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25 海里サイド
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僕はアルファの両親のもとで生まれたベータだ。
兄はアルファで妹はオメガだから僕みたいなのは珍しいみたいなんだけど、両親は兄弟分け隔てなく育ててくれた。
兄はアルファで私立の小学校へ通っていたから僕も通って良いよと言われてたんだけど、近所のベータの子たちと仲良くなったから地元の公立小学校へ通わせてもらったんだ。
中学もそのまま地元の公立中学へ行くつもりだったんだけど、成績が良かったから勿体ないと先生に説き伏せられて中学から私立の中学へ入学した。
そこで僕は天使かと思う子に出会った。オメガのようにもアルファのようにも見えるその子はなんとベータだという。
近くに居たい…付き合うとかそんなことじゃなく、ただそばに居て役に立ちたい…そんなふうに思えたのは初めてのことだった。
その子の名前は市原朔と言った。
朔はいつも上位オメガの小鳥遊汐李と一緒にいた。
居たというか汐李が朔を囲っているようだった。
周りのみんなが上位オメガの威圧に屈して近寄れないから朔には友達がいないみたいだった。
本人は気付いてないのか気にしてないのか…。
僕はアルファの両親にアルファの兄、オメガの妹に囲まれて育ったためアルファやオメガの威圧には耐性があった。
だから汐李の威圧には気が付かないフリをして朔に近づいた。
朔はベータだから匂いはないはずだし僕もベータだから匂いなんて気が付かないはずなんだけど朔からはふんわりいい匂いがする気がした。
朔は僕を汐李以外にできた初めての友だちとしてすごく喜んでくれた。
汐李に囲まれてるせいで世間知らずの朔に少しずつ世の中のことを教えていった。
汐李からは嫌がられたけどやめなかった。
朔には汐李に囲われてるだけの生活はさせたらいけない思ったから。
朔と汐李は側から見たら相思相愛に見えたけど、やっぱり家柄とバース性の壁は厚くて汐李はお見合いを沢山していたし朔も汐李にお見合いを勧めているようだった。
中学3年の冬休み、叔父さんが家にやってきた。
叔父さんはとあるアルファのエリート高校の理事をしている。
僕の兄はそこの高校の卒業生だった。
叔父さんが「海里の学校にものすごい優秀なベータがいるって?」
ものすごい優秀なベータ???それは朔しかいないけど……。
「いるけど…その優秀な子がどうしたの?」
「来年うちの高校へ来るんだ。あれだけ優秀なら向こうの学校も手放したくないだろうに…」
え…叔父さんがそんな情報ここで漏洩していいの?って思ったけどうちはそこの高校運営にも関係している家だから良いのかな…?
じゃあ朔は今の学校から居なくなるってことだよね?なんでだろ?汐李が知ったら大反対するだりうけど何も言わないってことは知らされてないってことか…。
こうしちゃ居られない。僕は家族皆んなに向かって宣言した。
「僕も高校受験する。アルファ高校へ行きたい。」
宣言してから猛勉強した。両親からは一般受験して受かれば行ったら良いと言ってもらえたので必死に勉強した。
そして無事に合格した。
その後のクラス編成用の実力テストの時探したけど朔はいなかった。
中学でも朔は全くいつもと同じで高校の話なんて全くしなかったからこの高校へ入るのか分からないままだった。
本当にこの高校へくるのかな…もし結局前の学校に行くんだとしたら…不安で不安で仕方なかった。
高校の入学式の日、クラス分けの貼ってある掲示板の前で朔を見つけた時に僕の心は歓喜した。
朔は僕をみてびっくりしてた。内緒で来た高校に僕がいるんだから。
どうしてここに?と聞かれたからなるべく平静を装って、兄がここの卒業生だから…といかにも初めから高校はここに来る予定だったという感じで話をあわせた。
寮の部屋の場の番号を聞いて驚いた。
学年トップの部屋だ!トップは代表挨拶をしたアルファだから朔は2位か!上位アルファがほとんどのこの高校でやっぱり朔はすごいな…と感心した。
同室の子はどんな子かな…とワクワクしながら部屋へ向かう朔へ僕は思わず
「何か困ったことがあったらどんなことでも僕に相談してね。僕はベータだからきっと朔の力になれるから。」と声をかけた。
中学3年間ずっと見てきたからわかるんだ。
朔はベータだけどアルファやオメガを惹きつける。
だからこの高校でも色々あるかもしれない…。
僕が守るから…朔のことを。
高校生活は穏やかにスタートした。
やっぱり朔はアルファからすると魅力的みたいで先輩やクラスメイトからなんとなく狙われてる雰囲気があった。
僕はなるべく自然に朔隣に陣取って離れないように朔を1人にしないように気を配った。
僕の同室のアルファは遠縁の子で気のいい奴だったし、朔の同室のアルファも上位アルファらしく品位があって朔を対等に扱っていた。
朔は事情を話すことはなかったけど学校の敷地から出たがらなかった。
なんとなく小鳥遊家がらみかな…と予測はついたけど聞けなかった。
寮の食堂が休みの日は厨房を借りて自炊すると言うのを聞いて僕は一緒に食べたいとお願いした。
中学の時自分用と汐李に持ってきていた手作り弁当を見るたびに羨ましくて仕方がなかった。
朔の作った弁当が食べたくて、自分のと交換しない?と聞きたくても汐李がものすご圧で威嚇してくるから流石に抗えなかったんだ。
それが今は堂々と食べられる!
朔は大したものは作れないけど…って言いながら毎回冷蔵庫の残り野菜や半端な肉なんかを使って色々作ってくれた。
どれもこれも美味しかった。
僕の母は料理が趣味だからそこそこ美味しいご飯を食べてきてたけど朔の作ったご飯は特別おいしかった。
最初は僕の特権だったのにいつのまにか朔と同室の高人も加わり、仕事が忙しい悠斗に至っては弁当を作ってもらってた。
多分高人も僕も悠斗もみんな朔に惹かれていたんだと思う。
敷地から出ない朔に付き合って校内でテニスやバスケで楽しんだりしてたんだけど、だんだん朔と高人の距離が近づいてるのは感じてた。
僕はベータだからフェロモンはわからないけど悠斗は朔から高人のフェロモンを感じてたらしい。
朔には気づかれないようにフェロモンを纏わせてるみたいで悠斗は高人に逆らうのはやめておこうって言ってた。
そんな日々が続いたある日、朔と高人から付き合うことになったと報告があった。
悠斗は朔にべっとりとついたフェロモンに独占欲つえーってびっくりしながら苦笑してた。
幸せそうな顔した朔を見て汐李のことは乗り越えたんだなって思って安心した。
僕はどうやら朔のことは好きだけど、付き合いたいとかそういう感情ではなくただただ守りたいと思ってるみたいだ。
2人が付き合い出してすぐのクリスマスは僕と悠斗と4人でクリスマスを過ごしたけど、次の年のクリスマスは僕も悠斗も実家へ帰り2人っきりにしてあげた。
年が明けてから朔は今まで以上に落ち着いた雰囲気を纏っていた。
何かに守られて安心しているようだった。
それが僕じゃないのが少し残念だったけど、幸せそうな朔の顔を見たら僕の気持ちなんてどうでも良くなった。
その頃から高人が一緒なら外へ出かけることができるようになった。
2人で出かけていくこともあれば僕や悠斗も一緒に出かけて映画や買い物なんかを楽しんだ。
そしてあの運命の日…今思い出しても辛く苦しい気持ちになる。
高3になるのを控えた春休み。
高人が朔を本屋さんへ誘った。
そしたら悠斗が午前中に駅前のホテルで商談があるから終わったら一緒にお昼を食べようと提案された。
それなら僕も本屋さんへ付き合うよとなって、みんなで出かけようってことになった。
本屋さんで高人がレジに並ぶ間に僕と朔は2人で外へ出た。
ちょうど悠斗も仕事が終わってホテルから出てきたところだった。
悠斗の隣にいる人物は僕も朔も知ってる人…汐李だった。
近づいてくる汐李から逃げるように後ずさる朔…僕は朔の前に立ち塞がろうと一歩踏み出した。
すると真後ろから高人の声がしてすぐにヒュッと息を呑む音がした。
汐李の目線が朔にないことに気がついた。
