91 / 132
起転[承]乱結Λ
3話 厄介な女。
しおりを挟む
「何だか久しぶりに帰った気がしますよ」
月面基地から屋敷に戻ったトールを、セバス以下使用人達が総出で迎えている。
その中には、女男爵メイドとなったマリの姿もあった。
新帝都フェリクスでの祝賀会までは同行していたが、トールだけはオリヴィア宮に長逗留となり、マリ達は先に屋敷へ戻っていたのだ。
「事実、久しぶりなので御座います。坊ちゃ――いえ、トール様」
「言われてみれば、そうですね。ふぅ、まずは秘密の地下――」
「坊ちゃま!」
「トール様!」
セバスとマリが同時に、トールの言葉を遮った。
異端審問のリスクは大幅に軽減しているが、あの部屋を知る人間は少ない方が良いだろう。
アレクサンデル教皇との関係性だけでは乗り切れない事態に陥る可能性を秘めているからだ。
「ささ、まずはお食事を――と申し上げたいところなのですが――」
セバスが申し訳なそうな表情で告げる。
「お客様がお待ちでございます」
「へえ?」
ロベニカから連絡が無かったので公務以外という事になる。
それでいて通さざるを得ない相手となると――、
――でも、ボクって友達がいないしなぁ。
などと、トールは些か寂しい事実を思い起こす。
現在、あえて友人めいた存在を挙げるなら、ロスチスラフという事になるのだろう。
多くの味方、そして敵を得たが、未だトールには友と呼ぶべき存在が居ない。
「誰ですか?」
トールの問いに、セバスは応えた。
「カサンドラ様でございます。マリに――あわわ――マリ殿に案内して頂きますので――」
誰だったかな、とトールは思ったが、尋ねる事もなくマリの後に続いた。
◇
私事で利用する応接室は少女を映し出す照射映像で埋め尽くされていた。何れも美しい良家の子女であり尚且つピュアオビタルである。
少なくともテルミナやイヴァンナのような女は居ない。
「昨今の閣下は引く手数多で御座いますから――オホホ」
我が事のように誇らし気に告げたのは、国務相リストフの妻カサンドラ・ビッテラウフである。
夫と共に他領邦を飛び回り、社交界にも明るく豊富な人脈を持っている。
トールが遊び歩いて政務を顧みなかった頃から縁談話を持って来ていたらしい。
領邦の為という側面もあろうが、元来が世話好きなのだろう。
「へえ、そうなんですか――あ、ありがとう、マリ」
興味を示さぬトールと、上機嫌なカサンドラの前に、マリが茶を置いてゆく。
マリは軽く頭を下げた後に壁際へと控え、エロスレーダーを張り巡らせた。
ゆえに、いかなる情動の揺れも見逃さない。
「ええ、もう、あらゆる御方から、結構なお話しが舞い込んでおりますの」
「――なるほど」
ベルニク領邦は、新生派オビタル帝国においてもはや辺境ではない。
領邦の地政学的価値は著しく向上しており、移民流入による人口増と合わせ、長らく停滞していた経済の躍動を予感させる。
トール自身への評価も一変していた。
伯爵に叙され、女帝ウルドからの信任が厚いことも周知の事実である。
また、廷臣として政権中枢に在る訳ではないが、ウルドに是が非でもと請われ、帝国史において稀にしか設置されぬ官位を拝命していた。
その官位は、令外官――つまりは法制度上に無い臨時の役職であり事が起きない限りは領邦統治に専念できる。
無論、事が起きれば、大変な重責を担う羽目にはなるのだが――。
ともあれ、トール・ベルニクは、妙齢の娘を持つ良家にしてみれば、恰好の獲物としての条件が揃っていたのである。
「僭越ながら、閣下――。領邦領主が妻を娶り、側室を置き、数多の子を成すのは義務で御座いましょう」
領邦領主は完全なる世襲制度である。
子を多く為す事で、ロスチスラフのような簒奪者の出現を防ぐ。オリヴァーがいらぬ野心を育てた一因には、先代エルヴィンの子息がトールのみであった点もあろう。
他方、領邦を統べる帝国は世襲の愚を犯さず、選帝侯による選挙制度を採用しているが、女帝の権力が弱体化するという欠点があった。
人が人を治めるとは、かくも厄介な話なのである。
「いやぁ、でも、ボクは――」
「閣下ッ」
「は、はひっ」
カサンドラの厳しい声音に思わずトールは居住まいを正した。
「今日しかない。今宵しかない――そういう思いで参りました」
「え?」
「明日には、悪徳りょう――いえ、口が過ぎましたわ――オソロセア領邦へ発たれると聞き及んでおります」
ようやく屋敷に戻ったトールであるが、彼女の言う通りの予定なのである。
オソロセアにて、ロスチスラフと共に、グノーシス船団国からの客人と密議があった。
とはいえ、表の用向きは、オソロセアの至宝――は父の自称であるが、彼女達を交えた親善行事となっている。
ドミトリと約した、三人娘との食事会であった。
「ロスチスラフ侯の娘様方は銀冠を戴いておりません。その上に、侯自身の出自も怪しい成り上がり者でございます。不忠不孝の悪徳領主であると、もっぱらの噂ですわ」
話すうちに興が乗って来たらしく、カサンドラは言いたい放題となった。
「そのような外道の娘に、閣下が奪われてはベルニクの一大事と思い――」
「カサンドラさん」
ぼんやりと聞き流していたトールであるが、ひとつの照射映像に気付き、口調を改めた。
「彼女をご存じなのですか?」
「――え、あら――ご興味が?」
カサンドラは喜色を浮かべたが、一方マリの瞳は、ひたりと細くなる。
「そうですね――」
彼女との接点も気になったが、縁談話となった経緯に興味が湧いた。
「――知っている人なんです」
クリスティーナ・ノルドマン。
プロヴァンス女子修道院のクリスにして、禁衛府長官フィリップの娘が写っている。
親娘で旧帝都に暮らすはずであるが、トールとの縁談話が出て来たという事は、エヴァンと決裂しているのだろう。
エゼキエル宇宙港では、エヴァンの指示に従っておらず、それが原因で追放された可能性もある。
「どこに居るんですか?」
「少々お待ち下さいましね――ノルドマン家は――あら――」
照射モニタで調べ始めたカサンドラだが、途中で深刻な表情を浮かべる。
「――まあ、何て事――女神よ――」
悲痛な声を上げ、何処かより取り出したチーフで目元を拭いた。
「廷臣を辞し、ウォルデン領邦にある別荘で暮らしておられたのです」
爵位はあれど、領地を持たぬ宮廷貴族である。
帝都を出た後は、仮の住まいで今後の方策を検討していたのだろう。
「私と夫がウォルデン領邦を訪れた際、ちょうどノルドマン家の方々は、ベルニクへと旅立たれるところでしたの。そこで縁談話も出まして――」
「太陽系に来るつもりだったんですか?」
「ベルニク殿を頼る、と。今にして思えば、私どもが同行すれば良かったのですわ」
ウォルデン領邦とは既に国交を断絶しており、外交官以外の往来は容易な事では無い。
「じゃあ、ここに居るんですね」
クリス――というより、父のフィリップ・ノルドマンには会っておきたいとトールは思った。
旧帝都についてトールが知らぬ情報を握っているかもしれないし、娘の誘拐を指示した男として、挨拶ぐらいはしておいた方が良いだろう。
「いいえ、閣下」
カサンドラが力なく首を振った。
「皆様方の乗った旅客船が、蛮族に襲われたようですわ――」
恐らく密入国に等しい旅程となったのだろう。
警護が甘くなる為、グノーシス船団国からすると絶好の獲物となる。
「え、それじゃ――」
言いかけて、トールは途中で口をつぐんだ。
ノルドマン家は宇宙の藻屑となったか、グノーシス船団国にて奴隷となっているのだ。
「――女神に祈るほかありませんわね」
そう言って彼女は、ラムダの印を結んだ後、健気にも再び自らの務めに戻った。
「それはそれとしまして閣下、こちらのお嬢様など――」
カサンドラ・ビッテラウフは、なかなかに厄介な女なのである。
月面基地から屋敷に戻ったトールを、セバス以下使用人達が総出で迎えている。
その中には、女男爵メイドとなったマリの姿もあった。
新帝都フェリクスでの祝賀会までは同行していたが、トールだけはオリヴィア宮に長逗留となり、マリ達は先に屋敷へ戻っていたのだ。
