203 / 475
第5章 引っ越した報告してないけど、まぁ~いっか。
28
しおりを挟む「んーと、呪われたーーというか取り憑かれた……的な? 憑依……みたいな?」
俺の言葉にゼツさんはなんとも言えない顔でアハハ……と笑っていた。
可能性が高いのね……。
「でもゼツさんはなんであの人がそこに確認しに行ったのを知ってるの?」
俺が首をコテン……と倒して言うと目を反らされた。
ジーっと見てたらサッと目を反らすとか……。結構ショックなのです。
わざとらしくイジイジと、ブチブチ小さな声で文句を言っていたらゼノさんに「ルカ。それにヤト。誰にも言わないって約束できるか? というか、約束出来るよな?」といわれた。
だがしかしその言葉に物凄く。いや、全力でお断りしたくーー。
俺と兄は咄嗟に立ち上がって逃げようとしたら何故か俺はいつの間にかゼツさんに抱っこされ、兄はゼノさんの腕の中にいた。
その瞬間、俺の頭には見事にあのフレーズが浮かび上がった。
▼ルカはにげだした。しかしまわりこまれてしまった。
瞬間移動ーーというか、親子揃って忍者かよ!
そう思ったら兄は盛大なため息をつき、諦めた顔をした。
「うわぁ、久し振りに見たなぁ……」
アンドレアさんだけは静かに、そして目を輝かせて拍手をしていた。
「オーガスタ家はウォルター家の専属の影の一族なんだよ」
俺は現実逃避をしようとしたら抱っこしているゼツさんに頭を撫でられ人形扱いされました。
もう裏事情なんか知りたくないでふ! 僕は真っ当に生きたいでふ!
でもウォルターの子供になるなら知らぬ存ぜぬは出来ないそうな……。
つまりはグレン兄さんも知っている。
だからこそ、あの初めて会ったときにゼノさんが先乗りして調べてたのかな?
うん、なら納得するしかないか……。忍者なら使うよね!
んで、ゼツさんが爺の行動を知っている理由はハイネ。つまりパパの命令で屋根裏とかに部下を配置していたから。
爺が変になってから周囲がおかしくなると共に直ぐ様撤退をさせて、定期的にパパの元に自らが忍び込むそうな……。
話を聞く限りだとパパは相も変わらずグレン兄さんラブで元気だそうだよ。
ママは毎日融通の効かない侍女にゴリゴリとエステ三昧と言う天国のような地獄に未だいるらしい。そうか、まだ痩せてないのか……。
グレン兄さんは言われた事しかしなくなったヨハンやローラたち、王都組を守るためにボイコットして部屋に引きこもってるらしい。
うぅ……。あの爺の管理と言うか監理する家で引きこもりとか物凄く健康面が気になる……。
「大丈夫だよ。ハイネが夜ご飯はいつも一緒に取るようにしてるからね……。ついでに俺もベーコンとか持ち込んでその場で炙り焼きとかしてるからさ……」
ゼツさんの言葉に余計凹む。
俺と兄がいたら毎日美味しいご飯食べさせてあげられたのに!
そうだ! 出前だ、出前! パパなら火属性持ちだからきっと温められるだろ! いいね、出前!
そんなことを思っていたら話は進んでいたらしいのです。
「…………それで? パパさんはなんか言ってたの?」
「うーん、何て言うのかな。とりあえず家族と部下以外には好戦的で周囲の同行も敏感だそうだよ。俺もソレはよくわかる。屋根裏に気配を殺していたら少しズレはあるけど剣の刃が天井を突き抜けてきたことあったし? 結構と言うかかなり敏感みたいだね」
あはは、とゼツさんは笑い、ゼノさんは笑顔。アンドレアさんは苦笑いするが俺と兄は時代劇みたいなソレにドン引きしていた。
えーっと、それは忍者あるあるなの?
23
お気に入りに追加
3,551
あなたにおすすめの小説
死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?
わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。
ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。
しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。
他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。
本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。
贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。
そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。
家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
勇者に付き合いきれなくなったので、パーティーを抜けて魔王を倒したい。
シグマ
ファンタジー
剣士アヴラムは聖騎士団で輝かしい功績を残し、王命により勇者のパーティーに入ることになった。
初めは、勇者というのが分からないのと勝手が分からないので、大人しくしていたが、勇者は頭がおかしいのではないか?
