7月○日

よっさん

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7月○日

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ラムネを片手に見えるのは
大きな大きな水溜り
カランカランと音をたてて
口の中でシュワシュワと音を立てて
喉に入るラムネと
時より吹く心地よい潮風

7月、私の恒例行事
晴天の空の下を
ギアは最大にした自転車で
坂を駆け下り駆け下り
加速する速度と比例して受ける
強くて清々しい風を身体いっぱいに受けて
目指す場所はいつもここ
籠にはいつものラムネを乗せて

ラムネを飲みながら考えるのは
これからくる夏のこと
花火に海水浴に甘い恋の話も添えて
今年と夏はどんな感じに過ごそうか
私は大きな大きな青くて淡い夏の空に
大きく大きく描く
一夏の未来予想図を…

ラムネはすっかりカラになった
でもカラカラとなる瓶は
夏の楽器と言ってもふさわしくて
その音を聞くだけで、心は涼しかった
潮風はその涼しさにさらに清々しいさを与えた
気付けば青かった淡い空は
私の目を惹いてやまない
綺麗な綺麗な夕焼けとなっていた
その夕焼けと大きな大きな水溜りが織り成す景色は
見るものを時間や個人の持つ不安、しがらみを取り除くような
幻想的で何処か優しい感じだった
波の音が私の耳をくすぶる
とても落ち着く音だった

そろそろ家に帰る時間だ
自転車にまたがり私は家へと漕ぎ出した
身体に受ける潮風
耳に残る波の音
壮大なこの夕焼けを頭に焼き付け
青く淡い空に描いた
一夏の未来予想図を頭に思い描いては微笑みながら
私は家へと加速した
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