小説練習帖 八月

８月９日（火）

花火大会のお土産をもらった話

　花火の音がするので　ベランダに出てみた　すると　お月さまの頭から　次から次へと花火が打ち上がっている
　今風のハート型や星の形　大きいものは　お月さまと同じくらいまで　火花が広がっている　どんな立派な打ち上げ台があるんだろうと考える
　小一時間ほども打ち上げて　最後はハレー彗星型の花火でおしまいになった
　翌朝　枕元にマッチ箱ほどの　包みが置かれていた　見た目より持ち重りがする　黒地に花火の絵をあしらった包装紙を剥がすと　小さなカードまで添えられていた

　花火大会で搗いたお餅をお裾分けいたします

　流麗な筆文字でしたためてある
　中には　白くて柔らかなお餅がふたつ　入っていた　ひとつは漉餡　もうひとつが粒餡　食べてみると　どちらもしょっぱい塩餡であった