宇宙人は恋をする!

山碕田鶴

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3章 未知とのセッショク

24.セッショク(9/9)

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 有意義だった。
 藤井君にとって、今日は人生で最も有意義な日だったそうだ。
 銀太郎に会って、話していたのはもっぱら藤井君だったけれど、今までの熱い思いを全て言葉にしてスッキリしたらしい。
 また会いたい。
 そう言って今日は別れた。
 すっかり日がれている。
 そういえば、出かける前にパパが言っていた。

「話し始めたらきっと止まらなくなるから、帰りはおそいと思っておくよ。相手のお家にごめいわくにならない時間には帰っておいでね」

 パパと藤井君はよく似ている。きっとパパも藤井君をとてもよく理解してくれるだろう。
 それなら銀太郎は?
 宇宙に興味がつきない藤井君を銀太郎はどう思ったのだろう。
 銀太郎がどんな宇宙人なのかは知らないけれど、宇宙人は平和的だって言っていたし、ずっと優しい目で見ていたし。
 これからも仲良くしてくれたら、私もうれしいな。

「銀太郎、今日はありがとう」
「アオイ様、フジークンのためにお礼言いましか?」
「え? うーん、それもあるけど。私も楽しかったから」
「フジークンといっしょで楽しかったでしか?」
「ええ? 楽しかったけど……」
「ワタシ、今日楽しかったでし。アオイ様といっしょに出かけました。アオイ様といっしょにUFOの話しました。アオイ様といっしょに今、帰っていまし」
「……。私も、銀太郎といっしょで楽しかった、よ?」
「なら、いいでし」

 んんん? 銀太郎、機嫌悪い?
 チラリと銀太郎を見ると、いつもどおりの優しい笑顔で帰り道の全てを楽しそうに見ていた。
 UFOから見るのと地上から見るのとでは、全然景色もちがうのだろうな。

「銀太郎……あの三角UFOに乗っていたんだよね?」
「それヒミツ。地球側の機密でしよ」
「ふうん。宇宙人っていっぱいいるの?」
「地球にいっぱい。だいたい会わないでしけど、地球人のフリの人いるでしよ」
「ところで、銀太郎って今いくつなの?」
「三十五歳」
「え? さんじゅー……ごおお⁉︎」
「ハイ。でも地球来ての年齢でしね。ワタシの存在、三百年。これまだピチピチ若いでし」

 うそっ。銀太郎、おじさんだったの⁉︎

「地球人といっしょにしないで下さいでし。地球計算なら二十歳くらいでしから。あれ? アオイ様? 動いてませんでしよ? アオイ様ーーーー?」

 地球に来て三十五年。
 つい最近、遠い星から来たのではなかったの?
 銀太郎って……何者⁉︎
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