民家に押し入る、樽を割る、穀物を刈り取る、女を侍らす。etc……
どう考えても、やりたい放題で見ていて腹が立ってくるし、むしろお前が巨悪ではないかと思ってしまう。
盗賊や魔物を倒すけど、そんなので誤魔化されていいのか?
国王の権威を傘にして、これがテンプレなんだとか良くわからないことも言っている。
こんな奴に付いていたら、自分も頭のおかしいやつと思われかねない。
もうこんなことやってられるか!
パーティーを抜けるなら、これまでの功績を取り消す? 特権の剥奪? 聖騎士団からの永久除名?
そんなの知るか!
自分に嘘をつきながら、このまま勇者一行に居続けるなら、初心者冒険者の方がマシだ!
最強剣士がゼロから歩む冒険者生活!!
※現在は修正と準備の為、休載中です
【完結】無自覚最強の僕は異世界でテンプレに憧れる
いな@
ファンタジー
前世では生まれてからずっと死ぬまで病室から出れなかった少年は、神様の目に留まりました。
神様に、【健康】 のスキルを貰い、男爵家の三男として生まれます。
主人公のライは、赤ちゃんですから何もする事、出来る事が無かったのですが、魔法が使いたくて、イメージだけで魔力をぐるぐる回して数か月、魔力が見える様になり、ついには攻撃?魔法が使える様になりました。
でもまあ動けませんから、暇があったらぐるぐるしていたのですが、知らない内に凄い『古代魔法使い』になったようです。
若くして、家を出て冒険者になり、特にやることもなく、勝手気儘に旅をするそうですが、どこに行ってもトラブル発生。
ごたごたしますが、可愛い女の子とも婚約できましたので順風満帆、仲間になったテラとムルムルを肩に乗せて、今日も健康だけを頼りにほのぼの旅を続けます。
注)『無自覚』トラブルメーカーでもあります。
【★表紙イラストはnovelAIで作成しており、著作権は作者に帰属しています★】
エロフに転生したので異世界を旅するVTuberとして天下を目指します
一色孝太郎
ファンタジー
女神見習いのミスによって三十を目前にして命を落とした茂手内猛夫は、エルフそっくりの外見を持つ淫魔族の一種エロフの女性リリスとして転生させられてしまった。リリスはエロフとして能力をフル活用して異世界で無双しつつも、年の離れた中高生の弟妹に仕送りをするため、異世界系VTuberとしてデビューを果たした。だが弟妹は世間体を気にした金にがめつい親戚に引き取られていた。果たしてリリスの仕送りは弟妹にきちんと届くのか? そしてリリスは異世界でどんな景色を見るのだろうか?
※本作品にはTS要素、百合要素が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※本作品は他サイトでも同時掲載しております。
【完結】美醜逆転!? ぽっちゃり令嬢のビボー録
酒本 アズサ
恋愛
侯爵家の長女として産まれたアレクシアはまるで花の精の様だと周りにチヤホヤされながら育っていた。
3日後に4歳の誕生日を控えたその日は大雨で外に出られなくてイライラしていた為、タイミング良くミスをしたメイドに八つ当たりしてストレス解消していた。
「あなた見た目が悪いだけじゃなく仕事もまともに出来ないのね、そんなかんたんな仕事も出来ない人はこの侯爵家のメイドとしてふさわしくないんじゃない?」
泣きそうなメイドを見てせせら笑った次の瞬間、視界を真っ白に染める程の大きな雷が庭に落ちた。
落雷の轟音を聞きながらフラッシュバックの様に蘇る前世の記憶。
そのまま倒れて1時間。
は? 誰が花の精みたいやって?
溢した紅茶を拭いとったソフィーの方がよっぽど花の精やん、皆私が侯爵令嬢やからってご機嫌取りの為にお世辞を言うとっただけやんか!
こんな幼児の内から成人病まっしぐらな体型やのに花の精なんて言われて喜んでた自分が情けないわ、そやけどリップサービスにしては妙に皆うっとりと私を見とったのは何でなん…?
前世の記憶を取り戻し、麗しき悪役令嬢になりそこねた侯爵令嬢……のお話。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
異世界日帰りごはん【料理で王国の胃袋を掴みます!】
ちっき
ファンタジー
異世界に行った所で政治改革やら出来るわけでもなくチートも俺TUEEEE!も無く暇な時に異世界ぷらぷら遊びに行く日常にちょっとだけ楽しみが増える程度のスパイスを振りかけて。そんな気分でおでかけしてるのに王国でドタパタと、スパイスってそれ何万スコヴィルですか!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる