【本編完結】推しと推しをくっつけたい！！！～溺愛されたのは私でした～

共通イベントと個別イベント

よし、とりあえずこれで全員とは会えた。私を含めたこの7人がこれからの軸となっていく……隠しキャラには申し訳ないが、そのまま隠れていてもらおう。このルートは、最も危険度が高い。他ルートなら結果的に不幸な目にあうのは私くらいだが、これは違う。全員が、命の危険に晒される。そんなこと耐えられない。
だがまあそのルートに入るにはまずレウザン様の好感度を高める必要と、特定の行動を起こさなければならない。だが、私はレウザン様とフィリちゃんの接触をなるべく避けさせるし、行動については私の方で適当に、その時のフィリちゃんの行動を制限すれば問題ない。
さて、と一息ついて明日の予定を考える。原作を考えれば次は魔力量測りだ。主人公が魔力を測る水晶を壊してしまうというありがちな展開が待っている。だがそれは共通イベントであって個別イベントではない。共通イベントは誰を目当てにプレイしていても必ず起こるイベント、個別イベントは個人に話かけに行くなど特定の「個人」とのイベント。もしもリーシェンルートに入りたければその個人イベントを起こさせまくって、好感度をあげることが必要になる。つまり、私はフィリちゃんがリーシェン以外との個人イベントを起こさせないようにし、リーシェンの個人イベントを起こす手助けをすればよい。
だが問題はゲームと現実の時間差だ。私は個人イベントも共通イベントも、起こる前後関係はわかっても、起こるまでの具体的な日数は分からない。ゲームではただの日常として描かれずに過ぎていく日が確実に存在する。それを加味すると……

「……ふう」

考えながら、あまりの情報量の多さに自分でよく分からなくなる。とにかく、一にリーシェンだ。彼の次のイベントは借りた本をフィリちゃんが読み終わることが鍵となる。なら、フィリちゃんを読書できる環境に置けばいい。読書するなら暇な時。フィリちゃんが暇になるには……

「レフラルだな」



新たな気付き

明日はとにかくレフラルをフィリちゃんからひっぺがそう。そうすればフィリちゃんは必然的に1人になることが多くなるはず。あとは、他の人のイベントを起こされることがないように、フィリちゃんをなるべく自室に追いやるくらいか。自室以外では人に会う可能性が……

ん、ちょっと待て。
自室に追いやることも大事だが、リーシェン以外のイベントを潰せばそれが1番確実だ。だって、もう終わったことになって、起きなくなるのだから。
それなら、私が起こせばいいのでは？私が、フィリちゃんの代わりとしてその場にいればいいのでは？私じゃ代用できないイベント、例えばアンジエと、席が隣のフィリちゃんが内緒話をするイベントや、誰でも起こせる、例えばレウザン様がヴァイオリンを引くところに遭遇するイベントを除けば、あとは私がその場にいればそのイベントは起きるのでは？いや、もちろん主人公でないと起こらない可能性は充分ある。でも、試す価値くらいはあるはずだ。そう考えると1番試すのが簡単なのは……ルディーだな。ルディーの最初期の個人イベントはルディーが女子生徒と音楽室でキスしている所を目撃し、自分も口説かれること。このイベントはその日その場所にわざわざ行かなければもう起こせない、初心者殺しのイベントだ。まあ、その分内容は甘々の甘だからいいのか。
とりあえず明日からそのイベントが起こるまでは放課後、ルディーを探そう。探してその素振りを見せなかったらレフラルのところに行く。ついでにフィリちゃんに読書を促す。よし、決まりだ。