高人が僕達の横を通り過ぎる。
その途端背後からブザー音が鳴り響いた。
朔のリストバンドから鳴っているようだ。
朔に「朔!どうした?大丈夫か?」と聞くと朔は真っ赤な顔をして震えながら慌てた様子で
「タクシー…すぐにタクシーに僕を乗せて!バースセンターへ急いで!」と叫んだ。
悠斗が突然、朔をギラギラした目で見ながら近づいてくる。
「早く!悠斗が来る前に逃げないと!」と朔が言った瞬間僕は朔を駅前のタクシーに押し込んだ。
「バースセンターへ!急いでください!」運転手に叫んだ。
タクシーが出た瞬間僕は悠斗に吹っ飛ばされた。さすがアルファだな…恐ろしく力が強い。
いつも陽気なアルファの悠斗がフェロモンにやられて我を失っている。
ひとまず朔が居なくなったことで悠斗は落ち着いてきた。
そして朔から今まで嗅いだことのない抗えないフェロモンが出ていたと聞かされた。
高人と汐李は運命の番だったみたいだ。
2人は睨み合いながらお互いのフェロモンを必死で抑えてた。
そこから派生する威圧フェロモンに周りのベータも反応してしまい駅前はちょっとした地獄絵図だった。
それきり朔は学校へ来なくなり僕たちの前から姿を消した。
バースセンターまで行ってみたけど、関係者以外は立ち入り禁止で僕は門前払いだった。
守衛の人がバースセンターへ運び込まれた人は肉体的にも精神的にもショックを受けている人が多いから一度シェルターへ入ってしまうと国に管理されて会うことは難しいと教えてくれた。
ショックだった…朔に会えないなんて…。
その後僕はどうやって寮まで帰ったのか記憶にない。
兄はアルファで妹はオメガだから僕みたいなのは珍しいみたいなんだけど、両親は兄弟分け隔てなく育ててくれた。
兄はアルファで私立の小学校へ通っていたから僕も通って良いよと言われてたんだけど、近所のベータの子たちと仲良くなったから地元の公立小学校へ通わせてもらったんだ。
中学もそのまま地元の公立中学へ行くつもりだったんだけど、成績が良かったから勿体ないと先生に説き伏せられて中学から私立の中学へ入学した。
そこで僕は天使かと思う子に出会った。オメガのようにもアルファのようにも見えるその子はなんとベータだという。
近くに居たい…付き合うとかそんなことじゃなく、ただそばに居て役に立ちたい…そんなふうに思えたのは初めてのことだった。
その子の名前は市原朔と言った。
朔はいつも上位オメガの小鳥遊汐李と一緒にいた。
居たというか汐李が朔を囲っているようだった。
周りのみんなが上位オメガの威圧に屈して近寄れないから朔には友達がいないみたいだった。
本人は気付いてないのか気にしてないのか…。
僕はアルファの両親にアルファの兄、オメガの妹に囲まれて育ったためアルファやオメガの威圧には耐性があった。
だから汐李の威圧には気が付かないフリをして朔に近づいた。
朔はベータだから匂いはないはずだし僕もベータだから匂いなんて気が付かないはずなんだけど朔からはふんわりいい匂いがする気がした。
朔は僕を汐李以外にできた初めての友だちとしてすごく喜んでくれた。
汐李に囲まれてるせいで世間知らずの朔に少しずつ世の中のことを教えていった。
汐李からは嫌がられたけどやめなかった。
朔には汐李に囲われてるだけの生活はさせたらいけない思ったから。
朔と汐李は側から見たら相思相愛に見えたけど、やっぱり家柄とバース性の壁は厚くて汐李はお見合いを沢山していたし朔も汐李にお見合いを勧めているようだった。
中学3年の冬休み、叔父さんが家にやってきた。
叔父さんはとあるアルファのエリート高校の理事をしている。
僕の兄はそこの高校の卒業生だった。
叔父さんが「海里の学校にものすごい優秀なベータがいるって?」
ものすごい優秀なベータ???それは朔しかいないけど……。
「いるけど…その優秀な子がどうしたの?」
「来年うちの高校へ来るんだ。あれだけ優秀なら向こうの学校も手放したくないだろうに…」
え…叔父さんがそんな情報ここで漏洩していいの?って思ったけどうちはそこの高校運営にも関係している家だから良いのかな…?
じゃあ朔は今の学校から居なくなるってことだよね?なんでだろ?汐李が知ったら大反対するだりうけど何も言わないってことは知らされてないってことか…。
こうしちゃ居られない。僕は家族皆んなに向かって宣言した。
「僕も高校受験する。アルファ高校へ行きたい。」
宣言してから猛勉強した。両親からは一般受験して受かれば行ったら良いと言ってもらえたので必死に勉強した。
そして無事に合格した。
その後のクラス編成用の実力テストの時探したけど朔はいなかった。
中学でも朔は全くいつもと同じで高校の話なんて全くしなかったからこの高校へ入るのか分からないままだった。
本当にこの高校へくるのかな…もし結局前の学校に行くんだとしたら…不安で不安で仕方なかった。
高校の入学式の日、クラス分けの貼ってある掲示板の前で朔を見つけた時に僕の心は歓喜した。
朔は僕をみてびっくりしてた。内緒で来た高校に僕がいるんだから。
どうしてここに?と聞かれたからなるべく平静を装って、兄がここの卒業生だから…といかにも初めから高校はここに来る予定だったという感じで話をあわせた。
寮の部屋の場の番号を聞いて驚いた。
学年トップの部屋だ!トップは代表挨拶をしたアルファだから朔は2位か!上位アルファがほとんどのこの高校でやっぱり朔はすごいな…と感心した。
同室の子はどんな子かな…とワクワクしながら部屋へ向かう朔へ僕は思わず
「何か困ったことがあったらどんなことでも僕に相談してね。僕はベータだからきっと朔の力になれるから。」と声をかけた。
中学3年間ずっと見てきたからわかるんだ。
朔はベータだけどアルファやオメガを惹きつける。
だからこの高校でも色々あるかもしれない…。
僕が守るから…朔のことを。
高校生活は穏やかにスタートした。
やっぱり朔はアルファからすると魅力的みたいで先輩やクラスメイトからなんとなく狙われてる雰囲気があった。
僕はなるべく自然に朔隣に陣取って離れないように朔を1人にしないように気を配った。
僕の同室のアルファは遠縁の子で気のいい奴だったし、朔の同室のアルファも上位アルファらしく品位があって朔を対等に扱っていた。
朔は事情を話すことはなかったけど学校の敷地から出たがらなかった。
なんとなく小鳥遊家がらみかな…と予測はついたけど聞けなかった。
寮の食堂が休みの日は厨房を借りて自炊すると言うのを聞いて僕は一緒に食べたいとお願いした。
中学の時自分用と汐李に持ってきていた手作り弁当を見るたびに羨ましくて仕方がなかった。
朔の作った弁当が食べたくて、自分のと交換しない?と聞きたくても汐李がものすご圧で威嚇してくるから流石に抗えなかったんだ。
それが今は堂々と食べられる!
