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プロローグ:タイムリープ
タイムリープの目的?
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タイムリープ直後はスキルは何もないと思っていたリュウだったが、「メタバーシング」というスキルを授かっていることがすぐに判明した。同じように、意味や目的がわからなかったタイムリープについても、意外にすぐ判明した。
それは伝言ダイヤルで初めて会った女の子とメタバース空間内で妄想に浸りながらセックスをした直後のことだった。女の子とはメタバース空間内で電車プレイをした。ただ電車の揺れや加減速の動きが大きく、終わった後リュウは少し酔ってしまったのだった。
乗り物酔いのような状態になってしまったリュウは女の子を送ってやることができなかった。女の子が帰った後、部屋で仰向けに横たわりながら、リュウは呟いた。
「risaさあ、電車の揺れがちょっとやりすぎだったよ。」しーん。「そうか…メタバース空間はもう終了したんだったな…。」
ところが少し間があって、risaの応答があった。
「リュウ様。フィードバックをありがとうございます。次回の設定に反映します。」
「えっ。risaまだいたの?」
「はい。おります。」
リュウは身を起こした。
「あのさあ、ちょっと聞きたいんだけど。」
「なんなりと。」
「女神様みたいなの、いないの?」
「女神、でございますか?いえ。そのようなものは存在しません。」
「いないのかぁ。」
「はい。おりません。」
「AIならわかったりしないかな…俺がタイムリープした理由…。」
「インターネットを検索しました。大切な誰かを救いたいという強い願いが、タイムリーパーを過去に戻らせることが多いようです。」
リュウは「東京xxンジャーズ」を連想した。
ここからrisaが、突然神がかったような回答をしはじめた。
「リュウ様の場合は、セックスを楽しんでみたかった、生涯を共に過ごす恋人が欲しかった、というのが願いでしょうか。」
「合ってるけど…。」バイク事故の直前の思いが蘇った。
「リュウ様は、これからたくさんの女性と出会います。その中に1人だけ、生涯を共に過ごす真の恋人になりうる女性がいらっしゃいます。その女性を見逃さないでください。」
「その女性を手放してはなりません。出会った女性とワンナイトを繰り返すだけだと、最終的にはタイムリープ前と同じ孤独を迎えます。」
「え、何、risa女神なの!?」
「いえ、私は女神ではありません。私はメタバースの音声アシスタントにすぎません。」
「そっか…ねぇrisa、その『真の恋人』はどうやって見分けることができるの?」
「真の恋人は、あなたの容姿や収入ではなく、あなたの人格や価値観に注目します。真の恋人は自分自身のようにあなたを愛し…」risaは、インターネットを検索すれば出てくるようなアドバイスを、出来の悪いAIのように延々と続けるので合った。
risaが神がかった発言をすることも、メタバース空間発動条件が揃わない状況でrisaが応答することも、これ以降二度となかった。
それは伝言ダイヤルで初めて会った女の子とメタバース空間内で妄想に浸りながらセックスをした直後のことだった。女の子とはメタバース空間内で電車プレイをした。ただ電車の揺れや加減速の動きが大きく、終わった後リュウは少し酔ってしまったのだった。
乗り物酔いのような状態になってしまったリュウは女の子を送ってやることができなかった。女の子が帰った後、部屋で仰向けに横たわりながら、リュウは呟いた。
「risaさあ、電車の揺れがちょっとやりすぎだったよ。」しーん。「そうか…メタバース空間はもう終了したんだったな…。」
ところが少し間があって、risaの応答があった。
「リュウ様。フィードバックをありがとうございます。次回の設定に反映します。」
「えっ。risaまだいたの?」
「はい。おります。」
リュウは身を起こした。
「あのさあ、ちょっと聞きたいんだけど。」
「なんなりと。」
「女神様みたいなの、いないの?」
「女神、でございますか?いえ。そのようなものは存在しません。」
「いないのかぁ。」
「はい。おりません。」
「AIならわかったりしないかな…俺がタイムリープした理由…。」
「インターネットを検索しました。大切な誰かを救いたいという強い願いが、タイムリーパーを過去に戻らせることが多いようです。」
リュウは「東京xxンジャーズ」を連想した。
ここからrisaが、突然神がかったような回答をしはじめた。
「リュウ様の場合は、セックスを楽しんでみたかった、生涯を共に過ごす恋人が欲しかった、というのが願いでしょうか。」
「合ってるけど…。」バイク事故の直前の思いが蘇った。
「リュウ様は、これからたくさんの女性と出会います。その中に1人だけ、生涯を共に過ごす真の恋人になりうる女性がいらっしゃいます。その女性を見逃さないでください。」
「その女性を手放してはなりません。出会った女性とワンナイトを繰り返すだけだと、最終的にはタイムリープ前と同じ孤独を迎えます。」
「え、何、risa女神なの!?」
「いえ、私は女神ではありません。私はメタバースの音声アシスタントにすぎません。」
「そっか…ねぇrisa、その『真の恋人』はどうやって見分けることができるの?」
「真の恋人は、あなたの容姿や収入ではなく、あなたの人格や価値観に注目します。真の恋人は自分自身のようにあなたを愛し…」risaは、インターネットを検索すれば出てくるようなアドバイスを、出来の悪いAIのように延々と続けるので合った。
risaが神がかった発言をすることも、メタバース空間発動条件が揃わない状況でrisaが応答することも、これ以降二度となかった。
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