竜王の花嫁

桜月雪兎

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第一章

20、誘拐

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 カイはアリシアを隠すように毛布を掛けて抱えた。それは大事なもののように。
「じゃあ、僕は行くね」
「ええ」
「姉さんは気付かれないように注意して」
「わかっているわ」
 リンはカイを見送り、雑貨屋の方に戻った。その時の二人は気づかなかった。アリシアが持っていたものが落ちていることに。

 ***

 リンは誰にも入るところを見られないように注意を払い、そしていくつかの品物を物色するふりをしてあたりを見渡した。物色しているエレナにもルドワードたちにもアリシアがいないことに気づいていないのを確認してエレナの方に向かった。
「ねぇ、アリシア様はどこ?」
「え?あなたの方に向かったよね?」
「ええ、それからまた他の物を見ていたのだけど」
 エレナはリンの話を聞いて顔を青くした。そして周りを見渡すもアリシアらしき人物の姿は見当たらない。
 リンとエレナはあわててルドワードたちの方に向かった。血相を変えて向かってくるエレナやリンを見てルドワードたちは驚いた。
「ルドワード様!!」
「エレナ、リン。どうかしたのか?」
「ア、アリシア様が!アリシア様が!!」
「落ち着け、シアがどうした?一緒にいたんじゃないのか?」
「それが目を離した間にお姿が見当たらないのです!」
「何?!」
 ルドワードたちもあたりを見渡したがアリシアらしき姿は見当たらなかった。全員が困惑していた。現状を確認すように全員で話をした。
「扉の開閉の音はよく聞こえていた。まさか外に出たのか?」
「シア姉が何も言わずに?」
「何回か団体が出ていくことがあった。それに巻き込まれたとしたら」
「アリシア様は私と同じでここの地理がありません。もし外に出てしばらく団体から抜け出せなかったら道が……」
 エレナの言葉に全員が口をつぐんだ。エレナにとってはドラグーンでの初めての城外になるがアリシアにとっては街そのものが初めてだ。そんなアリシアが一回で雑貨屋の店の名前を憶えてはいないだろうというのが全員の考えだ。
「どう見ても店の中にはいなさそうだ」
「手分けして街中を探しましょう、その方が効率的です」
「そうだな、とりあえずリンとエレナを城に送ろう」
「で、ですが?!」
「わかってくれ、君たちにまで何かあってはシアに顔向けできない」
「……わかりました」
 エレナとリンはルドワードの申し入れを受け入れた。
 本当はエレナも一緒に探したかった。だが、地理もない自分では足手まといになるのがわかっていた。リンはエレナを抱きしめた。
 リンは罪悪感からエレナの慰めに徹した。リンなりの罪滅ぼしのつもりだ。アルシードはそんな二人を気遣いながら竜王城まで送った。それと同時にアリシア捜索の為に近衛隊員を出動させることにした。
 リンとエレナは残っていたマリアやリリア、ミナにアリシアのことを話した。
「そ、そんな!」
「ア、アリシア様!!」
「マリア!どこに行く気だ!!」
「アリシア様を探しに行くの!」
「それは許可できない」
「なんで!?」
「アリシア様の捜索には近衛隊員で行う。お前たちは城で待機だ」
「なんでよ!」
「落ち着け!今お前たちが探しに出て何かあったらアリシア様はどう思う。ここは男手にまかせろ、必ず見つける、兄ちゃんを信じろ、マリア」
「……うん、うん。お願い、必ずアリシア様を見つけて、お兄ちゃん」
「ああ」
 アルシードの言うとおりだ。全員すぐにでも探しに行きたい気持ちだが城下町とはいえ治安が悪いところはある。そんなところに女性だけでいけば大変な目になってしまう。五人は城内で待つことにした。
 泣き崩れるミナとマリアをリリアが励ますように抱きしめた。
 アルシードがジャックスたちに事情を話し、近衛隊員の出動を求めるために足を向けようとした時エレナを抱きしめていたリンが声を掛けた。
「アルシード様」
「どうした?」
「どうか、アリシア様を……」
「ああ、必ず見つける」
「お願いします…………アリシア様を助けて」
「(リン?)分かった」
 アルシードはリンが最後に呟くように、祈るように言った言葉が引っ掛かったが今は時間が惜しく言及せずにその場を離れた。
 リンは去っていくアルシードの背を見ながら祈った。
(お願いします、アルシード様)

