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第十四話 ローパーに孕まされたい

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 ローパーが植物タイプの魔物とされているのには、実を言うと根拠がない。
 その多くが森林などの自然豊かな陸上に生息していること、殆どの植物タイプが苦手とする炎属性の魔法に弱いことなどから、自ずと植物タイプに分類されたに過ぎないのだ。
 しかしローパーが産卵を行うと判明した以上はその分類を見直す必要があるわけだが、数少ない魔物の研究者であるルドヴィカはそれどころではなかった。


 びゅるるるるっ♡♡♡ どぴゅっ、どぴゅっ♡

「んぎぃぃぃぃぃっ♡♡♡ もうらめらってばぁっ♡♡♡ もうしきゅうパンパンなのぉっ♡♡♡ もうたまごうまないれぇぇぇっ♡♡♡」


 ルドヴィカがローパーを屋敷へと持ち帰ってきて、最初の産卵をされてから3日が経とうとしていた。
 ローパーは3日3晩ルドヴィカを犯し続け、1日ごとに大量の卵をルドヴィカの子宮内へと産み付けていくので、ルドヴィカは休む暇もなくイキ狂い続けることとなった。
 毎日のように卵を産み付けられたルドヴィカの腹ははちきれんばかりに膨れ上がり、妊婦さながらの有様である。
 しかし催淫効果に加えて水分と栄養の補給も兼ねているローパーの分泌液は、その腹の重さすらも快楽に変換する。


「あ゛はぁっ♡ たまごいっぱい♡ はやくうまれてこないかな…♡」


 ルドヴィカは恍惚とした目で膨らんだ腹を摩り、子宮の中にたっぷりと産み付けられた卵の感触を堪能する。
 産み付けられた卵はやがて子宮内で孵化してローパーの幼体となり、その幼体をルドヴィカが産み落とすのだろう。
 謂わばルドヴィカの子宮はローパーの卵を孵化させるための孵化器のようなものであり、兼ねてからの希望通りに苗床にされたというわけである。


(催淫効果のある神経毒を持つのも、苗床にされた獲物が逃げたり死んだりしないようにするためなのかな…♡ やだ、知れば知るほどエロ漫画の生物って感じ♡ わたしの好みドンピシャ♡)


 地雷原だらけのルドヴィカの性癖の最も深いところを見事に刺され、ルドヴィカの瞳に特大級のハートマークが浮かび上がってくる。
 ルドヴィカの理想の異種姦とは、思考能力があるかどうかすら不明確な異形の生物に、繁殖のための道具として徹底的に弄ばれることなのである。
 要するに、単なる孕み袋としてモノのように扱われたいのだ。


 じゅぷぷぷぷぷっ♡♡♡

「んぎゅうっ♡♡♡ おまんこミチミチになってるっ♡♡♡ しきゅうにフタされてるっ♡♡♡」


 度重なる蹂躙によってぽっかりと空いてしまった膣口と子宮口を塞ぐため、特段に太い触手がルドヴィカへと挿入される。
 膣内の肉ひだが触手を舐めしゃぶるかのように勝手に蠢めき、優に数百回目かの絶頂がルドヴィカの全身を襲った。


「ん゛ぁぁぁーーーっ♡♡♡♡♡ イグイグイグゥーーーーーッ♡♡♡♡♡」


 獣じみた絶叫が地下室内にこだまする。
 絶頂と共に膣がぎゅぅぅぅっ♡と激しく収縮し、その締め付けによってより触手の感触が膣壁全体に伝わって、その快感が新たな絶頂を生み出す。
 強すぎる快感が長く続きすぎているせいか、みっともなく膨らんだルドヴィカの鼻の穴から、つぅーっと鼻血が垂れてきた。


「ア゛ァァァーーーッ♡♡♡♡♡ オ゛ォーーーーーッ♡♡♡♡♡」


 完全に理性を手放したルドヴィカは、本能と快楽のままに喘ぎ続け、絶頂し続けるのだった。



 * * *



 そして日が経ち、ローパーのはじめての産卵から1か月が経った。
 この1か月、延々とローパーに犯され続けていたルドヴィカであったが、この頃になってくるとある違和感と直面せざるを得なかった。


「…毎日卵産んでるけど、これいつ孵化するの?」


 パンパンに膨れ上がった腹を摩りながら、ルドヴィカが物言わぬローパーに向かって問いを投げかける。
 というのも、あれほど大量に産み付けられた卵が、1か月たってなお一向に孵化しないのである。
 魔物の卵が孵化するまでの期間の凡そなど見当もつかないものの、1か月も経てば孵化の兆候が見えてきてもおかしくなさそうなものだが、来る日も来る日も何の変化も見られない。
 それどころか時折ローパーが古い卵を子宮から掻き出すことさえあるので(それはそれで得も言われぬ快感を感じるのだが)、今子宮に収まっている卵も孵化するかどうかは怪しいところであった。


