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後日談

本音4

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「あの、シオン様……シオン様はこの旅行、楽しめていますか?」
「?もちろん、君が楽しんでくれてるからね……もしかして、なにか気に入らないことでもあったかい?それなら……」
「いいえ、違います」

ぽんぽんと、目の前を叩いて、向かい合わせになるよう促す。シオン様は困惑しながらも、素直に従ってくれる。

「シオン様が私のことを愛してくださっているのはとても伝わってきています。でも、ひとつ重要なことをお忘れです」
「?」
「君の幸せが僕の幸せだ、このセリフ、沢山言ってくださいますよね」
「だって、事実だからね」

……これは気付いてないな。

「私もあなたの事を、とっても愛しているんです、心の底から。だから、シオン様にも楽しんでもらいたい。この2日間、シオン様は私が楽しめるよう色々なことをたくさんしてくれました。今度は私の番です。シオン様は、何が好きなんですか?」
「僕の、好きな、もの……君?」
「それ以外でです」
「君、以外……」

そう呟くと、シオン様はそれきり黙り込んでしまう。私だったらお茶にお菓子、たくさん出てくる。きっと、これが普通。
少しでも考えついてもらうため、質問を重ねる。

「……私と結婚する前は、何をしてらしたんですか?」
「……剣、だね。早く強くなって、君を迎えに行きたかったから」
「それ以外は?」
「……」

しばらく黙り込んだ後、シオン様は言った。その表情は、笑っているのにどこか寂しげだった。
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