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しおりを挟む「ルーカス様、隊の編成終わりました」
「うん、ありがとう。それじゃあ、さっそく向かってもらっていい?街や村の現状以外にも今までの環境が変わってしまっているから野生動物も魔獣も興奮していると思うんだ」
「そうですね。ですが、追い払う程度にしておきます。ここではまだコンラート侯爵領の土地しかちゃんとした生態系を持っていませんので」
「そうだね、お願い」
「はい。おい、聞こえたな!準備ができ次第向かってくれ」
「「「「「はい」」」」」
アルフォートが後ろの方に声をかけると編成された面々が返事をして準備をしに向かった。
「サリバン、帝都の指定は出来たからここに持ってきた屋敷を設置してもらっていい?それに眠い」
「そうですね。休める場所が必要ですね。すぐに行います」
「ルーカス様、屋敷の準備ができましたらお部屋に運びますので、それまではこちらに」
「うん…………お休み」
「「はい、お休みなさいませ」」
アルフォートがしゃがんで腕を広げると眠たそうに眼を擦りながらルーカスはアルフォートの腕の中で眠った。
これは良くある光景でルーカスはアルフォートかサリバンが側にいないとなかなか眠れない。
それは母親を亡くしたばかりの時に暗殺されそうになったからだ。
勿論、屋敷の中なら一人でも眠れる。
それは屋敷に強い結界が張られているからだ。
王城よりもかなり強固な結界なので、今まで不届き者を侵入させたことはない。
その結界は魔石で維持している。
結界そのものは術式ではあるが、『大賢者』と『大魔術師』のスキルを持つ者たちがコンラート侯爵家のために張ったのだ。
しかもこのスキルの所有者たちは国に仕えているわけではなく、コンラート侯爵家に仕えている。
「サリバン様、屋敷の設置完了しました」
「結界の再構築及び展開、維持処置も完了しました」
「はい、分かりました。それでは中の点検をして、最優先でルーカス様のお部屋を整えてください」
「「「「「はい」」」」」
使用人たちが全員で屋敷の点検をして、ルーカスの部屋を整えた。
それが終わるとアルフォートはルーカスを部屋に連れて行き、ベッドに入れた。
「お休みなさいませ、ルーカス様」
「しかし、お休みになるにしてもお早い気が」
「スキルが発動したことで魔力を消費したのではないか?魔力を使いすぎると回復のために眠くなるからな」
「ああ、そうですね」
「魔力消費をする系のスキルを使うと大体こんな感じになるからな」
「そうですね。私のスキルは魔力を消費しない系統なので忘れてました」
「俺もそうだが、俺の場合は部下にいるから気にかけているだけだ」
「なるほど」
アルフォートとサリバンはルーカスが起きないように小さめの声で話していた。
ルーカスの『箱庭』はアルフォートの言うように魔力消費系のスキルだ。
魔力を介して様々な事を行うのだ。
初期設定から帝都制作で魔力が限界にきたのだ。
だが、大半は初期設定時の領地移動が理由だ。
ルーカスが眠っている間に全員は屋敷の整頓を行なった。
別で保管していた食料や飲み物を定位置に保管し直し、馬小屋を整え、馬たちを休ませたりと普段と変わらない生活が出来るようにしていった。
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