「いや、産卵プレイも気持ちいいから満足は満足なんだけど、出産っていうゴールが見えないのはちょっと…。さすがにいつまでもこうしてるわけにもいかないし…」


 窓のない地下室でローパーに犯され続けているうちに時間の感覚などとうに無くなってしまったが、スレミーとモードに留守を任せっぱなしなことを考えると、いい加減に通常の生活に戻らなければならない。
 いくら苗床にされた身とはいえ、その気になればローパーの動きを封じることはおろか、消滅させることすら可能な程度には魔力にも余裕がある。
 さてどうしたものかとルドヴィカが思案していると、固く閉ざされた地下室の扉が開く音がふと聞こえてきた。


【ご主人様、様子を見にきたでし~! お元気にしてるでしか?】


 地下室にやってきたのは、留守を任せたきり1か月ものあいだ会っていなかった使い魔のスレミーだった。
 懐かしい顔(といっても顔など無いのだが)を前にして、ルドヴィカの気分も少しだけ明るくなる。


「久しぶりね、スレミー。ちょうどよかった、わたしがここに閉じこもってから何日ぐらい経ってる?」
【そんなに経ってないでしよ! 確か1か月くらいだったと思うでし!】
「1か月ぅ!? どこがそんなになのよ! もーっ、これだから寿命ウン百年単位の人外どもは…」
【…ってあれ、ご主人様のお腹がパンパンでし! まさか本当にローパーの幼体を孕んじゃったでし!?】
「あー…孕んだっていうのはちょっと違うかも。わたしが受精したわけじゃないから…」


 ふと自分の口をついて出た“受精”という単語に、ルドヴィカはハッとした。
 ルドヴィカが過去に調べたところによれば、魚類や両生類などの体外受精で繁殖する生物は、雌が産卵した卵に雄が射精をする“放卵”と“放精”によって受精が行われる。
 ローパーの場合、ルドヴィカの子宮内に卵を産み付けた行為が十中八九“放卵”にあたるが、“放精”にあたる行為は一切行われていない。


「ひょっとして…卵がいつまで経っても孵化しないのって、精子ぶっかけられてないからってこと!?」
【ブッカケ?】
「卵を産んだってことはこのローパーは雌の個体で、番の雄ローパーがいるはず! そいつに中出しされれば受精完了して出産プレイにありつけるってことよね!?♡ さっそく魔性の森に探しにい…」


 そこまで言ったところで、ルドヴィカはふと思い出した。
 ルドヴィカが過去に魔性の森で出会ったローパーを1体、「触手が喋るんじゃねえ」という理由で木っ端微塵にしてしまったことを。


「…いやいや、さすがにそれは偶然が過ぎるわよ。ローパーなんて珍しくもなんともないんだから、さすがにあの森に2匹だけってこともないでしょ」
【魔性の森に行くでしか? あそこにはもう目ぼしい魔物の気配はしなかったでしよ? せいぜい化けキノコとか、はぐれゴブリンが数匹いる程度でしたでし】
「……またそういうパターンかーーーーーいっ!!!」


 はまってほしくないピースがぴったりとはまってしまい、ルドヴィカはその場に膝をついて項垂れた。
 案の定、頼みの雄ローパーは他ならぬルドヴィカの手によって既に亡きものとなっており、この雌ローパーは謂わば未亡人だったのである。
 完全に自業自得ではあるものの、待望の出産プレイがお預けとなってしまった事実に、ルドヴィカは悔し涙を流しながら憤った。
 その一方、雌であることが判明したローパーは、ただゆらゆらと蠢いていた。


「なんでよ!? なんで毎回わたしばっかり、肝心なところでお預け喰らうのよ!? いったいわたしが何したっていうのよ、びえぇ~~~ん!」
【わわわっ、目からいっぱい魔力が零れてるでし! これが噂のナミダってやつでしね!】
「ぴぎぃーーーっ! こうなれば絶対に、どっかで雄のローパーをとっ捕まえて、産卵からの受精アクメ決め込んで、とどめの出産でフィニッシュしてやるんだからーーーっ!」


 こうしてルドヴィカは1か月に亘るローパーの生殖方法の調査、という名目の触手姦及び産卵プレイを切り上げ、次なる異種姦を求めて各地を回る日々へと戻った。
 ちなみにローパーは引き続き地下室にて、雄のローパーが見つかるその日までルドヴィカが責任をもって飼育することとなり、ローパーで尚且つ雌ということで“パー子”という安直な名前が付けられたのだった。



 * * *



「エレクトラ、お前に頼みたいことがあるんだ」


 王都に構えるアールノート家所有の魔導研究施設にて、最愛の父ヴェイグに声を掛けられたエレクトラは、花咲くような笑顔で父のもとへと駆け寄った。


「もちろん、お父様のお望みとあらば! 頼みとはどのようなことですの?」
「ラトゥス山を越えた西の国境沿いに、新たに地下遺跡が発掘されたことは既に聞いたね」
「はい、国境警備隊が偶然発見したものだと聞いていますわ。確か現地の魔導士が調査に入ると…」
「それなんだが、どうやら調査が難航しているようでね。何やら奇妙な魔導が施されていて、男の魔導士が調査に入ろうとすると弾き出されてしまうらしい」
「男の魔導士?」


 確かに随分と奇妙な魔法だ、とエレクトラは思った。
 単純に人の侵入を封じる魔法や、一定以上の魔力を持たない者のみを識別して弾く魔法などは存在するが、性別に応じて侵入を拒む魔法など見たことも聞いたこともない。


「やむなく女の魔導士のみで調査隊を編成したそうだが、遺跡に入ったきり1か月ものあいだ戻ってこないらしくてね。私のもとに救援の要請が来たというわけさ」
「なるほど…。それで、このわたくしめに調査を命じてくださる、ということですのね!」
「さすが私の助手、察しがよくて助かる。お前のように古代魔法の造詣に深く、如何なる危険にも対応できる優秀な魔導士など、そうそういるものではないからね」


 作り物のような微笑を携えながら甘い言葉を囁くヴェイグに、純真なエレクトラはまんまとのせられて歓喜に震える。
 複数の魔導士が調査に入ったまま戻らないということは、その遺跡は相応に危険だという証明に他ならない。
 しかしエレクトラはそんなことは二の次だとも言わんばかりの様子で、ヴェイグに向かって力強く頷いた。


「ご安心を、お父様! このエレクトラが遺跡の隅々まで調査して、お父様のもとへ良い知らせを持ってまいりますわ!」
「ありがとう、お前は本当に頼りになるよ。…ああそうだ、せっかくだからルドヴィカとモードを連れて行くといい」
「んなっ!? ル…ルドヴィカを!? それにあの古代竜まで!?」
「遺跡に入った魔導士が戻らないということは、中で魔物に襲われた可能性が少なからずある。ルドヴィカの研究に役立つかもしれないからね。それに、もしもあの遺跡が転生前のモードが生きていた時代のものであるならば、モードを連れて行くことで新たな発見があるかもしれない」


 エレクトラは嫉妬に狂いそうになりながらも、ヴェイグの進言を拒むわけにもいかず「…わかりましたわ」とたっぷりと間を置いてから頷いた。
 娘の従順さに気を良くしたのか、ヴェイグは紳士的な微笑を浮かべたままエレクトラの頭へと手を伸ばす。


「お前は本当にいい子だね、私の可愛いエレクトラ」
「あっ…♡ お、お父様! わたくし、もう子供ではありませんのよ!」
「おや、昔はあんなに私に頭を撫でてほしがっていたというのに。ならばどうされるのがお好みかな?」
「ど…どうされるのが…?」


 何度も夢想した大きな手に頭を撫でられるだけでも堪らないというのに、どうとでも捉えられる魅惑的な言葉を囁かれ、エレクトラの脳内にあらゆる妄想が駆け巡る。
 どうされるのがお好みかだなんてそんなの、今すぐにこの場で押し倒されて強引に脚を開かされ、ろくに慣らしもせずに挿入されて処女を奪われたいに決まってる。
 まさかそんな背徳的な本音を言えるはずもなく、エレクトラは疼く下肢を何とか抑え込みながら、真っ赤に頬を染めてヴェイグに頭を差し出した。


「…やっぱり…お父様に頭を撫でてほしいです……」
「ははは、結局お前はまだまだ子供だね。これが最後かもしれないんだ、思う存分甘えてもらって構わないよ」
「あっ…あぁっ…♡ お父様…♡」


 優しく頭を撫でるヴェイグの掌に酔いしれるあまり、娘が遺跡に入ったまま戻ってこないことを想定して尚調査に行かせようとしている父の思惑など、気付きもしないエレクトラなのであった。
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