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僕たちの夫婦生活

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僕の尻開発を成し遂げた彼女は尻穴開発と同時に同人誌活動にますますのめり込んでいった。

何作か描いてきたらしいがその中でも人気のシリーズがあるという。

 <聖なる神子は白薔薇と共に>と言うタイトルで魔法が使える世界のお話らしく主人公のミラと言うのが魔法が使えないはずの平民の中で13歳になった時に突然あらゆる怪我や難病を治癒してしまう聖魔法の力が発現してしまうところから物語が始まるのだが…。

ちなみに白薔薇はこの王国の名前がホワイトローズ王国で、魔法が発現したことによって入学をすることになった物語の舞台となる学園の名前がホワイトローズ学園という名前だからという単純なもの。

作者である奥さんが言うには、「私の求めるBL漫画はラブアンドピース、ひねりはいらない。少しくらいはドラマチックなことがあって良いけど基本は王道のスパダリ攻めたちが無自覚天然受けを溺愛するのが私の作風」と僕にはイマイチ訳のわからないことを言っていた。

貧しかった平民のミラが13歳の誕生日に教会でお祝いの洗礼を受けてそこで突然光がミラを包み込み聖魔法を発現させる。

そこで騒ぎになりすぐに王家へ報告されてミラは貴族たちが通うホワイトローズ学園へ入学することになる。

持ち前の平民らしい明るさと天真爛漫さで王子やら宰相の息子やら近衛騎士団の団長の息子やらと出会いチヤホヤと愛されて生き生きと暮らしていくのだ。途中で平民だとバカにする貴族や王子や宰相の息子を狙う貴族なんかに意地悪されたりもするんだけど主人公補正でそんなのどんどんと乗り越えてミラ無双状態。

そんな漫画を奥さんに尻穴開発されてしまった僕もすっかり読み込むようになってしまいすっかり腐男子ならぬ腐おっさんになってしまったのだがあるとき1人の登場人物に気がついた。

彼は特に名前もセリフも出てこない…でもさまざまなシーンで見切れていたりしながら登場している。

大人しそうな見た目だけどよく見るとそこそこ整っているようだ。

「ねぇ、この子しょっちゅう漫画に出てくるけどだれ?セリフもないしお話しの流れにも関係なさそうだし。」

「あぁ、その子はモーブル・テスカって勝手に名付けてるモブね。意味はないけど時々登場させたくなるの。読者の中ではモブを探せって感じで楽しまれてるのよ。」

そう聞いてから僕もこのモーブル・テスカをよく探すようになった。

あちこちの場面にちょいちょいいるようだ。
後ろ姿だったり見切れてたりしてなかなか侮れない。
SNSの反応を見ても存外と愛されているようだ。

物語のながれとしてはただただ天真爛漫なミラが主要人物たちに可愛がられて愛されて…困った時には王子たちが権力と力で抑え込むという流れで正直何が面白いのかわからない。
奥さんは「頭を空っぽにして読め」とアドバイス?をくれた。

エロいことはしょっちゅうしているから内容はかなりエロエロでちょっと心配になるくらい。
エロければエロいほど良いらしい。

そりゃぁ商業化するには話に深みがなさすぎて沢山修正が入りそうだ。 
そしてそれを僕の奥さんは望んでいない。

絵は綺麗なのでファンはその絵の美しさとエロさそして安心なストーリー運びが受けているようだ。

好みは人それぞれだな。

ちなみに登場人物は全部男で魔法のある世界で条件が揃うと男が妊娠するらしい‥なんじゃそりゃ。
もちろんR18設定。

すぐに盛ってミラは王子・宰相息子・騎士団長息子と関係を持っちゃったりする。

節操無しだと思うが奥さん曰く「総愛され・総受け」というんだそうな。

まぁすっかり尻でいけるようになった僕は漫画を読んでムラムラする程度には感化されている。

奥さんは新たな性癖の扉を全開にしてしまい、日々目付きをギラギラさせて僕の身体中を弄り倒して翻弄させることに満足しているようだった。

もはや作家活動の参考目的ではなく奥さん自身の欲求の為であることは明らかだったけど、可愛い年下の奥さんの望みを叶えるべくそして自身の欲求にも抗えず僕は自分の身体を夜毎差し出すのだ。

そんなこんなで奥さんに尻をいじられ続け一般的な男女の性交をすることなく過ごすこと数年…あっという間に僕は死んでしまった。

交差点で信号待ちをしている時に居眠り運転のトラックが突っ込んできたのだ。
スマホをいじっていたので車が近づいて来たことはわからなかった。
どこかで「あぶない!」という声がした瞬間身体に衝撃が走りそのまま意識を失った。
多分即死だったんだろうな。

僕の前世の記憶はそこで途切れている。
 
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