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声をかけたのは……

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さあ、まずは音楽室へGO!念の為足音を消しながら近づくと、そこからは楽器の音。そうか、吹奏楽部か。
この学園にも前世と同じように部活動が存在する。ちなみにフィリちゃんは吹奏楽部と生徒会を兼任、レフラルは吹奏楽部。アンジエは前世でいうサッカー的なもの、レウザン様は生徒会長、リーシェン、ルディーは無所属だ。私は原作通り、生徒会でいこうと思っている。行事の時には何かとまとめ役になることが多いこの仕事は、役に立つはずだ。それに、変に原作を弄くり回す必要はない。生徒会はたまにしか招集もないし、私の行動の邪魔にはならない。
とりあえず今日ルディーのイベントは発生しないだろうことに安心して、次の任務、レフラルを探しに行くとする。あ、ついでに吹奏楽部の活動日を確認しておこう。部員募集の用紙に書いてあったはず。吹奏楽部が休みの日だけルディーはチェックすればいい。これで無駄な手間が省ける。
簡単に確認を済ませ、校内を歩き回る。レフラルついでにフィリちゃんの行動もわかるといいのだが……と、そこでおい、と声をかけられる。この声は……え、この声ってどう考えてもあの人だよね!?え、でもあの人が声かける理由ある!?

「おい……おい!クローダム!」

肩を掴まれ、無理やり振り向かせられる。
そこにいたのはやはり、全く想像通りの、レウザン・ゼハシュ様だった。

「は、はい!なんでしょうか!?」
「いや、少し話が聞きたいだけだ。今いいか」

いいかと問われれば違うが、推しからの誘いをこの世に断れる人がいるか???いや、いない。自分でも気持ち悪い程の笑みを浮かべて大丈夫だと全力で答える。

「ああ。今日の魔力量測りについてだ。あのオシェリタ家の娘がSSだと聞いた……何があったのか詳しく聞きたい。歴代でも最高は王族のSのはずだ」

ああ、やはりそこは気になるところだろう。声をかけられた理由に納得して、求められるままに何があったかを説明する。

「破裂……!?そんな事例は過去の文献でも見たことがないぞ」
「あの水晶玉では受け止めきれない程の魔力量だったのかと」
「そんな馬鹿な……オシェリタ家では最高でもA+だ。それも数人しか。なぜ突然……」

ブツブツと考え込むレウザン様の言葉に思わず声が出る。

「あ、あの、オシェリタ家の事情について詳しいんですね」
「……双璧と呼ばれる家に関心ないわけがないだろう。王位を継ぐものとして、他に有力な貴族の魔力量程度、全て把握している。お前はA-だったそうだな」
「!は、はい……流石です、レウザン様」
「今の時点ではお前の負け、か。さぞ悔しかろう。精々励むといい、我らが王国の発展のために」

皮肉げな、なのに品位を感じさせる眼差しを受け止めて、一つだけ訂正する。
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