幼馴染の姿を見た俺は…… ※完結。予約投稿済。最終話は6月27日公開

【完結】婚約者が好きなのです

maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。 でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。 冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。 彼の幼馴染だ。 そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。 私はどうすればいいのだろうか。 全34話(番外編含む) ※他サイトにも投稿しております ※1話〜4話までは文字数多めです

【完結】人形と皇子

かずえ
BL
ずっと戦争状態にあった帝国と皇国の最後の戦いの日、帝国の戦闘人形が一体、重症を負って皇国の皇子に拾われた。 戦うことしか教えられていなかった戦闘人形が、人としての名前を貰い、人として扱われて、皇子と幸せに暮らすお話。   性表現がある話には * マークを付けています。苦手な方は飛ばしてください。 第11回BL小説大賞で奨励賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。

【完結】要らないと言っていたのに今更好きだったなんて言うんですか?

星野真弓
恋愛
 十五歳で第一王子のフロイデンと婚約した公爵令嬢のイルメラは、彼のためなら何でもするつもりで生活して来た。  だが三年が経った今では冷たい態度ばかり取るフロイデンに対する恋心はほとんど冷めてしまっていた。  そんなある日、フロイデンが「イルメラなんて要らない」と男友達と話しているところを目撃してしまい、彼女の中に残っていた恋心は消え失せ、とっとと別れることに決める。  しかし、どういうわけかフロイデンは慌てた様子で引き留め始めて――

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

あなたたちのことなんて知らない

gacchi
恋愛
母親と旅をしていたニナは精霊の愛し子だということが知られ、精霊教会に捕まってしまった。母親を人質にされ、この国にとどまることを国王に強要される。仕方なく侯爵家の養女ニネットとなったが、精霊の愛し子だとは知らない義母と義妹、そして婚約者の第三王子カミーユには愛人の子だと思われて嫌われていた。だが、ニネットに虐げられたと嘘をついた義妹のおかげで婚約は解消される。それでも精霊の愛し子を利用したい国王はニネットに新しい婚約者候補を用意した。そこで出会ったのは、ニネットの本当の姿が見える公爵令息ルシアンだった。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

蒼海の碧血録

三笠 陣
歴史・時代
 一九四二年六月、ミッドウェー海戦において日本海軍は赤城、加賀、蒼龍を失うという大敗を喫した。  そして、その二ヶ月後の八月、アメリカ軍海兵隊が南太平洋ガダルカナル島へと上陸し、日米の新たな死闘の幕が切って落とされた。  熾烈なるガダルカナル攻防戦に、ついに日本海軍はある決断を下す。  戦艦大和。  日本海軍最強の戦艦が今、ガダルカナルへと向けて出撃する。  だが、対するアメリカ海軍もまたガダルカナルの日本軍飛行場を破壊すべく、最新鋭戦艦を出撃させていた。  ここに、ついに日米最強戦艦同士による砲撃戦の火蓋が切られることとなる。 (本作は「小説家になろう」様にて連載中の「蒼海決戦」シリーズを加筆修正したものです。予め、ご承知おき下さい。) ※表紙画像は、筆者が呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)にて撮影したものです。

処理中です...