188 / 314
夏は大ぼうけんのきせつ
どうもうな犬たちと小助くんのおならこうげき
しおりを挟む
カメたちは、小助たちをせなかにのせながら大きな池をスイスイとおよいでいます。小助は、ケモスケといっしょにあそんでみたいと頭の中で思いうかべています。
「ケモチュケ(ケモスケ)くん! ケモチュケくん!」
「ケモチュケくんって、だれのことなの?」
「かいじゅう! かいじゅう!」
小助は、かいじゅうたちに会うのがまちきれないようすです。でも、カメたちはこわいもの知らずの小助をしんぱいしています。
「おいおい……。かいじゅうってこわいけものだぞ」
「かいじゅう、大ちゅき(大すき)! かいじゅう、大ちゅき!」
「本当なのかな? そのかいじゅうに食われるかもしれないぞ」
「ケモチュケくん! ケモチュケくん!」
カメたちがどんなことを言っても、小助がかいじゅうに会いたがっていることにかわりはありません。
そうするうちに、小助たちをのせたカメたちは大きな池の向かいがわへたどりつくことができました。小助とワン太、それにお母さん犬はカメからおりることにしました。
「もういちど目をつぶってから、ふたたび目をあけてごらん」
カメたちのよびかけに、小助たちはすぐに目をつぶりました。その間、小助はケモスケとあそんだ時のことを思いうかべています。
小助たちがふたたび目をあけると、さっきまでのっていたカメたちが小さくなっていることに気づきました。
「小助くん、ワン太くん、元にもどってよかったね」
犬のお母さんは、小助とワン太のことをしんぱいしないはずがありません。お母さん犬が安心するのは、小助とワン太のかわいい顔を見る時です。
子どもたちがしんぱいなのは、ここまでつれてきたカメたちも同じです。
「山道の先には何が出てくるか分からないから、よく気をつけないといけないぞ」
カメたちの話がおわると、小助とワン太はすぐにかけ足で森の中の山道へ入って行きました。これを見たお母さん犬も、いそいで走りながら子どもたちの後をおっています。
「そんなにいそがなくても大じょうぶなのに……」
犬のお母さんが後ろからくる間も、小助たちは元気いっぱいに山道をかけ上がっています。しかし、山道のとちゅうにはおそろしい犬たちがあらわれるばしょがあります。
そのばしょを目にしたお母さん犬は、小助たちにちゅういしようと大きな声でよびかけています。
「草のしげみに近づいたらダメよ!」
ワン太は、後ろにいるお母さん犬のそばへ向かいました。ワン太がどうもうな犬たちにかみつかれるすがたを見たくありません。
そんな中、小助は草のしげみの近くにある大きな木の高いところへとび上がりました。太いえだをりょう手でにぎりしめてぶら下がっていると、草むらからおそろしい犬がつぎつぎとあらわれました。
「小助くん、あぶない!」
お母さん犬が大声でさけぶ中、小助はとなりの木に向かっていきおいよくとびうつりました。どうもうな犬たちは、太いえだに手がとどいた小助に気づかれないように山道をゆっくりすすんでいます。
そして、おそろしい犬がいっせいに小助の後ろからおそいかかろうとしたその時のことです。
「プウッ! プウッ! プウッ! プウウウウ~ッ! プウウウウウウウウウ~ッ!」
「うわっ!」
「く、くさい……」
小助は、元気いっぱいのおならをどうもうな犬たちをあいてに5回つづけてめいちゅうさせています。あまりのくさいおならに、どうもうな犬たちはじめんにたおれこんでいます。
「よくも、おれたちにくさいおならを食らわせやがって……」
「ただですむとは思うなよ」
おそろしい犬たちは、高い木にぶら下がる小助へかみつこうととびかかってきました。すると、小助はふたたびでっかいおならの音をひびかせました。
「プウウウウウウウッ! プウウウウウウウウウウ~ッ!」
「うげっ!