 ***

 アルシードはジャックスとディスタのもとに向かい、現状を話した。
 二人ともすぐにでも探しに行きたい気持ちだが、ディスタは業務上、席を離せなかった。
「私は席を離せません、近衛隊員でアリシア様の捜索をお願いします」
「ああ、分かっている」
「アルシード、お前は非番の奴らに話をしろ」
「了解」
「俺はこのまま第一近衛隊を率いて捜索する。大事にしない為にも私服で行う」
 ジャックス率いる第一近衛隊は私服に着替えて捜索を開始した。アルシードも宿舎内を回っている者たちに私服で可能な者たちで捜索するように話をした。
 すると話をした者たちから飛び出すように街に向かった。その様子を見て苦笑した。
「おいおい、どんだけアリシア様のこと好きなんだよ」
「当たり前ですよ、アリシア様はこの城の中で一番の人気者なんですから」
 全員がそう話しながら出ていく、出ていくものがさらにほかの部屋にまで声を掛けるのでアルシードの仕事は早々に終わった。
 アルシードも呆れつつも、人のことは言えないので苦笑した。アルシードもアリシアの事は気に入っている。自分の悪友であるスカルディアの義姉となったアリシアは本当に優しく、寂しがりな悪友を包んでもくれる。それを側で見ているからこそ幸せになってほしいのだ。
「さて、俺も捜索に加わるか」
 アルシードもそうこぼして城下町に向かった。

 ***

 アリシアが行方不明になったとリンがエレナたちに話す前のことだ。
 カイもリンもいなくなった場所にルイは来ていた。間に合って欲しいと願って急いだが間に合わなかった。辺りを見渡して誰もいないことを認識した。
「まだ来てない?でも、兄貴もいないってことは……間に合わなかった」
 ルイは愕然とした。その場に座り込んだ。
「くそ!花嫁様」
 ルイが悔しそうにしているとある袋が見えた。ルイはそれを手に取った。それはカイとリンが見落としたアリシアの持ち物だ。
 ルイが中身を見るとそこには小分けされており、その一つ一つに名前が貼ってあった。それはあとで全員に贈る為にだ。そこにある名前を見てルイは嬉しくなった。
 そこにはリリア、エレナ、ミナ、マリア、リンだけではなく、ルイやカイの名前まであった。何回目か会った時に名前を知らないのは不便だっという事で教えたのだ。
(なんだよ、くそ兄貴。兄貴だって花嫁様と会ってるんじゃないか、名前まで教えて)
 ルイは泣きそうになるのをグッと堪えて行動することにした。リンの事だからすぐにでもアリシアがいないことを言うだろう。そうなれば近衛隊が捜索に動くはずとルイは考えて数人分の早馬を用意することにした。
(竜王様やスカルディアならすぐにでも動くはずだ……あの近衛隊の隊長や副隊長は強いし)
 ルイは再度覚悟を決めた。ルドワードたちを案内すれば命令違反で処罰される。それでもルイは動く。アリシアを助けるために、リンとカイを守るために。
(俺はどうなってもいい、だから花嫁様を助ける。不器用なんだよ、兄貴も姉ちゃんも)
 ルイは今度は自分が姉弟を守る番だと思い行動する。

 ***

 アリシアを捜索し始めて二時間ほどが経った。
 街中を第一近衛隊やルドワードたちが捜索するもアリシアを見かけたという人物すら見つからないことに別の不安が全員に現れた。
 ルドワードたちは路地の裏手に集まった。ルドワードは近くにあった箱の上に座り、頭を抱えている。スカルディアも悔しそうな顔をしてうつむいている。
「シア、どこにいるんだ?」
「こんなに探して見つからないなんて」
「竜王様、スカルディア様」
「街は広いとは言え、こんなに見つからないなんて」
 ルドワードとスカルディアの戸惑いの言葉にジャックスは気遣うように声をかけた。アルシードも悔しそうにあたりを見渡しながら歯を噛みしめていた。
 全員に疑問があった。
「まず、シアを見かけた者がいないのがおかしい」
「ああ、シア姉はこの国では珍しい『人間』だ」
「亜人でも外見は人間と異なる。耳や肌の色や形状、位置。見間違うはずがないんだ」
「なのに、なぜ見つからない!」
「兄貴」
「竜王様」
 ルドワードは自らの足を殴った。
 ルドワードの苦悩する姿を見てスカルディアたちは何も言えなかった。
 ルドワードやスカルディアのような竜の亜人にはある程度の範囲から親しい者であれば察知することができるのだがそれがまったく機能していない。
 まるでこの街にアリシアがいないような感じにもとらえられる。
 しかし二人ともそれだけは考えきれなかった。アリシアがこのグランディアからどこかに行ってしまうとは誰も考えられないのだ。
 だがそれでは現状が説明できず、苦悩している。
「シア、いったいどこにいるんだ?」
「……兄貴、大丈夫だ」
「スカル」
「シア姉は兄貴を置いていくような人じゃない。いつだって兄貴の事を考えてる。俺はそばで見て聞いていたんだ、間違いない」
「ああ、そうだな」
 スカルディアはルドワードを励ました。
 スカルディア自身も自らの察知能力が信じられずにいる。だが、今までのアリシアを見ていてわかる。アリシアがルドワードのことを本当に想っているのが。
 ルドワードを知ろうといろいろ聞いて来たり、少し現状に文句を言えば擁護したり、気遣ったりする。そんな相手がルドワードを置いて行くわけがないのだ。
 ルドワードが持ち直したのを確認してアルシードが気合を入れ直した。
「とりあえず、もう一度探しましょう。南区の方はまだ見てないはすです」
「一度探した中央区や東区にも何人か捜索させましょう。もしかしたら戻ってくるかもしれません」
「そうだな、北区や西区は現在捜索中だったな」
「はい、人数の補給は大丈夫だと思います。あと、非番の者たちや手の空いている者たちが捜索に続々と合流していると連絡が入っています」
「そうか」
 ルドワードは周りの気遣いに感謝した。
 だが思った以上に捜索の人数が多くなってきている。ほぼ非番の近衛隊員が集まっているのだ。その現状にルドワードは首をかしげた。
「だが多くないか?」
「シア姉の人望だ。ここに来てからシア姉はいろんな人と話をしている」
「アリシア様は隔てなく様々な者に耳を傾けます。その優しさを惜しみ無く捧げます」
「あの方についていくと考える者は多くいます」
「シア姉は歓迎されてる。街のみんなも探すのを手伝ってくれてる」
「そうだな、みんなが探してるんだ」
「はい」
 スカルディアはアリシアの貴族とは思えない無邪気な様子を思い出して苦笑していた。本当に誰にも隔てがないのだ。だからついつい相手の方を探ってしまうこともスカルディアにはあった。
 今まで他人に興味もなく、何を言われても感じなかった。
 それがスカルディアの文句を言っている者がいれば普通に怒ってくれるアリシアの姿は嬉しかったし、そんな義姉が傷つかないように守りたいと思うようになった。
 ルドワードもあまり傍にいかなったがそれでも守りたい相手なのだ。だからこそ気持ちを切り替えて捜索を続けようとしたその時だ。
「必ず見つける。待っててくれ、シア」
「闇雲に街の中を探しても花嫁様は見つからないぜ」
「誰だ?!」
 捜索を再開させようとしていきなり知らない声が聞こえた。
 ジャックスはルドワードを、アルシードはスカルディアを守るように前に出て声の主を探した。
 その様子を見ていた声の主が再度話かけた。
 全員がそちらを向くとそこにいたのは覆面をした青年になりかけのような相手だった。
 それはルイだ。
「頭上から悪いな、もう一度言うが闇雲に街の中を探しても花嫁様は見つからないぜ」
「お前、アリシア様の居場所を知っているのか?!」
「さぁな」
「この!とぼける気か!!」
「どうだろうな?」
「貴様!!」
 すぐにでも迎えるように準備はしている。それでもルイはわざととぼけた。そうして本当にアリシアを助け出してくれるかを見極めたいと思ったのだ。どうしても自分では助けを呼ぶしかできないから。
 本来それさえもルイには危険な行動なのだ。それでも見極めたかった。
 助けてほしいのだ、守ってあげて欲しい、ルイ自身にはそれができないから。だからこそわかっていても見極めたいのだ。
 そうしていると唯一の手がかりとなる人物の出現にルドワードの様子が変わった。それをいち早く察したのはスカルディアだ。
 スカルディアは困惑していた、こんな風に怒り、力を暴走し始めているルドワードを今まで見たことがなかったからだ。なんだかんだと自分が悪さをしても苦笑して受けてめてくれた兄の怒りを初めて感じた。
「……お前がシアを、拐ったのか?」
「あ、兄貴?」
「今の口ぶり、居場所を知っているから言ったのだろう?」
「竜王様」
「言え!シアを、アリシアをどこにやった?!!」
「ぐふっ!」
「りゅ、竜王さ、ま」
「りゅ、竜王…様」
「兄貴」
 ルドワードの力の奔流にスカルディア以外の者が膝をついた。
 ルイに至っては捕まらないように屋根の上にいたのがルドワードの前にまで転げ落ちたのだ。ルドワードの力の暴走でその場の重力が重くなったからだ。
 ルドワードの怒りにスカルディアは呆然としていた。
「言え!アリシアはどこだ?!」
「っっっっ!」
「あ、兄貴。落ち着けよ」
「シアを」
「落ち着いてくれよ!兄貴!!」
「スカル」
 ルイを掴み上げ、問いただした。
 だがルドワードの力の重力によってルイはまともに意識を保つこともできないでいた。
 それを察し、唯一動けるスカルディアがあわててルドワードを止めに入った。アリシアをさらわれたことで自我を見失いかけているルドワードを揺さぶり、自分の方を向かせた。
 スカルディアの懇願に自我を取り戻した。
「力を押さえろよ、コイツもアルたちも倒れちまう」
「あ、ああ。悪い」
 ルドワードは周りを見て力の制御をした。そして再度箱の上に座った。
 それを見届けたスカルディアは呼吸が落ち着いてきたルイに話しかけた。
 その声は穏やかだった。それもそのはず、スカルディアには最初からルイに敵意も害意もないことがわかっていた。
 それになんとなく知っている気配でもあったからだ。
「お前、何か知っているんだろ」
「っっ!これが、竜王の力か」
「暴走気味のな、コントロールされた力はもっと強い」
「はは、アイツが悔しがるわけだ」
「アイツ?」
「……俺にこんなこと言える立場はないんだが」
 ルイのこぼした言葉を拾ったのはアルシードだった。
 しかし、安心したようなルイの姿に誰も何も言えなかった。
 そしてルイはルドワードやスカルディアの方を向いて、騎士が主君に忠誠をように膝をつき、懇願した。その姿に全員が驚いた。
「おい?」
「花嫁様を助けてあげてくれ!」
「シアを」
「助ける?」
 アルシードはその言葉が気になった。ジャックスたちを呼びに行く前、リンたちと別れる寸前にリンが小さくこぼした言葉だからだ。それにルイの姿はどこかリンに似ているような気がしたのだ。
「俺が花嫁様のいる場所まで案内する。だから花嫁様を助けてあげてくれ」
「どういう事だ?」
「早馬を用意している、話は道中に」
 ルドワードたちはルイの言葉を信じ、ついて行くと町のはずれの方にある林の中に早馬が人数分用意されていた。そしてルイの誘導に仕方がって馬を走らせた。