「事実、久しぶりなので御座います。坊ちゃ――いえ、トール様」
「言われてみれば、そうですね。ふぅ、まずは秘密の地下――」
「坊ちゃま!」
「トール様!」
セバスとマリが同時に、トールの言葉を遮った。
異端審問のリスクは大幅に軽減しているが、あの部屋を知る人間は少ない方が良いだろう。
アレクサンデル教皇との関係性だけでは乗り切れない事態に陥る可能性を秘めているからだ。
「ささ、まずはお食事を――と申し上げたいところなのですが――」
セバスが申し訳なそうな表情で告げる。
「お客様がお待ちでございます」
「へえ?」
ロベニカから連絡が無かったので公務以外という事になる。
それでいて通さざるを得ない相手となると――、
――でも、ボクって友達がいないしなぁ。
などと、トールは些か寂しい事実を思い起こす。
現在、あえて友人めいた存在を挙げるなら、ロスチスラフという事になるのだろう。
多くの味方、そして敵を得たが、未だトールには友と呼ぶべき存在が居ない。
「誰ですか?」
トールの問いに、セバスは応えた。
「カサンドラ様でございます。マリに――あわわ――マリ殿に案内して頂きますので――」
誰だったかな、とトールは思ったが、尋ねる事もなくマリの後に続いた。
◇
私事で利用する応接室は少女を映し出す照射映像で埋め尽くされていた。何れも美しい良家の子女であり尚且つピュアオビタルである。
少なくともテルミナやイヴァンナのような女は居ない。
「昨今の閣下は引く手数多で御座いますから――オホホ」
我が事のように誇らし気に告げたのは、国務相リストフの妻カサンドラ・ビッテラウフである。
夫と共に他領邦を飛び回り、社交界にも明るく豊富な人脈を持っている。
トールが遊び歩いて政務を顧みなかった頃から縁談話を持って来ていたらしい。
領邦の為という側面もあろうが、元来が世話好きなのだろう。
「へえ、そうなんですか――あ、ありがとう、マリ」
興味を示さぬトールと、上機嫌なカサンドラの前に、マリが茶を置いてゆく。
マリは軽く頭を下げた後に壁際へと控え、エロスレーダーを張り巡らせた。
ゆえに、いかなる情動の揺れも見逃さない。
「ええ、もう、あらゆる御方から、結構なお話しが舞い込んでおりますの」
「――なるほど」
ベルニク領邦は、新生派オビタル帝国においてもはや辺境ではない。
領邦の地政学的価値は著しく向上しており、移民流入による人口増と合わせ、長らく停滞していた経済の躍動を予感させる。
トール自身への評価も一変していた。
伯爵に叙され、女帝ウルドからの信任が厚いことも周知の事実である。
また、廷臣として政権中枢に在る訳ではないが、ウルドに是が非でもと請われ、帝国史において稀にしか設置されぬ官位を拝命していた。
その官位は、令外官――つまりは法制度上に無い臨時の役職であり事が起きない限りは領邦統治に専念できる。
無論、事が起きれば、大変な重責を担う羽目にはなるのだが――。
ともあれ、トール・ベルニクは、妙齢の娘を持つ良家にしてみれば、恰好の獲物としての条件が揃っていたのである。
「僭越ながら、閣下――。領邦領主が妻を娶り、側室を置き、数多の子を成すのは義務で御座いましょう」
領邦領主は完全なる世襲制度である。
子を多く為す事で、ロスチスラフのような簒奪者の出現を防ぐ。オリヴァーがいらぬ野心を育てた一因には、先代エルヴィンの子息がトールのみであった点もあろう。
他方、領邦を統べる帝国は世襲の愚を犯さず、選帝侯による選挙制度を採用しているが、女帝の権力が弱体化するという欠点があった。
人が人を治めるとは、かくも厄介な話なのである。
「いやぁ、でも、ボクは――」
「閣下ッ」
「は、はひっ」
カサンドラの厳しい声音に思わずトールは居住まいを正した。
「今日しかない。今宵しかない――そういう思いで参りました」
「え?」
「明日には、悪徳りょう――いえ、口が過ぎましたわ――オソロセア領邦へ発たれると聞き及んでおります」
ようやく屋敷に戻ったトールであるが、彼女の言う通りの予定なのである。
オソロセアにて、ロスチスラフと共に、グノーシス船団国からの客人と密議があった。
とはいえ、表の用向きは、オソロセアの至宝――は父の自称であるが、彼女達を交えた親善行事となっている。
ドミトリと約した、三人娘との食事会であった。
「ロスチスラフ侯の娘様方は銀冠を戴いておりません。その上に、侯自身の出自も怪しい成り上がり者でございます。不忠不孝の悪徳領主であると、もっぱらの噂ですわ」
話すうちに興が乗って来たらしく、カサンドラは言いたい放題となった。
「そのような外道の娘に、閣下が奪われてはベルニクの一大事と思い――」
「カサンドラさん」
ぼんやりと聞き流していたトールであるが、ひとつの照射映像に気付き、口調を改めた。
「彼女をご存じなのですか?」
「――え、あら――ご興味が?」
カサンドラは喜色を浮かべたが、一方マリの瞳は、ひたりと細くなる。
「そうですね――」
彼女との接点も気になったが、縁談話となった経緯に興味が湧いた。
「――知っている人なんです」
クリスティーナ・ノルドマン。
プロヴァンス女子修道院のクリスにして、禁衛府長官フィリップの娘が写っている。
親娘で旧帝都に暮らすはずであるが、トールとの縁談話が出て来たという事は、エヴァンと決裂しているのだろう。
エゼキエル宇宙港では、エヴァンの指示に従っておらず、それが原因で追放された可能性もある。
「どこに居るんですか?」
「少々お待ち下さいましね――ノルドマン家は――あら――」
照射モニタで調べ始めたカサンドラだが、途中で深刻な表情を浮かべる。
「――まあ、何て事――女神よ――」
悲痛な声を上げ、何処かより取り出したチーフで目元を拭いた。
「廷臣を辞し、ウォルデン領邦にある別荘で暮らしておられたのです」
爵位はあれど、領地を持たぬ宮廷貴族である。
帝都を出た後は、仮の住まいで今後の方策を検討していたのだろう。
「私と夫がウォルデン領邦を訪れた際、ちょうどノルドマン家の方々は、ベルニクへと旅立たれるところでしたの。そこで縁談話も出まして――」
「太陽系に来るつもりだったんですか?」
「ベルニク殿を頼る、と。今にして思えば、私どもが同行すれば良かったのですわ」
ウォルデン領邦とは既に国交を断絶しており、外交官以外の往来は容易な事では無い。
「じゃあ、ここに居るんですね」
クリス――というより、父のフィリップ・ノルドマンには会っておきたいとトールは思った。
旧帝都についてトールが知らぬ情報を握っているかもしれないし、娘の誘拐を指示した男として、挨拶ぐらいはしておいた方が良いだろう。
「いいえ、閣下」
カサンドラが力なく首を振った。
「皆様方の乗った旅客船が、蛮族に襲われたようですわ――」
恐らく密入国に等しい旅程となったのだろう。
警護が甘くなる為、グノーシス船団国からすると絶好の獲物となる。
「え、それじゃ――」
言いかけて、トールは途中で口をつぐんだ。
ノルドマン家は宇宙の藻屑となったか、グノーシス船団国にて奴隷となっているのだ。
「――女神に祈るほかありませんわね」
そう言って彼女は、ラムダの印を結んだ後、健気にも再び自らの務めに戻った。
「それはそれとしまして閣下、こちらのお嬢様など――」
カサンドラ・ビッテラウフは、なかなかに厄介な女なのである。
1
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
ロボ娘(機ぐるみ)にされたおんなのこ!
ジャン・幸田
SF
夏休みを境に女の子は変わるというけど・・・
二学期の朝、登校したら同級生がロボットになっていた?
学園のザコキャラであった僕、鈴木翔太はクラスメイトの金城恵理がロボット姿であるのに気付いた!
彼女は、国家的プロジェクトのプロトタイプに選ばれたという、でもそれは波乱の学園生活の始まりだった!
それにしても、なんですか、そのプロジェクトって!! 大人はいつも説明責任を果たさないんだから!
*作者の妄想を元に作ったので大目に見てくださいませ。
INNER NAUTS(インナーノーツ) 〜精神と異界の航海者〜
SunYoh
SF
ーー22世紀半ばーー
魂の源とされる精神世界「インナースペース」……その次元から無尽蔵のエネルギーを得ることを可能にした代償に、さまざまな災害や心身への未知の脅威が発生していた。
「インナーノーツ」は、時空を超越する船<アマテラス>を駆り、脅威の解消に「インナースペース」へ挑む。
<第一章 「誘い」>
粗筋
余剰次元活動艇<アマテラス>の最終試験となった有人起動試験は、原因不明のトラブルに見舞われ、中断を余儀なくされたが、同じ頃、「インナーノーツ」が所属する研究機関で保護していた少女「亜夢」にもまた異変が起こっていた……5年もの間、眠り続けていた彼女の深層無意識の中で何かが目覚めようとしている。
「インナースペース」のエネルギーを解放する特異な能力を秘めた亜夢の目覚めは、即ち、「インナースペース」のみならず、物質世界である「現象界(この世)」にも甚大な被害をもたらす可能性がある。
ーー亜夢が目覚める前に、この脅威を解消するーー
「インナーノーツ」は、この使命を胸に<アマテラス>を駆り、未知なる世界「インナースペース」へと旅立つ!
そこで彼らを待ち受けていたものとは……
※この物語はフィクションです。実際の国や団体などとは関係ありません。
※SFジャンルですが殆ど空想科学です。
※セルフレイティングに関して、若干抵触する可能性がある表現が含まれます。
※「小説家になろう」、「ノベルアップ+」でも連載中
※スピリチュアル系の内容を含みますが、特定の宗教団体等とは一切関係無く、布教、勧誘等を目的とした作品ではありません。
博学英才の【太子】と、【日御子】の超常能力を受け継いだ【刀自古姫御子】
古代雅之
歴史・時代
3世紀に崩御した倭国女王・日御子(卑弥呼)の直系子女である【蘇我刀自古郎女】と不世出の博学英才の【厩戸王太子】の波乱万丈の恋を主軸に、飛鳥時代を生き生きと描いた作品である。
先ず、蘇我本宗家の人々は、王権を簒奪しようとして暗殺された蘇我入鹿(日本書紀)に代表される世紀の大悪人ではなく、新進気鋭の革新的改革者であった、との【説】に基づいての物語でもある。
また、随所に、正史とされる「日本書紀」の記述とは異なる見解になっている事もご理解願いたい。
【馬子】は【馬子にも衣装】の馬子ではなく、【騎馬一騎は歩兵十数人を蹴散らす】の馬であり、現代の【自家用垂直離着陸機】に匹敵する尊称だと云われている。
同様に、【厩戸】は江戸時代の【馬小屋】ではなく、飛鳥時代の【自家用垂直離着陸機格納庫】のイメージとお考えいただきたい。
それに、敢えて、この飛鳥時代を撰んだのは、あまりにも謎が多いからである。
最も顕著な謎は、643年の【斑鳩宮襲撃事件】であろう!
『日本書紀』によると、何故か、【斑鳩宮】に【故太子】の夫人達、子供達、その孫達(総計100人以上!?)が集結し、僅か百人余の兵に攻められ、一族全員が、荒唐無稽な自害に追い込まれた・・・とある。
仮に、一つの【説】として、「【法隆寺】に太子とその一族が祀られているのではないか!?」と云われるのなら、【山背大兄王】とは単なる【その一族の一人】に過ぎない小物なのだろうか?否!模した仏像の一体位はあって然るべきなのではないだろうか!?
