宇宙人は恋をする!

山碕田鶴

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3章 未知とのセッショク

23.セッショク(8/9)

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「宇宙人ってそんなに信頼できるの? 宇宙人がそんなに強いなら、地球人を一瞬で消し去ることもできるんじゃないの? 」
「アオイ様、宇宙人は平和的デス。地球人よりよっぽど平和的デス」
「そうだよ。宇宙人は平和主義なんだよ。だから地球上の戦争を常に監視しているんだ」

 そうなの? どこ情報?
 ……やっぱり「月刊ウー」かな。

「でも、だったら戦争しているところに現れて、やめさせちゃえばいいんじゃないの?」
「川上さん、簡単に言うけどどうやって?」
「えー……と。UFOの大群が現れて、戦争やめないとお前たちを消すぞーみたいな?」
「クククッ。アオイ様、それ武力で解決」
「あ、そっか」

 銀太郎は思いきり笑っていた。
 うーん、確かにおバカな発言だったとは思うけれど、そこ笑い過ぎじゃない?
 ああ……ちがう。本気で地球人はバカだとあきれているのかもしれない。
 そう思ったら、また銀太郎が怖くなった。

「アオイ様、宇宙人は地球人に干渉しません。戦争は地球人どうしの問題。宇宙人には関係ない。でも、地球壊れるのはダメ。だから核兵器監視します。もし使うなら、その時は宇宙人攻撃アリデス」
「銀太郎さん、それ本当? だから原子力発電所の近くでUFOがよく目撃されるの?」
「宇宙人、平和利用に文句言わない。故障心配。そうらしいデスよ?」

 そうらしいって。宇宙人が自分で言っているのだから本当なのでしょう? 宇宙の常識なのかな。
 藤井君は、さらに宇宙人の種類の話を始めた。
 爬虫類はちゅうるい型のレプティリアンというのが地球人に負けて去って、今のトレンドはカマキリ型のマンティス・マンで……と、もう私にはついていけない世界だ。
 脱落して藤井君の部屋を見渡した。
 UFOモノだけではなく、天体図や科学的な宇宙解説の本もたくさんある。
 本当に宇宙が好きなんだ。

「藤井君は、宇宙飛行士とかにあこがれたりするの?」
「僕? ううん。僕は将来、防衛省に入って地球防衛隊関係の仕事がしたいんだ」
「防衛省⁉︎」
「そう。防衛省には、地球防衛隊を管轄かんかつする部署があって、直接宇宙人に会えるらしいって」
「え? でも防衛隊はどこの国にも属さないって……」
「支所っていうのかな? 地域別の連絡機関はあるらしいから。要は日本支部だね」
「そんなのが本当にあるの⁉︎」
「あくまでウワサですよ。これも都市伝説」
「えー、でも僕はあると思いますよ」

 藤井君はやる気満々だ。
 本当に?
 だって、防衛省って……。パパもウワサを信じて就職しちゃったの? それで忘年会担当なの?
 えー……。
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