朔は大したものは作れないけど…って言いながら毎回冷蔵庫の残り野菜や半端な肉なんかを使って色々作ってくれた。
どれもこれも美味しかった。
僕の母は料理が趣味だからそこそこ美味しいご飯を食べてきてたけど朔の作ったご飯は特別おいしかった。
最初は僕の特権だったのにいつのまにか朔と同室の高人も加わり、仕事が忙しい悠斗に至っては弁当を作ってもらってた。
多分高人も僕も悠斗もみんな朔に惹かれていたんだと思う。
敷地から出ない朔に付き合って校内でテニスやバスケで楽しんだりしてたんだけど、だんだん朔と高人の距離が近づいてるのは感じてた。
僕はベータだからフェロモンはわからないけど悠斗は朔から高人のフェロモンを感じてたらしい。
朔には気づかれないようにフェロモンを纏わせてるみたいで悠斗は高人に逆らうのはやめておこうって言ってた。
そんな日々が続いたある日、朔と高人から付き合うことになったと報告があった。
悠斗は朔にべっとりとついたフェロモンに独占欲つえーってびっくりしながら苦笑してた。
幸せそうな顔した朔を見て汐李のことは乗り越えたんだなって思って安心した。
僕はどうやら朔のことは好きだけど、付き合いたいとかそういう感情ではなくただただ守りたいと思ってるみたいだ。
2人が付き合い出してすぐのクリスマスは僕と悠斗と4人でクリスマスを過ごしたけど、次の年のクリスマスは僕も悠斗も実家へ帰り2人っきりにしてあげた。
年が明けてから朔は今まで以上に落ち着いた雰囲気を纏っていた。
何かに守られて安心しているようだった。
それが僕じゃないのが少し残念だったけど、幸せそうな朔の顔を見たら僕の気持ちなんてどうでも良くなった。
その頃から高人が一緒なら外へ出かけることができるようになった。
2人で出かけていくこともあれば僕や悠斗も一緒に出かけて映画や買い物なんかを楽しんだ。
そしてあの運命の日…今思い出しても辛く苦しい気持ちになる。
高3になるのを控えた春休み。
高人が朔を本屋さんへ誘った。
そしたら悠斗が午前中に駅前のホテルで商談があるから終わったら一緒にお昼を食べようと提案された。
それなら僕も本屋さんへ付き合うよとなって、みんなで出かけようってことになった。
本屋さんで高人がレジに並ぶ間に僕と朔は2人で外へ出た。
ちょうど悠斗も仕事が終わってホテルから出てきたところだった。
悠斗の隣にいる人物は僕も朔も知ってる人…汐李だった。
近づいてくる汐李から逃げるように後ずさる朔…僕は朔の前に立ち塞がろうと一歩踏み出した。
すると真後ろから高人の声がしてすぐにヒュッと息を呑む音がした。
汐李の目線が朔にないことに気がついた。
高人が僕達の横を通り過ぎる。
その途端背後からブザー音が鳴り響いた。
朔のリストバンドから鳴っているようだ。
朔に「朔!どうした?大丈夫か?」と聞くと朔は真っ赤な顔をして震えながら慌てた様子で
「タクシー…すぐにタクシーに僕を乗せて!バースセンターへ急いで!」と叫んだ。
悠斗が突然、朔をギラギラした目で見ながら近づいてくる。
「早く!悠斗が来る前に逃げないと!」と朔が言った瞬間僕は朔を駅前のタクシーに押し込んだ。
「バースセンターへ!急いでください!」運転手に叫んだ。
タクシーが出た瞬間僕は悠斗に吹っ飛ばされた。さすがアルファだな…恐ろしく力が強い。
いつも陽気なアルファの悠斗がフェロモンにやられて我を失っている。
ひとまず朔が居なくなったことで悠斗は落ち着いてきた。
そして朔から今まで嗅いだことのない抗えないフェロモンが出ていたと聞かされた。
高人と汐李は運命の番だったみたいだ。
2人は睨み合いながらお互いのフェロモンを必死で抑えてた。
そこから派生する威圧フェロモンに周りのベータも反応してしまい駅前はちょっとした地獄絵図だった。
それきり朔は学校へ来なくなり僕たちの前から姿を消した。
バースセンターまで行ってみたけど、関係者以外は立ち入り禁止で僕は門前払いだった。
守衛の人がバースセンターへ運び込まれた人は肉体的にも精神的にもショックを受けている人が多いから一度シェルターへ入ってしまうと国に管理されて会うことは難しいと教えてくれた。
ショックだった…朔に会えないなんて…。
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