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第二章
19、お祝いの品
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アリシアの妊娠を知ったマティスたちはすぐに贈り物を用意した。
それはユーザリアでも最上級のクッションだった。
ふわふわで肌触りもいい、クッションが多数送られてきてアリシアを含め、ラースまでもが首を傾げた。
一緒に同封されていた手紙を読んで全員が苦笑したのは言うまでもない。
『アリシア、妊娠おめでとう。妊娠初期は安静第一だと母上や義姉上に聞いたので、ユーザリアでも最上級のクッションを贈ることにした。なるべく体に負担がない方がいいらしい。これがあれば楽な姿勢も取りやすいと思ったのだ。まぁ、領内は今のところ平和だ。皆がアリシアの妊娠を喜んでいる。もちろん再生に向かい始めたばかりでまだ成果は出ていないが皆の笑顔が見えるようになってきた。今後も俺なりに頑張っていくつもりだ。アリシアは無理などせずにな。マティアス・ウィザルドより』
「マティアスお兄様ったら」
「マティアス様、慌てに慌てて用意いたしたようですね」
「お兄様は優しい方ですから」
「はい、それに芯がしっかりされています」
「はい。領民の方も喜んでくださっているようで嬉しいです」
「はい」
アリシアは嬉しそうに微笑んだ。
贈り物はマティスだけではなかった。
シリウスからも送られてきていた。
そこに入っていたのはこの時期でも使えるひざ掛けだった。
それも大きめのサイズで羽織って眠ることもできそうな感じだ。
『妊娠おめでとう、アリシア嬢。いや、もう竜王妃だったね。まぁ、それ以前に俺がそっちを離れる前に話した通り、はとこ同士なんだが。それで、マティスが贈り物をするのに俺がしないのは俺が許せなくてね。個人的に送らせてもらった。体は冷やさない方がいいらしいので初夏に差し掛かるこの時期でも使えるようなひざ掛けにした。大きめなものを用意したのでどんな活用法もできると思う。君とルドの子だ。可愛いだろう。まぁ、ルドには内緒だ。俺がそんなことを言っていたと知ればからかってきそうだ。体を大事にするように。シリウス・ユーザリアより』
「陛下ったら」
「完全にプライベートな手紙ですね」
「ふふ、でも、嬉しいです」
「ようございます」
アリシアはマティスとシリウスの手紙を大事そうにしまった。
手紙にあるようにシリウスは長引けば言い難くなると悟って、ドラグーンを去る前にアリシアに自身がアリシアのはとこでアリシアの祖母は先々代の王の妹だと話した。
アリシアは驚き、にわかに信じ難かったがなんとなく納得いった。
アリシアが生まれる前に祖父母も亡くなっていたがフォレンドは謎めいた祖母の出身を一度探ったことがある。
だが、何も分からなかったようだ。
王族が裏から手をまわして、それを隠しているのなら伯爵家ごときに知ることは難し過ぎるだろう。
祖母の肖像画はどことなくシリウスに似ている気がしたのだ。
だから、アリシアはその話を信じた。
自身が王族の血をひくと言う事より、祖母とシリウスの似ている感じをだ。
「陛下は負けず嫌いなんでしょうか?」
「どうでしょう。ですが、シア様にお話ししたことで隠す気は全くなくなったのかと」
「今後はマティアス様とシリウス陛下の贈り物合戦が始まるんでしょうか?」
「さすがにルークさ、宰相がお止になると思いますよ?」
「ですわね」
アリシアたちはそんなことを笑い話として話していたが実はこれが当たっていて、二人の贈り物合戦はルークやマティスの補佐がとめるまで続いた。
そんなことをルークから聞いたアリシアは困り顔になった。
「まさか、本当になるとは」
「口に出したことは真になるというものでしょうか?」
「ですね」
アリシアたちは苦笑しかできなかった。
それはユーザリアでも最上級のクッションだった。
ふわふわで肌触りもいい、クッションが多数送られてきてアリシアを含め、ラースまでもが首を傾げた。
一緒に同封されていた手紙を読んで全員が苦笑したのは言うまでもない。
『アリシア、妊娠おめでとう。妊娠初期は安静第一だと母上や義姉上に聞いたので、ユーザリアでも最上級のクッションを贈ることにした。なるべく体に負担がない方がいいらしい。これがあれば楽な姿勢も取りやすいと思ったのだ。まぁ、領内は今のところ平和だ。皆がアリシアの妊娠を喜んでいる。もちろん再生に向かい始めたばかりでまだ成果は出ていないが皆の笑顔が見えるようになってきた。今後も俺なりに頑張っていくつもりだ。アリシアは無理などせずにな。マティアス・ウィザルドより』
「マティアスお兄様ったら」
「マティアス様、慌てに慌てて用意いたしたようですね」
「お兄様は優しい方ですから」
「はい、それに芯がしっかりされています」
「はい。領民の方も喜んでくださっているようで嬉しいです」
「はい」
アリシアは嬉しそうに微笑んだ。
贈り物はマティスだけではなかった。
シリウスからも送られてきていた。
そこに入っていたのはこの時期でも使えるひざ掛けだった。
それも大きめのサイズで羽織って眠ることもできそうな感じだ。
『妊娠おめでとう、アリシア嬢。いや、もう竜王妃だったね。まぁ、それ以前に俺がそっちを離れる前に話した通り、はとこ同士なんだが。それで、マティスが贈り物をするのに俺がしないのは俺が許せなくてね。個人的に送らせてもらった。体は冷やさない方がいいらしいので初夏に差し掛かるこの時期でも使えるようなひざ掛けにした。大きめなものを用意したのでどんな活用法もできると思う。君とルドの子だ。可愛いだろう。まぁ、ルドには内緒だ。俺がそんなことを言っていたと知ればからかってきそうだ。体を大事にするように。シリウス・ユーザリアより』
「陛下ったら」
「完全にプライベートな手紙ですね」
「ふふ、でも、嬉しいです」
「ようございます」
アリシアはマティスとシリウスの手紙を大事そうにしまった。
手紙にあるようにシリウスは長引けば言い難くなると悟って、ドラグーンを去る前にアリシアに自身がアリシアのはとこでアリシアの祖母は先々代の王の妹だと話した。
アリシアは驚き、にわかに信じ難かったがなんとなく納得いった。
アリシアが生まれる前に祖父母も亡くなっていたがフォレンドは謎めいた祖母の出身を一度探ったことがある。
だが、何も分からなかったようだ。
王族が裏から手をまわして、それを隠しているのなら伯爵家ごときに知ることは難し過ぎるだろう。
祖母の肖像画はどことなくシリウスに似ている気がしたのだ。
だから、アリシアはその話を信じた。
自身が王族の血をひくと言う事より、祖母とシリウスの似ている感じをだ。
「陛下は負けず嫌いなんでしょうか?」
「どうでしょう。ですが、シア様にお話ししたことで隠す気は全くなくなったのかと」
「今後はマティアス様とシリウス陛下の贈り物合戦が始まるんでしょうか?」
「さすがにルークさ、宰相がお止になると思いますよ?」
「ですわね」
アリシアたちはそんなことを笑い話として話していたが実はこれが当たっていて、二人の贈り物合戦はルークやマティスの補佐がとめるまで続いた。
そんなことをルークから聞いたアリシアは困り顔になった。
「まさか、本当になるとは」
「口に出したことは真になるというものでしょうか?」
「ですね」
アリシアたちは苦笑しかできなかった。
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