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精霊王救出編
精霊王の居場所
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シュリと契約し、話を聞くことで10年とされていた世界崩壊までのタイムリミットは無くなってしまった。なので、今後のことの計画を立てていく。
まぁ、とりあえずできることといったら、近くで封印されてる精霊を助けることくらいなんだけど…
「レイ、シュリ以外でこの近くで封印されている精霊はどこにいるかな?早く精霊王みつけるために精霊達に協力してもらいたいんだけど…」
『なんじゃ?マグノリアは精霊王をさがしておるのか?精霊王の居場所くらいすぐ分かるのじゃ。』
「そうなのよ、早く精霊王の封印を解いて世界の崩壊を止めないといけないのに、場所がわからなくて… え。…はへ? シュリ?今なんて? 精霊王の場所か分かるって言わなかった!?」
『マグノリアよ、なにを驚いておる?そんなのすぐ分かるに決まっておるであろう?なあ、レイよ。』
『いやいやいや!僕には精霊王様の位置なんて分からないから!急に精霊王様の気配が読み取れなくなったんだ!本当だよ?マグノリア!?そんな疑いの籠った目で見つめないで!!』
レイは、嘘を言ってる訳じゃないって言うのは出会ってまだ2日目だけど何となく分かる。でもさ、居場所が分からないって言われてた精霊王の位置がわかるって、当たり前のように言う精霊が近くにいたらからかいたくもなるじゃない??
「レイ、ごめん。別に疑ってるわけじゃないよ?それで、シュリ。詳しく聞かせて貰えないかな?」
『お?レイよ、本当にわかっておらなんだのか?悪いことしたのじゃ…。
任せるのじゃ!精霊王の位置はな… ここから結構遠いな…? 山を何個か越えた先かのう?
我にとっては一瞬ではあるのじゃが、あの乗り物…えっと、馬車と言ったかの?それだと2週間と言ったところじゃな。』
なんと、シュリにかかれば世界の危機の元凶である精霊王の位置は一瞬でつきとめられてしまった。
しかし、場所が分かっても問題が出てきた。
そう、馬車で2週間もの距離を8歳の子どもにどうやって向かえというのだ。
『お姉様の年齢もっと年上じゃなかったかしら?』
おっと、マグノリア?そこはスルーして欲しい。本当の年齢は気にしてはいけないのだ。今の肉体は8歳だからね!!
さっきお父様に精霊王の捜索に協力して欲しいと話したばかりなのにもう解決し、次の問題が浮上してきてしまった。
でも、馬車での移動はいくら精神年齢が大人でも肉体年齢子どもであるマグノリア1人にはどうすることもできない。相談しに行くしか手段は残されていないのである。
それしかないのだからしょうがない。決まればさっさと行動だ!いざ、お父様の元へ!
コンコン…
「お父様、マグノリアです。先程のことでお話があるのですが、入ってもよろしいでしょうか?」
ガタッ バキッ…… ガチャッ。
「マグノリアお嬢様、さあさあどうぞお入りになってください。旦那様がお待ちです。」
なんか倒れるような音?とかいろいろ聞こえた気がしたけど、この家の家令でありお父様の専属執事で、生まれた頃から世話をしているというダンディーな叔父様、セバスが扉を開けてくれた。
そう、セバスチャン!執事によくある名前、堂々一位を取り続けているあの名前!本当にいるんだよ!驚いて熱心に見つめちゃうよね!
と、荒ぶった心をおちつけてから案内されるまま、ニコニコこちらを見つめているお父様の座るソファーの、テーブルを挟んで向かい側のソファーに腰掛ける。するとセバスによって私の目の前のテーブルには紅茶とケーキなどのお茶菓子が準備されていく。
さすが、優秀な執事のみがつけることを許された?という名前にふさわしい働きである。
セバスチャンは何の話をするのかわかっているのか、セッティングを終えると一礼して部屋を出ていった。
ほへー…。
そして、ついでに先程の音のことは倒れた椅子とそのまま書類机に置かれていた折れた羽根ペンが物語っていた。
「マグノリアが私の部屋まで会いに来てくれるなんてどうしたんだい?まぁ、まずはお菓子でも食べなさい。」
もちろんお父様はマグノリアにとてつもなく甘い。
マグノリアが甘いものも紅茶も好きだということをもちろん分かって用意してくれたのだろう。にしても、突然来たのにこの準備の良さ。すごすぎる… せっかく用意してくれたものなので遠慮なく頂くことにする。
いや、晩御飯が食べられなくなるとシェフが悲しむので少しだけ…
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えていただきますわ!」
まずはこの中で一番好きな、イチゴ味のロールケーキから!!
もぐもぐ、ごっくん。 んーーー!おいしい!!
全然日本の味に負けてない!ふわふわのスポンジケーキに包まれたこのいちごのクリームは、いちごの甘酸っぱさと、つぶつぶ感が程よく残ってていくらでも食べられそうな味なのだ。 こんなに美味しいならもしも日本に戻れなかったとしても全然構わないと思えるほど!
次は何にしようかと考えていたら『お姉様、美味しいのはわかるけど、早く言わないと旅に出られないわよ!』と怒られてしまった…
さっきまで気が付かなかったがマグノリアは旅に出られるということにワクワクしているらしい。そんな想いに答えてあげたい姉心です!ササッと済ませましょう!
「お父様、ごちそうさまでした。それで本題なのですが…」
そして、先程精霊王の封印されている場所が判明したこと。そして、その場所までは山をいくつか超える必要があり、馬車では2週間ほどかかることを伝え、行きたいということを伝えた。
しかし想像がつくと思うが、娘にダダ甘な父親が、娘に危険が降り注ぐかもしれない馬車で2週間という長距離の旅を反対しないわけが無い。だからその申し出は即却下された…
しかし、それで終わりではなかった。
却下された時、マグノリアから変わって欲しいと言われたため交代した。するとそこからは形勢逆転だった。
初めは対面して座っていたはずなのにお父様の近くに移動したと思えば、まずは隣に座り、目をうるうると潤ませながら「せっかくお父様と初めての旅が出来ると思ったのに」と言ったのだ。
これは甘え上手とは違う気がする!?でも、そんなことされたら誰だってイチコロだよ!
そこからはトントン拍子に決まっていき、1週間後にお父様の付き添い付きではあるが、マグノリアは精霊王がいるだろう場所へ片道2週間かけての旅に出ることになったのだった。
それまでの間にお父様は旅の間に予定していた仕事をできるだけ済ませるらしい。終わらなかった分はたぶん馬車の中でやるのだろう。忙しそう…
だがそんな簡単に進む訳が無いのだった。
まぁ、とりあえずできることといったら、近くで封印されてる精霊を助けることくらいなんだけど…
「レイ、シュリ以外でこの近くで封印されている精霊はどこにいるかな?早く精霊王みつけるために精霊達に協力してもらいたいんだけど…」
『なんじゃ?マグノリアは精霊王をさがしておるのか?精霊王の居場所くらいすぐ分かるのじゃ。』
「そうなのよ、早く精霊王の封印を解いて世界の崩壊を止めないといけないのに、場所がわからなくて… え。…はへ? シュリ?今なんて? 精霊王の場所か分かるって言わなかった!?」
『マグノリアよ、なにを驚いておる?そんなのすぐ分かるに決まっておるであろう?なあ、レイよ。』
『いやいやいや!僕には精霊王様の位置なんて分からないから!急に精霊王様の気配が読み取れなくなったんだ!本当だよ?マグノリア!?そんな疑いの籠った目で見つめないで!!』
レイは、嘘を言ってる訳じゃないって言うのは出会ってまだ2日目だけど何となく分かる。でもさ、居場所が分からないって言われてた精霊王の位置がわかるって、当たり前のように言う精霊が近くにいたらからかいたくもなるじゃない??
「レイ、ごめん。別に疑ってるわけじゃないよ?それで、シュリ。詳しく聞かせて貰えないかな?」
『お?レイよ、本当にわかっておらなんだのか?悪いことしたのじゃ…。
任せるのじゃ!精霊王の位置はな… ここから結構遠いな…? 山を何個か越えた先かのう?
我にとっては一瞬ではあるのじゃが、あの乗り物…えっと、馬車と言ったかの?それだと2週間と言ったところじゃな。』
なんと、シュリにかかれば世界の危機の元凶である精霊王の位置は一瞬でつきとめられてしまった。
しかし、場所が分かっても問題が出てきた。
そう、馬車で2週間もの距離を8歳の子どもにどうやって向かえというのだ。
『お姉様の年齢もっと年上じゃなかったかしら?』
おっと、マグノリア?そこはスルーして欲しい。本当の年齢は気にしてはいけないのだ。今の肉体は8歳だからね!!
さっきお父様に精霊王の捜索に協力して欲しいと話したばかりなのにもう解決し、次の問題が浮上してきてしまった。
でも、馬車での移動はいくら精神年齢が大人でも肉体年齢子どもであるマグノリア1人にはどうすることもできない。相談しに行くしか手段は残されていないのである。
それしかないのだからしょうがない。決まればさっさと行動だ!いざ、お父様の元へ!
コンコン…
「お父様、マグノリアです。先程のことでお話があるのですが、入ってもよろしいでしょうか?」
ガタッ バキッ…… ガチャッ。
「マグノリアお嬢様、さあさあどうぞお入りになってください。旦那様がお待ちです。」
なんか倒れるような音?とかいろいろ聞こえた気がしたけど、この家の家令でありお父様の専属執事で、生まれた頃から世話をしているというダンディーな叔父様、セバスが扉を開けてくれた。
そう、セバスチャン!執事によくある名前、堂々一位を取り続けているあの名前!本当にいるんだよ!驚いて熱心に見つめちゃうよね!
と、荒ぶった心をおちつけてから案内されるまま、ニコニコこちらを見つめているお父様の座るソファーの、テーブルを挟んで向かい側のソファーに腰掛ける。するとセバスによって私の目の前のテーブルには紅茶とケーキなどのお茶菓子が準備されていく。
さすが、優秀な執事のみがつけることを許された?という名前にふさわしい働きである。
セバスチャンは何の話をするのかわかっているのか、セッティングを終えると一礼して部屋を出ていった。
ほへー…。
そして、ついでに先程の音のことは倒れた椅子とそのまま書類机に置かれていた折れた羽根ペンが物語っていた。
「マグノリアが私の部屋まで会いに来てくれるなんてどうしたんだい?まぁ、まずはお菓子でも食べなさい。」
もちろんお父様はマグノリアにとてつもなく甘い。
マグノリアが甘いものも紅茶も好きだということをもちろん分かって用意してくれたのだろう。にしても、突然来たのにこの準備の良さ。すごすぎる… せっかく用意してくれたものなので遠慮なく頂くことにする。
いや、晩御飯が食べられなくなるとシェフが悲しむので少しだけ…
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えていただきますわ!」
まずはこの中で一番好きな、イチゴ味のロールケーキから!!
もぐもぐ、ごっくん。 んーーー!おいしい!!
全然日本の味に負けてない!ふわふわのスポンジケーキに包まれたこのいちごのクリームは、いちごの甘酸っぱさと、つぶつぶ感が程よく残ってていくらでも食べられそうな味なのだ。 こんなに美味しいならもしも日本に戻れなかったとしても全然構わないと思えるほど!
次は何にしようかと考えていたら『お姉様、美味しいのはわかるけど、早く言わないと旅に出られないわよ!』と怒られてしまった…
さっきまで気が付かなかったがマグノリアは旅に出られるということにワクワクしているらしい。そんな想いに答えてあげたい姉心です!ササッと済ませましょう!
「お父様、ごちそうさまでした。それで本題なのですが…」
そして、先程精霊王の封印されている場所が判明したこと。そして、その場所までは山をいくつか超える必要があり、馬車では2週間ほどかかることを伝え、行きたいということを伝えた。
しかし想像がつくと思うが、娘にダダ甘な父親が、娘に危険が降り注ぐかもしれない馬車で2週間という長距離の旅を反対しないわけが無い。だからその申し出は即却下された…
しかし、それで終わりではなかった。
却下された時、マグノリアから変わって欲しいと言われたため交代した。するとそこからは形勢逆転だった。
初めは対面して座っていたはずなのにお父様の近くに移動したと思えば、まずは隣に座り、目をうるうると潤ませながら「せっかくお父様と初めての旅が出来ると思ったのに」と言ったのだ。
これは甘え上手とは違う気がする!?でも、そんなことされたら誰だってイチコロだよ!
そこからはトントン拍子に決まっていき、1週間後にお父様の付き添い付きではあるが、マグノリアは精霊王がいるだろう場所へ片道2週間かけての旅に出ることになったのだった。
それまでの間にお父様は旅の間に予定していた仕事をできるだけ済ませるらしい。終わらなかった分はたぶん馬車の中でやるのだろう。忙しそう…
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