「本当にくさくてたまらん……」
「に、にげろ! 早くにげろ!」
どうもうな犬たちは、小助によるおならこうげきの前にすぐさま草むらの中に向かってにげ出しました。
このようすを、犬の親子は草むらにかくれるように見ています。おそろしい犬たちがいなくなったのをたしかめると、ワン太と犬のお母さんは高い木からとびおりた小助のそばへきました。
「てへへ、いっぱい出ちゃった」
「ふふふ、でっかいおならでやっつけることができたね。元気な子どもは、おならをするのも元気いっぱいだね」
おならこうげきをめいちゅうさせた小助は、犬の親子の前でいつも通りのかわいいえがおを見せています。
「ケモチュケ(ケモスケ)くん! ケモチュケくん!」
「ケモチュケくんって、だれのことなの?」
「かいじゅう! かいじゅう!」
小助は、かいじゅうたちに会うのがまちきれないようすです。でも、カメたちはこわいもの知らずの小助をしんぱいしています。
「おいおい……。かいじゅうってこわいけものだぞ」
「かいじゅう、大ちゅき(大すき)! かいじゅう、大ちゅき!」
「本当なのかな? そのかいじゅうに食われるかもしれないぞ」
「ケモチュケくん! ケモチュケくん!」
カメたちがどんなことを言っても、小助がかいじゅうに会いたがっていることにかわりはありません。
そうするうちに、小助たちをのせたカメたちは大きな池の向かいがわへたどりつくことができました。小助とワン太、それにお母さん犬はカメからおりることにしました。
「もういちど目をつぶってから、ふたたび目をあけてごらん」
カメたちのよびかけに、小助たちはすぐに目をつぶりました。その間、小助はケモスケとあそんだ時のことを思いうかべています。
小助たちがふたたび目をあけると、さっきまでのっていたカメたちが小さくなっていることに気づきました。
「小助くん、ワン太くん、元にもどってよかったね」
犬のお母さんは、小助とワン太のことをしんぱいしないはずがありません。お母さん犬が安心するのは、小助とワン太のかわいい顔を見る時です。
子どもたちがしんぱいなのは、ここまでつれてきたカメたちも同じです。
「山道の先には何が出てくるか分からないから、よく気をつけないといけないぞ」
カメたちの話がおわると、小助とワン太はすぐにかけ足で森の中の山道へ入って行きました。これを見たお母さん犬も、いそいで走りながら子どもたちの後をおっています。
「そんなにいそがなくても大じょうぶなのに……」
犬のお母さんが後ろからくる間も、小助たちは元気いっぱいに山道をかけ上がっています。しかし、山道のとちゅうにはおそろしい犬たちがあらわれるばしょがあります。
そのばしょを目にしたお母さん犬は、小助たちにちゅういしようと大きな声でよびかけています。
「草のしげみに近づいたらダメよ!」
ワン太は、後ろにいるお母さん犬のそばへ向かいました。ワン太がどうもうな犬たちにかみつかれるすがたを見たくありません。
そんな中、小助は草のしげみの近くにある大きな木の高いところへとび上がりました。太いえだをりょう手でにぎりしめてぶら下がっていると、草むらからおそろしい犬がつぎつぎとあらわれました。
「小助くん、あぶない!」
お母さん犬が大声でさけぶ中、小助はとなりの木に向かっていきおいよくとびうつりました。どうもうな犬たちは、太いえだに手がとどいた小助に気づかれないように山道をゆっくりすすんでいます。
そして、おそろしい犬がいっせいに小助の後ろからおそいかかろうとしたその時のことです。
「プウッ! プウッ! プウッ! プウウウウ~ッ! プウウウウウウウウウ~ッ!」
「うわっ!」
「く、くさい……」
小助は、元気いっぱいのおならをどうもうな犬たちをあいてに5回つづけてめいちゅうさせています。あまりのくさいおならに、どうもうな犬たちはじめんにたおれこんでいます。
「よくも、おれたちにくさいおならを食らわせやがって……」
「ただですむとは思うなよ」
おそろしい犬たちは、高い木にぶら下がる小助へかみつこうととびかかってきました。すると、小助はふたたびでっかいおならの音をひびかせました。
「プウウウウウウウッ! プウウウウウウウウウウ~ッ!」
「うげっ!
「本当にくさくてたまらん……」
「に、にげろ! 早くにげろ!」
どうもうな犬たちは、小助によるおならこうげきの前にすぐさま草むらの中に向かってにげ出しました。
このようすを、犬の親子は草むらにかくれるように見ています。おそろしい犬たちがいなくなったのをたしかめると、ワン太と犬のお母さんは高い木からとびおりた小助のそばへきました。
「てへへ、いっぱい出ちゃった」
「ふふふ、でっかいおならでやっつけることができたね。元気な子どもは、おならをするのも元気いっぱいだね」
おならこうげきをめいちゅうさせた小助は、犬の親子の前でいつも通りのかわいいえがおを見せています。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。
白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?
*6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」
*外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる