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後日談

服選び

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「ヴィー!今度はこの服ね!ぜっっったい似合うから!!!」
「ええ~もういいじゃない……」

このやり取りがもう数回。こんなことになったのは、あるルディーの言葉だった。

「ヴィー、思えばいつも服一緒だね。似合ってるし、可愛いけど」
「え、そう?」

特に嫌味でもなんでもなく、ふと思いついたようにルディーが言う。2人で喫茶店でくつろいでいる時だった。
黒いシンプルなサロペット。腰にリボンが巻かれており、上はただの白シャツ。袖は軽く膨らんでおり、袖口には金色のボタン。

「この服、動きやすくて便利なのよね」
「キミのことだからそんなだと思ったよ……ねえ、今度服見せてよ。キミがもっと色んな服着るところ見たいな」
「あ、今からでも来る?別にいいわよ」

この時私は気付いていなかったのである。ルディーの想定している「服」と私にとっての「服」が違うことに。

部屋に入ってもらって、クローゼットを開ける。私の顔を二度見するルディー。何か言いたいことでもあるのだろうか。待っていると、低い低ーい声が発された。

「……ヴィーちゃん、まさかこれで全部とか言わないよねえ」

これは、不味い。ちゃん付けということは、何かに対して怒っている可能性大!!!だが私には回避術がある!

「ええ!制服が残ってるわよ」

ほら!と広げて見せる。なんのアレンジも施されていない、一番基礎の形。制服、これはルディーも盲点だろう。制服だけは部屋の別のところにかけてあるし。
ぷるぷると、ルディーが震え出した。

「パジャマ×2、部屋着×2、制服×2、インナー×3ボトムス×2……本当に、これで全部?」
「ええ!家にも特にないわ」

にっこりと、笑顔を浮かべる。だって、本当のことだもん。ルディーが頭を抱えた。

「はあああああああああああ!!!そうでした!!!そうでした!!!オレの彼女こんなでした!!!知ってたけどさ!?知ってたけど限度ってものがあるじゃん!?」
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