いずれにせよ、【山背大兄王】のみならず、【蘇我入鹿】、【皇極大王】、【高向王】や【漢御子】までもが謎だらけなのである。
この作品の前半は【太子】と【刀自古妃】が中心となり、後半は【刀自古妃(尊光上人)】と孫の【大海人王子】が中心となり、【天武天皇即位】までが描かれている。
底辺ダンチューバーさん、お嬢様系アイドル配信者を助けたら大バズりしてしまう ~人類未踏の最難関ダンジョンも楽々攻略しちゃいます〜
サイダーボウイ
ファンタジー
日常にダンジョンが溶け込んで15年。
冥層を目指すガチ勢は消え去り、浅層階を周回しながらスパチャで小銭を稼ぐダンチューバーがトレンドとなった現在。
ひとりの新人配信者が注目されつつあった。
Apricot's Brethren
七種 智弥
SF
~あらすじ~
目覚めた時、少年は自分がどこにいるのかわからなかった。周囲は見知らぬ風景で、何の手掛かりもない。記憶喪失に陥り、自分の正体や過去のことを思い出すことができないのだ。
少年は不安と焦りを感じながらも、周囲を探索し始める。いつの間にか迷い込んだ家屋の中で、何か手掛かりを見つけることを期待しながら。
しかし、その最中に家主に発見されてしまう。驚きとパニックに襲われる中、少年は説明しようとするものの、家主は警戒心を抱いている様子だった。
男との腹を割った会話の末、少年は家主に自分の状況を説明する。記憶喪失であり、自分の正体を探しているのだと。家主は悶着の末、少年と行動を共にすることとなる。
そして少年の正体を追求するための冒険へ。彼らは様々な場所を訪れ、人々と出会いながら少年の謎を解き明かしていく。
果たして、少年Xの正体とは何なのか。彼の過去や記憶はどこにあるのか。そして、この見知らぬ世界に迷い込んだ理由とは何なのか。
少年と男の物語は、彼らの運命を変える大きな真実へと続いていく……。
魔法刑事たちの事件簿
アンジェロ岩井
SF
魔法が空想のものではなく、現実にあるものだと認められ、浸透していった2329年。日本共和国の首都ビッグ・トーキョー
郊外にある白籠市は地元を支配するヤクザ・刈谷阿里耶(かりたにありや)に支配され、町の人々は苦しめられていた。彼はタバコや酒等を自由自在に売り捌き、賄賂や脅迫で地元の警察官すら意のままに操っていた。
また、彼は逆らう人間には自身か部下の強力な魔法で次々と街から人を消していく。
そんな中ビッグ・トーキョーの連邦捜査局から一人の女性が派遣された。
彼女の名前は折原絵里子。警察庁の連邦捜査官であり、彼女は刈谷に負けないくらいの強力な魔法を有していたが、何せ暑苦しい正義感のために派遣された地元の警察官からは、疎まれていた。
そんな時に彼女は一人の若い警官と出会った。彼女は若い警官との出会いをキッカケに刈谷の逮捕へと走っていく。
そして、魔法による凶悪事件を防ぐために、日夜白籠市のアンタッチャブルは奔走して行く……。
お気に入り登録と感想を書いていただければ、作者はとても幸せな気分になります!
もし、この作品を楽しんでいただけたのならば、どちらを。或いは両方をしていただければ、作者はとても幸せな気分になります!
銀河戦国記ノヴァルナ 第2章:運命の星、掴む者
潮崎 晶
SF
ヤヴァルト銀河皇国オ・ワーリ宙域星大名、ナグヤ=ウォーダ家の当主となったノヴァルナ・ダン=ウォーダは、争い続けるウォーダ家の内情に終止符を打つべく宙域統一を目指す。そしてその先に待つものは―――戦国スペースオペラ『銀河戦国記ノヴァルナシリーズ』第2章です。
勇者がパーティーを追放されたので、冒険者の街で「助っ人冒険者」を始めたら……勇者だった頃よりも大忙しなのですが!?
シトラス=ライス
ファンタジー
漆黒の勇者ノワールは、突然やってきた国の皇子ブランシュに力の証である聖剣を奪われ、追放を宣言される。
かなり不真面目なメンバーたちも、真面目なノワールが気に入らず、彼の追放に加担していたらしい。
結果ノワールは勇者にも関わらずパーティーを追い出されてしまう。
途方に暮れてたノワールは、放浪の最中にたまたまヨトンヘイム冒険者ギルドの受付嬢の「リゼ」を救出する。
すると彼女から……「とっても強いそこのあなた! 助っ人冒険者になりませんか!?」
特にやることも見つからなかったノワールは、名前を「ノルン」と変え、その誘いを受け、公僕の戦士である「助っ人冒険者」となった。
さすがは元勇者というべきか。
助っ人にも関わらず主役級の大活躍をしたり、久々に食事やお酒を楽しんだり、新人の冒険者の面倒を見たりなどなど…………あれ? 勇者だったころよりも、充実してないか?
一方その頃、勇者になりかわったブランシュは能力の代償と、その強大な力に振り回されているのだった……
*本作は以前連載をしておりました「勇者がパーティーをクビになったので、山に囲まれた田舎でスローライフを始めたら(かつて助けた村娘と共に)、最初は地元民となんやかんやとあったけど……今は、勇者だった頃よりもはるかに幸せなのですが?」のリブート作品になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる