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第四章
2 sideローレンツ
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サーヤがこれから学校で行う授業の参考になればと、これまでの渡り人研究についてまとめた資料でも作ってみようかと考えていたとき、兄から呼び出しがかかった。
兄、つまり国王からの呼び出しは、王城からの呼び出しだ。
どういった内容で呼ばれているのかだいたい予想がついたため、ローレンツはうんざりしていた。
だが、王族の義務から半ば解放され、日頃は自由に市井で研究者をやれているのだ。こういった呼び出しにくらい応じなければ罰が当たりそうだとも思うから、久しぶりに隠れ家ではなく邸宅に戻り、王族らしい身なりを整えて迎えの馬車に乗ったのだった。
「久しぶりだな、ローレンツ」
「お久しぶりです、陛下。お変わりないようで何より」
「お前こそ、若さと活力に溢れていていつ見ても変わりないな。やはり、渡り人の神秘のそばにいるからか」
城の応接間に通されて、顔を合わせた途端これだ。
爽やかで温和な顔立ちに笑みを浮べて言うから、すぐには嫌味とはわからない。だが、昔から兄の性格を知っているローレンツは、彼がいろいろと言いたいことがあるのを理解していた。
「陛下はローレンツが渡り人のあの子を独り占めしているから、拗ねているのよ。お城にもっと連れてきてくれたらいいのにって」
隣で成り行きを見守っていた王妃が、おかしそうに笑っていた。そんな可愛らしいものではないだろうと思いつつも、意味は大体一緒だろうと理解する。
「もっと連れてきたらと言うが、連れてくればここに住まわそうとするでしょうが。あの子は、たくさんの侍女に囲まれて、重いドレスを着て暮らしていくことを望んでいない。だから、式典のときくらいしか連れて来られないんだ」
渡り人は国にとって大切な存在で、そのため国をあげての祭りや式典の際に国王陛下の御前に参じることは避けられない。
そのことはよく言って聞かせているためサーヤも応じてくれるが、たくさんの人にかしずかれて、代わる代わる衣裳替えが必要な王城での生活にはたちまち目を回してしまっていた。だから、本人が来たがらないのだから仕方がない。
「そうは言っても、彼女は身内になる人物だろうが。将来の義妹と日頃から交流を持ちたいと思って何が悪いんだ」
「……将来の、義妹?」
とりあえずこれからしばらく続く小言を聞き流すために気持ちを落ち着けようとお茶に口をつけようとしたところ、さらに兄の口から聞き捨てならない言葉が発せられた。
そして、今日の呼び出しの目的を真に理解した。
「そろそろ結婚を急かされるのだろうと覚悟して城へ来てみたが……まさかサーヤと結婚しろと言われるとは」
「お前もそのつもりだろうと思っていた。若い男と口を聞くだけで悋気を起こしているというではないか。心配ならば、早う婚儀を行え」
「り、悋気……」
この前のライマーとのやりとりについてだということはすぐにわかったが、悋気を起こしたという表現を否定できなかった。あのときはサーヤが彼に泣かされていると思って助けに入ったつもりだったが、そこには間違いなく嫉妬心があった。
だが、あの話が国王夫妻の耳に入っているというのが気に入らない。ライマーが騎士であることを考えれば不自然ではないが、それにしたって情報が伝わるのが早すぎる。
「お前はとうに結婚していてもおかしくない歳だ。以前は相手がいないだとか研究が忙しいだとか逃げ道はいくらでもあっただろうが、今はもうその手が使えないのはわかっているだろう?」
「それは……重々承知しております」
これまで婚約者をあてがわれることも、見合いの場を設けられることもなかったのは、周囲に目こぼししてもらっていたからだというのは理解している。
そして、そろそろ身を固めねばならないこともわかっていた。
しかし、その相手としてサーヤに白羽の矢が立つのは、どうにも納得いかなかった。
「さんざん周りを牽制しておいて、娶る気がないとはどういう了見なのだ?」
「牽制など……私は、保護者として彼女の安全と幸福を第一に考えているだけで」
「聞き苦しい言い訳だな。保護者だと言い張るのなら、早急に保護者として彼女に相応しい伴侶を見つけろ。そしてお前も身を固めるんだ。周囲からは当然お前が娶るものと見られているんだ。だから貴族たちも手出ししない。それをいいことに、悠長に構えすぎなのではないか?」
兄からの手厳しい指摘に、ローレンツは何も言い返せなかった。
権威や面子を気にする貴族や富裕層にとって、サーヤは喉から手が出るほどほしい存在だろう。実際、過去には渡り人を娶った貴族もいる。
勝手がわからないこの世界で生きていこうと思ったら、渡り人たちにとっても貴族や富裕層と結婚するのは悪い話ではないのだ。ターニャの祖父のように市井で結婚し、うまくいく者もいるが、それは彼が石工という職人だったからに他ならない。
特に秀でた能力がないならば、富と権力がある者と連れ添うのが無難ではあるのだ。
それを理解してはいるが、サーヤの好きにさせてやりたいとローレンツは思っている。とはいえ、この前ライマーと一緒にいるところを見て、彼女が誰と一緒になっても到底心穏やかではいられないだろうと理解したが。
「お前が娶る気がないのなら、我が息子が妻にと請うている。『叔父上が娶らないのなら、僕がもらってもいいよね』などと言っていたぞ」
「王太子が……?」
ローレンツは、甥である王太子が十七歳であることを思い出した。王族ならば、そのくらいの歳に婚約や結婚をしても何らおかしくはない。そして、彼がサーヤを五年前から慕っていたのも知っている。
「あいつは、サーヤを守るために正妃は別に迎え、側妃として娶ることまで算段している。確かにいくら渡り人とはいえ、王太子妃は荷が勝ちすぎる。だが、適当にどこかの貴族と養子縁組をさせれば側妃には問題なくできるだろう」
「そんなことまで考えて……」
「好いている者を妻に迎える覚悟があるならば、当然考えることだ」
王太子がサーヤを娶りたいと考えていること自体が寝耳に水なのに、その上彼がさらに具体的なことまで考えていると知らされて、目眩がしてくるようだった。
だが、王の言うように、好いた女性がいるのなら当然考えるべきことだ。自覚と覚悟のなさを突きつけられるようで、ローレンツは自己嫌悪に陥った。
「あいつも、お前から想い人を奪おうという気はさらさらない。だが、あくまでもお前がいつまでもその気がないのなら、早急に手元に囲い保護したいと言っているのだ。そのことを受け入れた上で、今後自分がどう行動するか考えよ」
「……肝に銘じます」
今回の呼び出しは、言ってみれば王を通じた王太子からの宣戦布告だ。いつまでも煮え切らない態度を取るならば自分は行動を起こすと、そう宣言されたのだ。
「わたくしは、サーヤさんが義妹になるのでも義娘になるのでもどちらでも構いませんからね」
応接間を辞そうとしたとき、王妃に笑顔でそんなことを言われた。これまた特大の釘を刺されたものだと、ローレンツは逃げるように城をあとにする。
「……玉砕覚悟でも、求婚してみるしかないのだろうな」
帰りの馬車に乗り込み、溜め息とともに吐き出す。口に出して言ってみると、自分がサーヤに拒絶されることをかなり恐れているのを気づかされる。
今のままの関係でいれば、傷つくこともないし特別な存在でいられる。だが、それだけではこの先守りきれないのも、先ほどの王城での会話で思い知らされた。
王弟や王太子が妻にと望む存在を、市井の人間ごときに娶らせるわけにはいかないし、貴族や富裕層のもとに嫁げは、それは将来的に力の均衡を崩す恐れがある。
サーヤの意思を尊重したいなどと言っていたら、彼女の存在すら危ぶまれることになるのだ。
兄、つまり国王からの呼び出しは、王城からの呼び出しだ。
どういった内容で呼ばれているのかだいたい予想がついたため、ローレンツはうんざりしていた。
だが、王族の義務から半ば解放され、日頃は自由に市井で研究者をやれているのだ。こういった呼び出しにくらい応じなければ罰が当たりそうだとも思うから、久しぶりに隠れ家ではなく邸宅に戻り、王族らしい身なりを整えて迎えの馬車に乗ったのだった。
「久しぶりだな、ローレンツ」
「お久しぶりです、陛下。お変わりないようで何より」
「お前こそ、若さと活力に溢れていていつ見ても変わりないな。やはり、渡り人の神秘のそばにいるからか」
城の応接間に通されて、顔を合わせた途端これだ。
爽やかで温和な顔立ちに笑みを浮べて言うから、すぐには嫌味とはわからない。だが、昔から兄の性格を知っているローレンツは、彼がいろいろと言いたいことがあるのを理解していた。
「陛下はローレンツが渡り人のあの子を独り占めしているから、拗ねているのよ。お城にもっと連れてきてくれたらいいのにって」
隣で成り行きを見守っていた王妃が、おかしそうに笑っていた。そんな可愛らしいものではないだろうと思いつつも、意味は大体一緒だろうと理解する。
「もっと連れてきたらと言うが、連れてくればここに住まわそうとするでしょうが。あの子は、たくさんの侍女に囲まれて、重いドレスを着て暮らしていくことを望んでいない。だから、式典のときくらいしか連れて来られないんだ」
渡り人は国にとって大切な存在で、そのため国をあげての祭りや式典の際に国王陛下の御前に参じることは避けられない。
そのことはよく言って聞かせているためサーヤも応じてくれるが、たくさんの人にかしずかれて、代わる代わる衣裳替えが必要な王城での生活にはたちまち目を回してしまっていた。だから、本人が来たがらないのだから仕方がない。
「そうは言っても、彼女は身内になる人物だろうが。将来の義妹と日頃から交流を持ちたいと思って何が悪いんだ」
「……将来の、義妹?」
とりあえずこれからしばらく続く小言を聞き流すために気持ちを落ち着けようとお茶に口をつけようとしたところ、さらに兄の口から聞き捨てならない言葉が発せられた。
そして、今日の呼び出しの目的を真に理解した。
「そろそろ結婚を急かされるのだろうと覚悟して城へ来てみたが……まさかサーヤと結婚しろと言われるとは」
