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第7章 ○○ストーリーは突然に

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しばらくしてから洞窟からゾロゾロと人がやって来た。

 ──うん? 洞窟からゾロゾロ?

 洞窟の外は先程も言ったかもしれないが少しだけ拓けているので木との境に俺が魔法で壁を作ったので誰が来たとしてもそりゃそれなりには安全だけどもさ……。
 洞窟のなかは狩り尽くしたと言って良いくらいにオークを片っ端からやったはずなのになぁ……。
 見落とし……なわけないよね。そんな甘い三人じゃないでしょ?

 なんでゼツさんとグレン兄さんしか帰ってこないはずなのにゾロゾロ?

 そんなことを思って凝視したら見た目からしてヤバイくらい痩せこけた女性たちが複数人ほど、ボロボロの布を纏っていた。
 その中にはお腹の大きな人や連れてこられた時期が短いのか比較的ふっくらした女性も数名ほど。
 強いて言えばオークでも男ならなんでも良いと精神が壊れちゃった人以外がここに居る気がする。
 俺が無言で立ち尽くしているとパパはゼツさんと兄さんに説明を求め、俺もそれを聞いていた。

「あ、そ、そうだ、お風呂……。うん、お風呂タイムにしよう」

 と俺が呟いて空いてる場所に大きな浴槽モドキをドォーンと作り、高い壁などをバァーンと作ると兄さんをパパから奪った。
 ゼツさん、ごめんなさい。兄さんの分もパパに怒られてください。
 心の中で謝ってから兄さんにお願いをすると納得してくれたのか笑顔で頷いてくれたのでやっぱり優しいなぁと思いつつ、俺は女性たちが少しでも気が紛れるようにと張られた湯にローズマリーを浮かべることにした。
 たしかローズマリーは妊婦に使っても平気だったはず。
 たとえ使用不可だったとしてもオークの子なら謝れば許してくれるかな……。

 お風呂の用意ができると俺が全員纏めてクリーン(除菌洗浄)を数回とエリアヒールをした。

 ごめんなさい。彼女たちが汚いからって言うよりもほんとに綺麗にしてあげたい気持ちが先行しました。
 オークに触られたのはウィルスとかバイ菌と思って勝手に除菌のクリーンをしてました。
 ま、オーク以外にもモンスター系統はお風呂入ったり、クリーンとかしなさそうだしね。
 うんうん、モンスターはバイ菌扱いしても平気だよね! とりあえず自分は悪くないのだと正当化をしてみた。

 なんかちょっと虚しくなった気がする──。

 彼女たちにはとりあえず冷えているだろう体を温めるようにとの意味合いも兼ねてゆっくり風呂に入るように伝え……と言うかほぼ中に押し込んでしまったが自ら動きそうになかったのだから仕方ない。
 少しして水の音がしたからちゃんと入ってると思われる。
 あとやることと言えば食事? でもあんなにガリガリになってるときに肉ってちょっと厳しいよね……。
 あ、そうか、シチュー! シチューだ! うんうん、たんとお食べ!

「あ……」
「ルカ、どうかしましたか?」

 目の前で兄さんが目線を合わせて首をかしげてる。
 なんか、可愛い~っ! じゃなくて!
 あの人たちの着る服がなくね? あのボロボロの布もしくは裸でいさせるとか鬼じゃね?
 ゲームとかでよくある裸同然の奴隷でハーレムを築くエロ貴族の出来上がりじゃね?
 ──それはマジて勘弁だわ……。

「えっと、えっと、僕、手持ちに何かあったっけ?」

 脳内でム・ゲンさんと辞書るに問い合わせ中。
 俺も俺で彼女達をお風呂に入れる前に気づけって話だよね!

「えっと、ルカ?」
「兄さん、ちょっと……。ちょーっと待ってね?」

 脳内でガサゴソと探してくれてるっぽいのですが、何となくミリアム達の仕事着みたいなのがありそうな気がするんだよね。
 この地にたどり着いて家具はいくつかタワーにしたけども小物は預かったままだしね……。
 さて、あったとして覗きとか言う変態行為をしないで服はどうやって置いておこうか──。




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