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鬱発散……(加筆修正中)
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しおりを挟む吸血鬼の種族は300才でだいたい20才くらいの見た目となり、300才の誕生日に成人したと見なされる。
理由を上げるならば丁度300才で体の成長が一時停滞する。妊娠で言えば安定期といったところで、体が成長する間は不安定も不安定。かなりの頻度で病気もするし、いろんな原因で死ぬこともある。基本的に吸血鬼は血を飲むことで免疫を高めるのだが、でも時々悪い子が自分の眷属を手に入れようと儀式をして血を飲もうとする事件が魔人族の国で多発したことがあり、全面的に血族間もしくは当人の合意での吸血行為のみとなっている。
ただし血族間ではない吸血行為は相手が本人と同等かそれ以上の魔力がある場合とされている。まぁ、主に吸血行為が必要なのは成人するまでの時期なので魔力はさほど高くはないのだが。
ーーと、吸血鬼は大人になるまでは基本的に病弱と言うことで婚約は早くても、結婚と出産は300才からと吸血鬼の一族は原則にしている。でも父上が言っていたが、白い結婚が確実に約束されているのなら成人してなくても結婚して良いらしい。あの愚弟達はその白い結婚をさせて、父上としては彼らをこのアメジール家から籍を抜きたいのだそうだ。父上にそんなこと言わせるってあの子達は何をしたんじゃろ。
……あぁ、なにもしてないのかーー。
え? 妾は病弱なのか?…………昼間に厚手のコートと日傘と連動した岩の日傘が無いと出ることができませんが? それがなにか? その代わり風邪とかは他のやつほどはかからない。まぁ、体温調節が上手くいかなかったらそりゃ高熱くらいは出るよ?
だって吸血鬼だもの。
成長課程の単純計算すれば15年に見た目(見本・人族)が1才ほど年齢を取る事になるが、詳しく言えば5才まではだいたい6年で見た目が1才成長する。5才を過ぎたそのあとはと言うと、今度はゆっくり緩やかに成長していくのが魔人族・吸血鬼のこの世界の常識。
でも妾は閏日生まれのために赤ん坊の時期は成長が早いと言われてもやはり4倍の時間がかかる。だから閏年のその日に産まれそうなときはどの種族も気合いで無理に調整をするものだが、うちの両親は年明け早々に生まれるとか「縁起がいーねー!」的なノリで閏年のことはうっかり忘れて出産した。まぁ、両親は万年新婚のラブラブさんじゃからその新婚度を加速させるだけだったらしい。「すぐ成長してしまう赤ちゃんが長い時間見られるなんて幸せ。得した気分~♪」と招待された数々のパーティーで母が笑顔で言うので閏日生まれも悪いものじゃないかも……と言う認識になってきたらしい。
……強いて言えば、閏年の閏日に合わせようとしても簡単に合わせられるものではないので閏日に生まれた子供は早々いない。
簡単に言えば吸血鬼の妾で言うと、通常30年で5才児になれるところ120年かかる。それが長命種族に大きく振りかかる閏年の呪いだ。弟のジェイルは今237才で妾、お姉さまなのに年齢も見た目も抜かされた。
非常に遺憾である。
思わず年齢的なことを考えているとイラッとしてしまい、無意識に紙の端っこをクレヨンでグリグリ押し付けて書きなぐっていた。
「クリス? クーリースー! あぁ、その顔は……。また年齢の事考えてたの? ……別に気にしなくてもよくない? 俺は君がどんなに成長が遅くてもそれ全てを引っ括めて君が好きだよ? うーん、俺はクリスそのものを気に入ってるし、そんなに気にするなら俺の奥さんになる?」
「あ、間に合ってます」
いや、全然間に合ってないけどね……。交流はないけれど、同じ年に生まれたやつらは皆結婚しとるし……。生まれ年で考えると完全に行き遅れ。
…………あれ?妾の体が適齢期になったら相手いなくない?
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