72 / 105
第二章
11、馬車制作工房①
しおりを挟む
さぁ、契約魔獣登録も終わったのでリュウイチさんに連れられて馬車の制作工房に向かった。
あ、魔獣たちは現在、健康診断を受けている。
魔獣を契約した時には必ずしているようだ。
馬車のタイプのために連れて行くべきか考えたけど、今回は発注はするが必要材料を聞きに行くことがメインなので置いて行った。
話は戻して、この街でも馬車の制作工房は幾つかあるがそれでもリュウイチさんが信頼している場所に案内してくれるらしい。どうもリュウイチさんたち『ガーディアンズ』も馬車は所有していらしく、制作や修繕などを任せている工房でかなり信頼できるんだと。
まぁ、リュウイチさんたちのお馴染みさんなら俺たちも信頼できるというモノだ。
何が必要になるかが気になる所だが。
その工房は東通りの職人通りにあった。そこは職人通りでもそれこそ奥の方に位置していた。
前に来た時はここまではいかなかったなぁ。中央通りに近い魔石や素材を売っている所しか見てなかったし、前にいくつか見た馬車を扱っている店は兼業工房で馬車だけではなく、家具なんかも売っているような場所だった。
今向かっている工房は馬車オンリーの店らしい。
なるほど、専用店なら力の入りようが違うのだろうな。
そう思っていると工房についたらしい。
そこは馬車専用工房『ミシリア』という場所だ。
「邪魔するぜ」
「ありゃ?リュウイチさん、どうかしましたか?」
「おう、ヴァリス。いや、今日は紹介だ」
「紹介?」
「おう!こいつら、冒険者で最近チームを組んだ『ブルーローズ』のマコトとエドだ」
「初めまして、『ブルーローズ』のマコト・モモセです」
「エドワード・グレイスです」
「おお!話題の二人がチームを組んだんですね!!僕はここ『ミシリア』の受付をしています。ヴァリス・ミシリアです」
なんとも元気な少年だった。獣人なんだろうな、耳としっぽがある。そのしっぽは勢いよく振られている。うん、可愛らしい子だわ。ロップイヤーかな?垂れた耳やふっわふっわの小さな丸い尻尾が可愛い。見た目は15・6かな?
それはそうと俺たち話題なの?ま、気にしないけど。
でも、そうか。この『ミシリア』はファミリーネームなのな。家族経営なのか?
「それで、おやっさんは?」
「父さんなら奥の工房にいるよ。呼んでくる!!」
そういうと脱兎の如く走り去っていった。元気があっていいわ。
しばらく待っていると少年と同じウサギの獣人の男性が出てきた。
うん?おやっさんって感じではないぞ。かけた眼鏡が似合っている好青年な感じ。細身だし。
「いらっしゃい、リュウイチさん」
「おう、おやっさん。今日はこいつらが馬車が欲しいらしくてな。紹介に来たんだ」
「リュウイチさんの紹介なら安心ですね。それとおやっさんという呼び方はやめてくださいよ~」
「いいじゃねぇか」
いや、不釣合いだからやめてほしい、俺的にも。
このウサギの好青年が俺たちの方を見た。
「初めまして、『ブルーローズ』のマコト・モモセです」
「同じく、エドワード・グレイスです」
「はじめまして。私はここ『ミシリア』の亭主兼職人のランビー・ミシリアです。今回は馬車のお求めだとか?」
「はい」
「分かりました。では、こちらで詳しくお話を聞かせてください」
「はい」
俺たちはランビーさんに案内されて、商談用のテーブルセットに向かった。
俺たち全員が座るとヴァリス君が全員分の飲み物を持ってきてくれた。なんとも働き者のいい子だ。
ランビーさんはヴァリス君の頭を撫ぜてから、受付の方に戻るように言った。ヴァリス君もそれに素直に従っている。
「いい子ですね」
「はい。いつも、手伝いをしてくれて助かります」
子供自慢は世界共通なのだろうな、子供を褒められ頬を緩ませているランビーさんは微笑ましい。
さぁ、馬車発注のための話し合いだ。
あ、魔獣たちは現在、健康診断を受けている。
魔獣を契約した時には必ずしているようだ。
馬車のタイプのために連れて行くべきか考えたけど、今回は発注はするが必要材料を聞きに行くことがメインなので置いて行った。
話は戻して、この街でも馬車の制作工房は幾つかあるがそれでもリュウイチさんが信頼している場所に案内してくれるらしい。どうもリュウイチさんたち『ガーディアンズ』も馬車は所有していらしく、制作や修繕などを任せている工房でかなり信頼できるんだと。
まぁ、リュウイチさんたちのお馴染みさんなら俺たちも信頼できるというモノだ。
何が必要になるかが気になる所だが。
その工房は東通りの職人通りにあった。そこは職人通りでもそれこそ奥の方に位置していた。
前に来た時はここまではいかなかったなぁ。中央通りに近い魔石や素材を売っている所しか見てなかったし、前にいくつか見た馬車を扱っている店は兼業工房で馬車だけではなく、家具なんかも売っているような場所だった。
今向かっている工房は馬車オンリーの店らしい。
なるほど、専用店なら力の入りようが違うのだろうな。
そう思っていると工房についたらしい。
そこは馬車専用工房『ミシリア』という場所だ。
「邪魔するぜ」
「ありゃ?リュウイチさん、どうかしましたか?」
「おう、ヴァリス。いや、今日は紹介だ」
「紹介?」
「おう!こいつら、冒険者で最近チームを組んだ『ブルーローズ』のマコトとエドだ」
「初めまして、『ブルーローズ』のマコト・モモセです」
「エドワード・グレイスです」
「おお!話題の二人がチームを組んだんですね!!僕はここ『ミシリア』の受付をしています。ヴァリス・ミシリアです」
なんとも元気な少年だった。獣人なんだろうな、耳としっぽがある。そのしっぽは勢いよく振られている。うん、可愛らしい子だわ。ロップイヤーかな?垂れた耳やふっわふっわの小さな丸い尻尾が可愛い。見た目は15・6かな?
それはそうと俺たち話題なの?ま、気にしないけど。
でも、そうか。この『ミシリア』はファミリーネームなのな。家族経営なのか?
「それで、おやっさんは?」
「父さんなら奥の工房にいるよ。呼んでくる!!」
そういうと脱兎の如く走り去っていった。元気があっていいわ。
しばらく待っていると少年と同じウサギの獣人の男性が出てきた。
うん?おやっさんって感じではないぞ。かけた眼鏡が似合っている好青年な感じ。細身だし。
「いらっしゃい、リュウイチさん」
「おう、おやっさん。今日はこいつらが馬車が欲しいらしくてな。紹介に来たんだ」
「リュウイチさんの紹介なら安心ですね。それとおやっさんという呼び方はやめてくださいよ~」
「いいじゃねぇか」
いや、不釣合いだからやめてほしい、俺的にも。
このウサギの好青年が俺たちの方を見た。
「初めまして、『ブルーローズ』のマコト・モモセです」
「同じく、エドワード・グレイスです」
「はじめまして。私はここ『ミシリア』の亭主兼職人のランビー・ミシリアです。今回は馬車のお求めだとか?」
「はい」
「分かりました。では、こちらで詳しくお話を聞かせてください」
「はい」
俺たちはランビーさんに案内されて、商談用のテーブルセットに向かった。
俺たち全員が座るとヴァリス君が全員分の飲み物を持ってきてくれた。なんとも働き者のいい子だ。
ランビーさんはヴァリス君の頭を撫ぜてから、受付の方に戻るように言った。ヴァリス君もそれに素直に従っている。
「いい子ですね」
「はい。いつも、手伝いをしてくれて助かります」
子供自慢は世界共通なのだろうな、子供を褒められ頬を緩ませているランビーさんは微笑ましい。
さぁ、馬車発注のための話し合いだ。
10
お気に入りに追加
1,348
あなたにおすすめの小説
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
異世界召喚?やっと社畜から抜け出せる!
