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第一章
12、初めての街『バルディス』①
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道に沿って行くと大きな壁門についた。そこでは入門審査みたいなことをしている。
うん、やばい。身分証明できるもの何もない。
とりあえず、並ぶか、行ってみないと何も始まらないしな。
並ぶ列はそう多くなかったのですぐに俺の番になった。俺を担当してくれたのは30代後半ぐらいの男性衛兵だ。俺の前に来ると尋ねてきた。
「お兄さん、ここ初めてかい?」
「はい」
「なら、簡単な入門審査をさせてもらうよ」
「はい」
衛兵はステータス画面みたいなのを出した。それを俺の方に向けるとカシャッと音がした。もしかして写真撮られた?俺が首を傾げていると衛兵はアッという顔をした。
「ああ、ごめんよ。顔写真がいるんだよ」
「あ、そういうこと」
「ああ、それじゃあ、質問していくぞ」
「はい」
俺に一言謝ると衛兵は右目にモノクルを付けて質問してきた。
「名前は?」
「マコト・モモセ」
「どこから来たんだ?」
「ええっと、森から」
「森?ここの近くにはディジャールの森しかないぞ?」
「たぶんそこ、ずっと歩いてきたから森としか分かんない。ああ、でも泉があった。精霊の泉ってやつ」
「精霊の泉?!ディジャールの森にある聖域じゃねぇか」
「え?聖域?」
「証拠になるようなものはあるか?」
「えっと、水がまだ残っていたけど」
俺の答えに衛兵は驚き、訝しがっている。
でも、俺にはこの答えしか持ってない。
衛兵に言われたとおりに持っていた水を水筒ごとだした。
衛兵はその水をコップに出して、モノクルで見た。するとモノクルが淡く青く光った。
え?何してるの?
「まさに、精霊の泉の水だ。まぁ、お前さんが嘘を言ってないのは分かっているんだが信じきれなくてな、すまない」
「いや、いいんだが」
「ああ、このモノクルは魔法具『診断片眼鏡』っていうものでな。これでみると相手が嘘をついているか、いないか。ちょっと魔力を込めりゃ、物の『鑑定』まで出来るって品物よ」
「すごいですね」
「道具がな。それでお前さんが嘘をついていないのは分かっているんだが、精霊の泉は精霊たちが人の出入りを拒むところでもあるんだよ」
「俺も行けたのは偶然なので、もう一度行けって言われても行けませんよ」
「なるほどな、精霊の気まぐれってことか。そういうのはたまにある」
俺はほっとした。話は通じたようだ。この衛兵が話の分かる人でよかった。
俺がほっとしているのを見て衛兵は肩をすくめた。
そんなに警戒している気はないんだが、そう見えたようだ。悪いことしたかな。
衛兵は気を取り直して最後の質問をしてきた。
「最後に、なんでここバルディスに来たんだ?」
「うう~ん、生計を立てるために?」
「お、開業希望者か?」
「そういうんじゃないけど。根無し草で森の中を彷徨ってたから、まともな生活と知識を付けたくて」
「ああ、そういうことか。ならギルド『グル―ア』に行くといい」
「ギルド、グル―ア?」
ギルドってことは冒険者か?
