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5、転生先に向かうようです
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女神は葵が上を向いたのを確認すると手を1つ叩いた。
全員の意識が女神に集まった。
女神はにっこりと笑い、話を始めた。
「では、そろそろ時間ですので転生しますよ~。あなた方の引いた『行き先』の球が自動的にあなた方を送りますので安心してください~。行った先は安全な場所です~。落ち着いたら『ステータス』と頭の中で念じて下されば目の前にステータス画面が出ますよ~。声に出すと周りの方にも見れますので考えてやってくださいね~」
女神が話し終わるとすぐに転生するのではなく、数拍おいた後に今までにこやかにしていた女神が初めて真剣な顔を見せた。
いきなりの変貌と空気の変わりように全員が驚きながらも緊張感に包まれ、固唾を飲んだ。
それは今まで光の檻のようなものに入れられ、騒いでいた面々も同様だった。
「最後に言います。今回は転生しましたがもう一度なんてありません。死ねばそこで終わりです。無茶をして、やり直しが出来るとは思わないで下さい。本来なら終わっていた人生だと言うことを忘れないようにして下さい。しっかりと考えて言動するようにして下さい」
「「「「「「「っ!」」」」」」」
全員が女神の言葉を重く受け止めた。
誰もが心の何処かで今回転生できたからまた出来る、もしくはゲーム感覚でリセット再起動が可能だと思っていた。
しかし、本来なら予測不可能でも理不尽でも終わってしまっていた人生だった。
それをやり直せる機会を別の世界と言えど貰えた。
それは『奇跡』であり、『神々の気まぐれ』なのだ。
神々が何も思わず、気にせず、手を出さなければそのまま終わっていた。
それを頭にしっかりと入れた上で今後を生きていく。
甘く考えていた事を女神は転生する前に全員に自覚させた。
無駄に死んで欲しくはなかったし、ここで言っても聞かない者には仕方ないと諦められるが、後悔はして欲しくない。
女神の言葉を受け止めた者たちがいるのをしっかりと女神は見届けた。
女神は真剣な顔を最初のにこやかな顔に戻した。
すると、張りつめていた緊張感やその場の空気が緩んだ。
全員がホッと息をついた。
それを見届けた女神は手を叩き、右手を上に掲げた。
「それでは皆さん、次の人生をしっかりと生きてください」
女神の手から光が溢れ、それは五色の球体に吸い込まれた。
各色の球体から各々の『行き先』の球に光が繋がり、『行き先』の球がその人を包んだ。
そして、包まれた人々は球体の方に吸い込まれていった。
そこに残ったのは女神と五色の球体だけだ。
女神が1つ手を叩くと球体も消えた。
それを見届けたら女神から自然とため息が出た。
女神も知らずに力が入っていたのだ。
女神がついたため息はそのまま消えるはずだったが、そんな女神に声をかける者が現れた。
「はぁ~」
「お疲れ様。珍しいね、ため息なんかついて」
「あら?お疲れ様、どうしたの?」
「君が最後だからね、迎えに来たんだよ。大変だったのかい?」
「そうでもないわ。規定通りに対応したし、面倒そうなのは早々に周りと離したから」
「そうなんだ」
女神のもとに現れて、話しているのは白銀の毛並みを持ち、青い瞳をした狼だった。
この狼も神々の1人で動物たちの方を担当していた者だ。
女神はその狼を見ると自然と微笑んだ。
それは先程の葵たちに向けたのとは違い、優しく自然な親しい者に見せる笑顔だった。
女神に近づくと狼はゆっくりと寝転んだ。
女神はそんな狼に寄りかかった。
全員の意識が女神に集まった。
女神はにっこりと笑い、話を始めた。
「では、そろそろ時間ですので転生しますよ~。あなた方の引いた『行き先』の球が自動的にあなた方を送りますので安心してください~。行った先は安全な場所です~。落ち着いたら『ステータス』と頭の中で念じて下されば目の前にステータス画面が出ますよ~。声に出すと周りの方にも見れますので考えてやってくださいね~」
女神が話し終わるとすぐに転生するのではなく、数拍おいた後に今までにこやかにしていた女神が初めて真剣な顔を見せた。
いきなりの変貌と空気の変わりように全員が驚きながらも緊張感に包まれ、固唾を飲んだ。
それは今まで光の檻のようなものに入れられ、騒いでいた面々も同様だった。
「最後に言います。今回は転生しましたがもう一度なんてありません。死ねばそこで終わりです。無茶をして、やり直しが出来るとは思わないで下さい。本来なら終わっていた人生だと言うことを忘れないようにして下さい。しっかりと考えて言動するようにして下さい」
「「「「「「「っ!」」」」」」」
全員が女神の言葉を重く受け止めた。
誰もが心の何処かで今回転生できたからまた出来る、もしくはゲーム感覚でリセット再起動が可能だと思っていた。
しかし、本来なら予測不可能でも理不尽でも終わってしまっていた人生だった。
それをやり直せる機会を別の世界と言えど貰えた。
それは『奇跡』であり、『神々の気まぐれ』なのだ。
神々が何も思わず、気にせず、手を出さなければそのまま終わっていた。
それを頭にしっかりと入れた上で今後を生きていく。
甘く考えていた事を女神は転生する前に全員に自覚させた。
無駄に死んで欲しくはなかったし、ここで言っても聞かない者には仕方ないと諦められるが、後悔はして欲しくない。
女神の言葉を受け止めた者たちがいるのをしっかりと女神は見届けた。
女神は真剣な顔を最初のにこやかな顔に戻した。
すると、張りつめていた緊張感やその場の空気が緩んだ。
全員がホッと息をついた。
それを見届けた女神は手を叩き、右手を上に掲げた。
「それでは皆さん、次の人生をしっかりと生きてください」
女神の手から光が溢れ、それは五色の球体に吸い込まれた。
各色の球体から各々の『行き先』の球に光が繋がり、『行き先』の球がその人を包んだ。
そして、包まれた人々は球体の方に吸い込まれていった。
そこに残ったのは女神と五色の球体だけだ。
女神が1つ手を叩くと球体も消えた。
それを見届けたら女神から自然とため息が出た。
女神も知らずに力が入っていたのだ。
女神がついたため息はそのまま消えるはずだったが、そんな女神に声をかける者が現れた。
「はぁ~」
「お疲れ様。珍しいね、ため息なんかついて」
「あら?お疲れ様、どうしたの?」
「君が最後だからね、迎えに来たんだよ。大変だったのかい?」
「そうでもないわ。規定通りに対応したし、面倒そうなのは早々に周りと離したから」
「そうなんだ」
女神のもとに現れて、話しているのは白銀の毛並みを持ち、青い瞳をした狼だった。
この狼も神々の1人で動物たちの方を担当していた者だ。
女神はその狼を見ると自然と微笑んだ。
それは先程の葵たちに向けたのとは違い、優しく自然な親しい者に見せる笑顔だった。
女神に近づくと狼はゆっくりと寝転んだ。
女神はそんな狼に寄りかかった。
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