 ***

 早馬を走らせながらルイは今までのことを話した。自らの情報となることも、自身の感情も。
「俺たち姉弟はある人物に仕えている。嫌なんだがな」
「姉弟?嫌?」
「無理矢理な。そいつは反竜王勢だ。そのため俺たちは花嫁様を監視していた」
「感じていた視線はお前たちか!」
「ああ、だが俺たちは花嫁様が好きだ。あの隔てない優しさとか……はじめて人だったと感じた」
「…………」
「あんないい人が悲しむのを俺は見たくない!でも、俺の姉弟は何かを見たらしくて逆らえない……まぁ、逆らえないようになっているんだかな」
「お前」
 ルイは刻印のある右肩を抑えた。それを見たルドワードにはある一つのことを思い出した。
 昔、何人もの同胞がそこにある刻印をされていた。それは彼らを苦しめるものだった。
 ルイは意を決してルドワードに懇願した。
 ルドワードたちを案内することで不手際さえなければ自らの主人は捕まるだろう、姉弟たちも犯行の一端を担ったことで捕まるかもしれない。
 だが姉弟たちもしたくてしているわけではない。むしろアリシアを守りたかったのだ。今まで自分の代わりに苦しんできた姉弟たちをこれ以上ルイは悲しませたくなかった、苦しませたくなかった。だから姉弟の処罰は自分にして欲しかった、たとえ死ぬことになっても。
「俺はどうなってもいい!花嫁様を助けてあげてくれ!!それから俺の姉弟は咎めないでくれ!アイツらは俺を守るために嫌なことをいつも引き受けてくれた。これ以上苦しめたくないんだ!!」
「……分かった、考慮しよう」
「ありがとうございます、竜王様」
「それでアリシア様を誘拐してどうするつもりなんだ?」
 アルシードは疑問を尋ねた。
 現在この国にいる『人間』はアリシアたちだけだ。相手が竜王であるルドワードの花嫁になることは分かっているはずだ。
 ルイ自身も自らの主人が反竜王勢だと話した。その者達が身代金とは考えにくいし、それ以外でさらう理由があまり思いつかなかった。
 それはジャックスやルドワード、スカルディアも同じだった。
 アルシードの質問にルイは答えにくそうに話した。簡潔に知っていても何をされるかまではルイには本当にわからないからだ。
「……子供を産めない体にするらしい」
「何!?」
「俺にはどうするのかわからないが、アイツらが辛そうにしてた。だからろくなことはしない。もうすぐで居場所につく」
 ルイは姉弟たちの辛そうな顔を思い出して歯をかみしめた。
 それを見た面々もアリシアを思った。
「シア」
「シア姉」
「アリシア様」
「アリシア様」
「必ず助けてあげてくれ!」
「分かってる!」
「アリシア、すぐに助ける」
 全員が突入するために逸る気持ちを引き締めた。
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