「お前もそのつもりだろうと思っていた。若い男と口を聞くだけで悋気を起こしているというではないか。心配ならば、早う婚儀を行え」
「り、悋気……」
この前のライマーとのやりとりについてだということはすぐにわかったが、悋気を起こしたという表現を否定できなかった。あのときはサーヤが彼に泣かされていると思って助けに入ったつもりだったが、そこには間違いなく嫉妬心があった。
だが、あの話が国王夫妻の耳に入っているというのが気に入らない。ライマーが騎士であることを考えれば不自然ではないが、それにしたって情報が伝わるのが早すぎる。
「お前はとうに結婚していてもおかしくない歳だ。以前は相手がいないだとか研究が忙しいだとか逃げ道はいくらでもあっただろうが、今はもうその手が使えないのはわかっているだろう?」
「それは……重々承知しております」
これまで婚約者をあてがわれることも、見合いの場を設けられることもなかったのは、周囲に目こぼししてもらっていたからだというのは理解している。
そして、そろそろ身を固めねばならないこともわかっていた。
しかし、その相手としてサーヤに白羽の矢が立つのは、どうにも納得いかなかった。
「さんざん周りを牽制しておいて、娶る気がないとはどういう了見なのだ?」
「牽制など……私は、保護者として彼女の安全と幸福を第一に考えているだけで」
「聞き苦しい言い訳だな。保護者だと言い張るのなら、早急に保護者として彼女に相応しい伴侶を見つけろ。そしてお前も身を固めるんだ。周囲からは当然お前が娶るものと見られているんだ。だから貴族たちも手出ししない。それをいいことに、悠長に構えすぎなのではないか?」
兄からの手厳しい指摘に、ローレンツは何も言い返せなかった。
権威や面子を気にする貴族や富裕層にとって、サーヤは喉から手が出るほどほしい存在だろう。実際、過去には渡り人を娶った貴族もいる。
勝手がわからないこの世界で生きていこうと思ったら、渡り人たちにとっても貴族や富裕層と結婚するのは悪い話ではないのだ。ターニャの祖父のように市井で結婚し、うまくいく者もいるが、それは彼が石工という職人だったからに他ならない。
特に秀でた能力がないならば、富と権力がある者と連れ添うのが無難ではあるのだ。
それを理解してはいるが、サーヤの好きにさせてやりたいとローレンツは思っている。とはいえ、この前ライマーと一緒にいるところを見て、彼女が誰と一緒になっても到底心穏やかではいられないだろうと理解したが。
「お前が娶る気がないのなら、我が息子が妻にと請うている。『叔父上が娶らないのなら、僕がもらってもいいよね』などと言っていたぞ」
「王太子が……?」
ローレンツは、甥である王太子が十七歳であることを思い出した。王族ならば、そのくらいの歳に婚約や結婚をしても何らおかしくはない。そして、彼がサーヤを五年前から慕っていたのも知っている。
「あいつは、サーヤを守るために正妃は別に迎え、側妃として娶ることまで算段している。確かにいくら渡り人とはいえ、王太子妃は荷が勝ちすぎる。だが、適当にどこかの貴族と養子縁組をさせれば側妃には問題なくできるだろう」
「そんなことまで考えて……」
「好いている者を妻に迎える覚悟があるならば、当然考えることだ」
王太子がサーヤを娶りたいと考えていること自体が寝耳に水なのに、その上彼がさらに具体的なことまで考えていると知らされて、目眩がしてくるようだった。
だが、王の言うように、好いた女性がいるのなら当然考えるべきことだ。自覚と覚悟のなさを突きつけられるようで、ローレンツは自己嫌悪に陥った。
「あいつも、お前から想い人を奪おうという気はさらさらない。だが、あくまでもお前がいつまでもその気がないのなら、早急に手元に囲い保護したいと言っているのだ。そのことを受け入れた上で、今後自分がどう行動するか考えよ」
「……肝に銘じます」
今回の呼び出しは、言ってみれば王を通じた王太子からの宣戦布告だ。いつまでも煮え切らない態度を取るならば自分は行動を起こすと、そう宣言されたのだ。
「わたくしは、サーヤさんが義妹になるのでも義娘になるのでもどちらでも構いませんからね」
応接間を辞そうとしたとき、王妃に笑顔でそんなことを言われた。これまた特大の釘を刺されたものだと、ローレンツは逃げるように城をあとにする。
「……玉砕覚悟でも、求婚してみるしかないのだろうな」
帰りの馬車に乗り込み、溜め息とともに吐き出す。口に出して言ってみると、自分がサーヤに拒絶されることをかなり恐れているのを気づかされる。
今のままの関係でいれば、傷つくこともないし特別な存在でいられる。だが、それだけではこの先守りきれないのも、先ほどの王城での会話で思い知らされた。
王弟や王太子が妻にと望む存在を、市井の人間ごときに娶らせるわけにはいかないし、貴族や富裕層のもとに嫁げは、それは将来的に力の均衡を崩す恐れがある。
サーヤの意思を尊重したいなどと言っていたら、彼女の存在すら危ぶまれることになるのだ。
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