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6、女神と狼の報告会
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狼は先程まで今回の事故での対応をした他の3人の担当者と会っており、どういう風になったかの報告会をしていた。
今までかかっていた女神はゆっくりとした方で本来なら5人が揃ってからする報告会だったが、神々も他の仕事もあるので代表者がその場に居なかった女神の報告も聞き、主神に報告するとこになった。
その報告を聞くのと同時に結果を女神に伝えに来たのだ。
それに狼が担当したのは女神が担当した葵の愛犬たちだけだからその話もしたくて女神と主神への報告を名乗り出たのだ。
狼の報告では『輪廻転生』や『天国行き』はそれなりに話をして早々に全員が各々の向かうべき場所に向かった。
『輪廻転生』も『天国行き』も特にごねる理由も無かった事もあり、死んだ事も事故の経緯を話をすれば受け入れられたのでそれだけで済んだ。
面倒な『地獄行き』は問答無用で送り込んだ。
それは聞いていたらきりがないし、『地獄行き』の者たちは自身が悪いことをしている自覚がない場合もあり、自覚していても開き直っているのだ。
そんな言い訳を聞く程神々は暇ではないし、恩情などない。
なので、事故の詳細を説明すると地獄の門を開き、強制的に放り込んだ。
「彼ならやりそうね」
「確実にやったよ。だって、地獄の門の先では人が積み重なっていたから」
「まぁ!だけど、そんな彼だから『地獄行き』の担当になったんだものね」
「そうだね。不正を許さず、聞く耳も持たないからね」
「だから確実な人だけを『地獄行き』にしたんだもの。まぁ、そこから引っ張ってきた人たちはやっぱり同じだったわ」
「だろうね。定員オーバーで『異世界転生』に回されただけだしね」
「そうね。比較的軽い刑の人がね。でも、『行き先』によっては『地獄行き』の方が良かった人もいるけどね」
「まぁ、それは運だよね。それより」
「例の彼でしょ、弘崎葵さん」
「そう!どうなった?」
狼は葵の事が気になっていた。
自身が唯一担当したのが彼の愛犬たちだからだ。
狼が葵の事が気になったのは愛犬たちの反応にあった。
葵の愛犬たちは巻き込まれたようなものと言うのが神々たちの認識だった。
葵が思ったように連れ出さなければ亡くなることはなかった。
飼われている生き物は飼い主が連れ出したり、逃がしたりしない限り家にいる事が大半だ。
そういう場合、生き物も恨み言を言うこともあるし、怒りを覚えている場合もある。
しかし、葵の愛犬たちの第一声は主人である葵の安否だった。
「そうね、『善行』が多かったわ。集まっていた人たちの中で一番。あと、あの子たちの事を気にしていたし、後悔もしていたわ」
「そうなんだ。すごい絆だなぁ」
「どういうこと?」
「全員が飼い主である彼の安否を気にしていたよ!誰か1人でも恨み言を言うと思っていたのに。守れなかったって後悔していたね」
「そうなの?確かに強い絆だわ」
「それにね、全員が彼と共に居たいってことで異世界について行くことを望んだんだよ!こんなこと初めてだよ」
「そうね!すごいわ!」
「彼らには神域で生活することも出来たのに、それを捨ててまで彼について行った。それなりの力は渡しているけど」
「なら、見守ることにしましょう。それしかないわ」
「そうだね」
「これから主神様のところに?」
「うん」
「私も一緒に行くわ。私が一番遅かったんだから」
「そんなことないけど、一緒に行くのは嬉しいから行こう!」
「うん」
女神と狼は立ち上がり、二人揃って主神に報告するために向かった。
今までかかっていた女神はゆっくりとした方で本来なら5人が揃ってからする報告会だったが、神々も他の仕事もあるので代表者がその場に居なかった女神の報告も聞き、主神に報告するとこになった。
その報告を聞くのと同時に結果を女神に伝えに来たのだ。
それに狼が担当したのは女神が担当した葵の愛犬たちだけだからその話もしたくて女神と主神への報告を名乗り出たのだ。
狼の報告では『輪廻転生』や『天国行き』はそれなりに話をして早々に全員が各々の向かうべき場所に向かった。
『輪廻転生』も『天国行き』も特にごねる理由も無かった事もあり、死んだ事も事故の経緯を話をすれば受け入れられたのでそれだけで済んだ。
面倒な『地獄行き』は問答無用で送り込んだ。
それは聞いていたらきりがないし、『地獄行き』の者たちは自身が悪いことをしている自覚がない場合もあり、自覚していても開き直っているのだ。
そんな言い訳を聞く程神々は暇ではないし、恩情などない。
なので、事故の詳細を説明すると地獄の門を開き、強制的に放り込んだ。
「彼ならやりそうね」
「確実にやったよ。だって、地獄の門の先では人が積み重なっていたから」
「まぁ!だけど、そんな彼だから『地獄行き』の担当になったんだものね」
「そうだね。不正を許さず、聞く耳も持たないからね」
「だから確実な人だけを『地獄行き』にしたんだもの。まぁ、そこから引っ張ってきた人たちはやっぱり同じだったわ」
「だろうね。定員オーバーで『異世界転生』に回されただけだしね」
「そうね。比較的軽い刑の人がね。でも、『行き先』によっては『地獄行き』の方が良かった人もいるけどね」
「まぁ、それは運だよね。それより」
「例の彼でしょ、弘崎葵さん」
「そう!どうなった?」
狼は葵の事が気になっていた。
自身が唯一担当したのが彼の愛犬たちだからだ。
狼が葵の事が気になったのは愛犬たちの反応にあった。
葵の愛犬たちは巻き込まれたようなものと言うのが神々たちの認識だった。
葵が思ったように連れ出さなければ亡くなることはなかった。
飼われている生き物は飼い主が連れ出したり、逃がしたりしない限り家にいる事が大半だ。
そういう場合、生き物も恨み言を言うこともあるし、怒りを覚えている場合もある。
しかし、葵の愛犬たちの第一声は主人である葵の安否だった。
「そうね、『善行』が多かったわ。集まっていた人たちの中で一番。あと、あの子たちの事を気にしていたし、後悔もしていたわ」
「そうなんだ。すごい絆だなぁ」
「どういうこと?」
「全員が飼い主である彼の安否を気にしていたよ!誰か1人でも恨み言を言うと思っていたのに。守れなかったって後悔していたね」
「そうなの?確かに強い絆だわ」
「それにね、全員が彼と共に居たいってことで異世界について行くことを望んだんだよ!こんなこと初めてだよ」
「そうね!すごいわ!」
「彼らには神域で生活することも出来たのに、それを捨ててまで彼について行った。それなりの力は渡しているけど」
「なら、見守ることにしましょう。それしかないわ」
「そうだね」
「これから主神様のところに?」
「うん」
「私も一緒に行くわ。私が一番遅かったんだから」
「そんなことないけど、一緒に行くのは嬉しいから行こう!」
「うん」
女神と狼は立ち上がり、二人揃って主神に報告するために向かった。
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