アルテミス
ファンタジー
第13回ファンタジー大賞に応募しました。応援してもらえると嬉しいです。
->最終選考まで残ったようですが、奨励賞止まりだったようです。応援ありがとうございました!
ーーーー
ヤンキーが勇者として召喚された。
社畜歴十五年のベテラン社畜の俺は、世界に巻き込まれてしまう。
巻き込まれたので女神様の加護はないし、チートもらった訳でもない。幸い召喚の担当をした公爵様が俺の生活の面倒を見てくれるらしいけどね。
そんな俺が異世界で女神様と崇められている”下級神”より上位の"創造神"から加護を与えられる話。
ほのぼのライフを目指してます。
設定も決めずに書き始めたのでブレブレです。気楽〜に読んでください。
6/20-22HOT1位、ファンタジー1位頂きました。有難うございます。
転生したら捕らえられてました。
アクエリア
ファンタジー
~あらすじ~ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
目を覚ますと薄暗い牢獄にいた主人公。
思い付きで魔法を使ってみると、なんと成功してしまった!
牢獄から脱出し騎士団の人たちに保護され、新たな生活を送り始めるも、なかなか平穏は訪れない…
転生少女のチートを駆使したファンタジーライフ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
見切り発車なので途中キャラぶれの可能性があります。
感想やご指摘、話のリクエストなど待ってます(*^▽^*)
これからは不定期更新になります。なかなか内容が思いつかなくて…すみません
辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい
ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆
気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。
チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。
第一章 テンプレの異世界転生
第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!?
第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ!
第四章 魔族襲来!?王国を守れ
第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!?
第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~
第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~
第八章 クリフ一家と領地改革!?
第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?
第十章 自分探しと家族サービス
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話
菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。
そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。
超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。
極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。
生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!?
これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。
レベルカンストとユニークスキルで異世界満喫致します
風白春音
ファンタジー
俺、猫屋敷出雲《ねこやしきいずも》は新卒で入社した会社がブラック過ぎてある日自宅で意識を失い倒れてしまう。誰も見舞いなど来てくれずそのまま孤独死という悲惨な死を遂げる。
そんな悲惨な死に方に女神は同情したのか、頼んでもいないのに俺、猫屋敷出雲《ねこやしきいずも》を勝手に転生させる。転生後の世界はレベルという概念がある世界だった。
しかし女神の手違いか俺のレベルはカンスト状態であった。さらに唯一無二のユニークスキル視認強奪《ストック》というチートスキルを持って転生する。
これはレベルの概念を超越しさらにはユニークスキルを持って転生した少年の物語である。
※俺TUEEEEEEEE要素、ハーレム要素、チート要素、ロリ要素などテンプレ満載です。
※小説家になろうでも投稿しています。
異世界物語 ~転生チート王子と愉快なスローライフ?~
星鹿カナン
ファンタジー
目が覚めるとそこは、ファンタジーのような異世界で、僕はよくあるように、赤ちゃんだった。前世の記憶は、朧気であるものの神様との話は、よく覚えていた・・・・・・
転生王子の異世界チートスローライフ?
スローライフ要素は3章~4章まで殆ど無いかもしれません。
人名のスペルは、英検4級すら受からない作者が、それっぽい音になりそうな綴りを書いているだけなので、鵜呑みにして、参考にする様なことはしないでください。特に深い意味がある訳でもありません。
地図等、自作していますが、絵はかなり苦手なので、大まかなイメージを掴むための参考程度にしてください。
その他、物語の解説などには、地球上の仕組みの中に、実在するものと実在しないものが、混ざっています。これらは、異世界感を演出するためのものなので、ご注意ください。
R指定は特に出していませんが、怪しい部分が多いので、気になる方は、自主規制をお願いします。
現在最新話まで、本編のための前日譚のような外伝ストーリーです。
本編の時間軸に辿り着くまでの長い前日譚もお付き合いいただけると幸いです。
最終更新日:4月15日
更新話:3-027
次回更新予定日: 4月20日
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる