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第3章 事前の準備は必須です

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 ~~♪ ケ ヴオーレ クエスタ ムーズィカ スタセーら……♪
 ルカです……。
 皆に良いところを見せようとトンネル作りを頑張りすぎたとです。
 ルカです……。
 我が家の来客としてやって来るはずだった兄のお出迎え前に倒れました。
 ルカです……。
 風邪です。
 ルカです……。
 低体温なのに熱が出たとです。
 ルカです……。
 毎日の兄のお粥は大好物です。ご褒美なのでしょうか……。

 …………ごめんなさい。歌まで歌ってふざけ過ぎました。

「はい、ルカちゃん。あーん」
「あーん……」

 ルカです……。
 現在、ママに餌付けのように兄のお粥を食べさせてもらってます。

 …………みんな、微笑ましく見守ってますが家の仕事は良いのでしょうか。いや、本気まじでーー。

「えへへ、兄のお粥美味しい~っ」
「はいはい、そりゃ良かったよ」

 今日の朝御飯は兄の特製『ホウレン草のお粥』です。
 米の甘味とほんのり塩味でうまっ!

「兄~っ! カボチャさん食べたい!」
「んー? カボチャとか今の時期に売ってんのか? まぁ、街歩きのついでにあったら買ってくるから、絶対に暖かくして寝てろよ? トンネル作業したら………………おしりペンペンな?」
「やだ! 絶対やだ! 寝る!」

 そう言うと俺はママの手に持っているお粥をおとなしく食べ始めた。

 実は兄は正式に書類上で兄弟になるのは領地に帰ってからなのですが、今から慣れようってことで名前で呼ぶことになったのです。
 しかし兄は「夜都ーナイトー」と言う名前が大嫌いなので、兄の友人も美容師の先輩もお客さんにもヤト、ヤトさんって呼ばれてました。
 だからこの世界で第二の人生生きていくのにナイトを捨てて、『ヤト』として生きるそうです。
 そんなに王子の生活が嫌だったのかーー。

「でん……ヤト? その……おしりペンペン? とは?」

 未だに気を抜くと殿下と言っちゃうグレン兄さんは首をかしげて質問をすると兄は俺を見てからニヤリと笑った。

「だめーっ! 聞いちゃダメーっ!」
「兄さんはパパさんかママさんにやられたことはない? 膝の上に腹這いにされて尻たたき。何回か叩かれるから時間も長くなるし、される側の苦痛は精神的にも肉体的にもかなりなものってやつ」
「精神的に……あぁ、羞恥心ってことですか? まぁ、それは確かに苦痛ですね」

 グレン兄さんはクスクス笑っていた。

「これねぇ、大人にも使えるのよ」
『はぁっ!?』

 部屋にいた全員が反応するところを見るとちゃんと聞いていたし、そんな性癖の人がいなかったと思われる。
 良かったねぇ……。

「マゾヒズム。マゾヒスト。被虐性愛。肉体的、精神的苦痛を与えられたり、羞恥心や屈辱感を誘導されることによって性的快感を味わったり、そのような状況に自分が立たされることを想像することで性的興奮を得る性的嗜好の一つ。そんな変態の人をマゾヒストと言うんだよ。そしてそんなタイプの調教に使うらしいよ? 馬の鞭とか、棒とか、船を漕ぐ櫂。オール? だっけ? とかでパシーンとな……」

 俺がそう言うと皆からドン引きされた。




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