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第4章 街道は続くよ何処までも
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しおりを挟む石臼は兄に任せて俺はオリーブの葉っぱをクリーン(除菌洗浄)してからドライ(食品乾燥)してカラッカラにさせるとゼツさんが近くに来て葉っぱを触っていた。
「ん、出来たぞ? あとは受け皿をどうするか……」
あー、受け皿……。受け皿……。粉にしたのを効率よく回収したいよね……。
「あ! そうだよ、確か社会科見学で見たやつは下の石と一体型で滑り台みたいなのがついてた気がする」
【ルカ、ちょっといい?】
あれ、辞書る? どうしたの?
【えーっと、ム・ゲンの赤リスト。上から16番目を解除して?】
え、わかった。
「兄、ちょっと待ってね? えーっと、上から1、2、3…………15、16っとこれかな?」
魔力をもって解放すると『???』と書かれた場所は『昔の道具大事典』と書かれていた。
「るー? お前また魔力使ったな?」
「兄~っ! これ、ゲットしたよ!」
と大事典を取り出すと兄は爆笑していた。
「あ、これ、俺がお前のために買ってお供えしたやつだわ」
「僕のものなのになんで魔力使うんだろ?」
不思議に思っていれば辞書るが脳内で思いきりため息をついた。
【お供えものは死んでから供えられたものなの。だから時期が来れば魔力なしで解放されるけど時期が来てないのに開けるとなると魔力で解放するしかないんだよ。ちなみにこの前開けたトランプはあと2ヶ月くらいだったかな? 死んでから半年くらいに供えられた物だからね】
え、そうなると全て解放するのに何年かかるの?
【そうだなぁ、最新のお供え物だと20くらいかな?】
ぶふぁ! 待てない! 待てないよ! 20年も待てないってば!
この世界で33歳になって無料解放とかどんだけ! 要らないものだったときのがっかり感は半端ないと思うの。
「あ、兄! 覚えてる範囲で僕に供えたもの教えて!」
「え、え? えーっと、俺が死ぬまでだろ? えーっと腕時計、鞄、靴、ぬいぐるみ、るーの大好きだったお菓子とジュース、ケーキと和菓子。お汁粉の具材ともち米、餅、面白そうな図鑑や事典各種、俺の作った指輪とペンダント。後は酒類に有名所の酒粕、麹、あぁ野菜の種とか?」
なんだと? なんだと? てか、なんだって?
「ケーキ? ケーキ!? 和菓子もあるの?」
「え、お、おぉ! 桜餅とか柏餅、羊羮とかいっぱい供えたけど?」
まじパラダイス! これでまた料理無双が出来る!
餅つき~……お汁粉~……大福~……。野菜の種もいいよね!
あぁ、パーラダァーイス♪
野菜の種で家庭菜園するんだぁ~……。
サラダとかいっぱい食べるんだぁ~……。
楽しみだなぁ~……。
脳内でいろんな事を思い浮かべているとニヤニヤが止まらなくなってしまうので止めよう。「兄~っ!」と叫びながら嬉しさのあまり抱きついてチューをすると兄は珍しく驚いていた。
その後は無言のまま兄の胸に頭をグリグリした。
「…………ん? んー、はいはい。わかったわかった」
諦めたのか兄は為すがまま、俺の背中をポンポンして落ち着くのを待っているようだった。
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