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第4章 街道は続くよ何処までも
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しおりを挟む「でもさ、それ……ジャンルとしては大辛になるんじゃないの? 僕でも辛いと思うよ?」
「…………うーん? うーん……それもそうか。パパさん、ごめんね? 何て言うか、コレは辛口じゃなくて大辛だったみたい」
兄はすぐに謝ったが何故だ? 何が起こった?
パパ含めてグレン兄さんにゼノさん、アンドレアさんにその他ーーてか全員瀕死になってないか?
「ヤトーーっ! 可愛い、可愛い、可愛いなぁ~っ! あぁ、ルカも凄く可愛い!」
ぎゅーってされたけど俺と兄は慌ててパパの服が汚れないようにカレーを持つ手を何とか伸ばして回避しているとグレン兄さんにパパが剥がされました。
「ぐっちゃん、何をするんだ!」
「2人とも大丈夫ですか? 腕がプルプルしてますけど……」
ピーンっと手を伸ばしたことでほぼ指で皿を支えていたため、重力に負けないように耐えていたのをグレン兄さんはわかってくれたらしい。
「ありがとう、グレン兄さん。落とさずにすんだの」
「兄さん、ありがとう。でも他の人はどうしたんだろう……。そんなにカレーは美味しくなかった? もしかして色味?」
兄は不思議そうにしていると俺も思わず首をかしげた。
「兄のカレーは世界一なのになぁ……」
「いやいや、るー? 世界には色んなカレーがあるんだぞ? 一番なんてすぐに決めたらダメ」
「むぅ! 兄の作ったカレーがカレーの中で一番好きなの!」
そんなやり取りをしているとグレン兄さんに微笑ましく見守られていた。なぜそんな慈愛のこもった目でーー。しかもパパ達はどうしたと言うのか……。それを聞くとクスクスと静かに笑われた。
「父上含めて皆は2人の天使っぷりにちょっとばかり悶えてるだけですよ?」
「「ん? 天使? えー? 天使? いやぁ、裸の赤ん坊はちょっとヤだなぁ……」」
「ん? 裸の赤ん坊?」
あれ? 天使=裸の赤ん坊じゃないの?
え、天使って裸の赤ん坊にちっさい翼つけてラッパだか弓矢を持ってるんじゃねえの?
「あぁ、天使って言うのは純真無垢でとても可愛いと言う意味ですよ?」
その説明に兄は俺の耳打ちで「カレー食べて目が腐ったのかな」と呟き、俺は俺で兄に「純真無垢って僕のキャラじゃないよね」と返した。
そして「るーは可愛い」「可愛いとは思わないけど天使なんかではない」「どちらかと言えば小悪魔ってか?」「いやいやそんな大それた事は言えませんよ」と小声で話しまくった結果、何かの勘違いで一致した。
「俺としては兄さんの方が天使っぽく感じるけどな?」
「うんうん、グレン兄さんは天使だよ!」
そして俺達は不名誉とも思える天使の称号をグレン兄さんに擦り付けることにしました。
擦り付けられた彼は顔をひきつらせながら天使の称号を俺たちに返そうとしたので3人でワーワー言いながら擦り付けているとパパに3人纏めて抱き締められました。
そしてアンドレアさんにボソッと「この兄弟は見た目が上から美人、綺麗、可愛いと3拍子なのに中身は天然だよなぁ」とゼノさんに言ったのを耳にした俺達は「天然じゃない!」と声を揃えて反論したがジェラールさんに「あなた方が天然でなければなんだと言うのか」と言われて思わず黙ってしまった。
天然の反対ってなに? 養殖? 人工? そうなるとやっぱり天ね……いや、断じて違う! そもそもボケたつもりなどない!
とりあえずパパ達に兄の食べている辛さのカレーをあげると彼らは美味しそうに食べ始めました。
ふっふっふ、みんな兄のカレーの虜♪
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