うん、やはり冒険者なんだな。
たぶん俺には一番合っているかもしれない。
もう、ノルマとかに縛られて生きていたくはない。
「おう、冒険者になるにはギルド登録が必要だ。これは身分証明にもなる。冒険者になれば多少の制限はあるが自由に生きれる」
「分かりました。行ってみます」
「おう、これで審査は終わりだ」
「ありがとうございます」
「何、良いってことよ。これからよろしくな、新人冒険者さん」
「はい」
感じのいい人だった。
衛兵の言うとおりに俺はギルド『グルーア』を目指した。
とりあえず、身分証は必要だ。俺はこの世界で一生を生きていくんだからな。いつまでも根無し草の身元不明ってわけにはいかない。
俺のここでの身分確立のためにギルドに向かおう。
うん、やばい。身分証明できるもの何もない。
とりあえず、並ぶか、行ってみないと何も始まらないしな。
並ぶ列はそう多くなかったのですぐに俺の番になった。俺を担当してくれたのは30代後半ぐらいの男性衛兵だ。俺の前に来ると尋ねてきた。
「お兄さん、ここ初めてかい?」
「はい」
「なら、簡単な入門審査をさせてもらうよ」
「はい」
衛兵はステータス画面みたいなのを出した。それを俺の方に向けるとカシャッと音がした。もしかして写真撮られた?俺が首を傾げていると衛兵はアッという顔をした。
「ああ、ごめんよ。顔写真がいるんだよ」
「あ、そういうこと」
「ああ、それじゃあ、質問していくぞ」
「はい」
俺に一言謝ると衛兵は右目にモノクルを付けて質問してきた。
「名前は?」
「マコト・モモセ」
「どこから来たんだ?」
「ええっと、森から」
「森?ここの近くにはディジャールの森しかないぞ?」
「たぶんそこ、ずっと歩いてきたから森としか分かんない。ああ、でも泉があった。精霊の泉ってやつ」
「精霊の泉?!ディジャールの森にある聖域じゃねぇか」
「え?聖域?」
「証拠になるようなものはあるか?」
「えっと、水がまだ残っていたけど」
俺の答えに衛兵は驚き、訝しがっている。
でも、俺にはこの答えしか持ってない。
衛兵に言われたとおりに持っていた水を水筒ごとだした。
衛兵はその水をコップに出して、モノクルで見た。するとモノクルが淡く青く光った。
え?何してるの?
「まさに、精霊の泉の水だ。まぁ、お前さんが嘘を言ってないのは分かっているんだが信じきれなくてな、すまない」
「いや、いいんだが」
「ああ、このモノクルは魔法具『診断片眼鏡』っていうものでな。これでみると相手が嘘をついているか、いないか。ちょっと魔力を込めりゃ、物の『鑑定』まで出来るって品物よ」
「すごいですね」
「道具がな。それでお前さんが嘘をついていないのは分かっているんだが、精霊の泉は精霊たちが人の出入りを拒むところでもあるんだよ」
「俺も行けたのは偶然なので、もう一度行けって言われても行けませんよ」
「なるほどな、精霊の気まぐれってことか。そういうのはたまにある」
俺はほっとした。話は通じたようだ。この衛兵が話の分かる人でよかった。
俺がほっとしているのを見て衛兵は肩をすくめた。
そんなに警戒している気はないんだが、そう見えたようだ。悪いことしたかな。
衛兵は気を取り直して最後の質問をしてきた。
「最後に、なんでここバルディスに来たんだ?」
「うう~ん、生計を立てるために?」
「お、開業希望者か?」
「そういうんじゃないけど。根無し草で森の中を彷徨ってたから、まともな生活と知識を付けたくて」
「ああ、そういうことか。ならギルド『グル―ア』に行くといい」
「ギルド、グル―ア?」
ギルドってことは冒険者か?
うん、やはり冒険者なんだな。
たぶん俺には一番合っているかもしれない。
もう、ノルマとかに縛られて生きていたくはない。
「おう、冒険者になるにはギルド登録が必要だ。これは身分証明にもなる。冒険者になれば多少の制限はあるが自由に生きれる」
「分かりました。行ってみます」
「おう、これで審査は終わりだ」
「ありがとうございます」
「何、良いってことよ。これからよろしくな、新人冒険者さん」
「はい」
感じのいい人だった。
衛兵の言うとおりに俺はギルド『グルーア』を目指した。
とりあえず、身分証は必要だ。俺はこの世界で一生を生きていくんだからな。いつまでも根無し草の身元不明ってわけにはいかない。
俺のここでの身分確立のためにギルドに向かおう。
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