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第三章
2、助太刀②
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*** sideシエル ***
馬車の自室でゆっくりしていたらマコトさんから呼ばれた。
どうやら襲われている相手がいるから助けるとのことだ。
俺はマコトさんらしいと思った。
マコトさん自身は自分のことを優しくないと思っているようだが、かなりのお人よしだと俺は思っている。
料理だって本当ならマコトさん1人でする必要はないのだ。
俺やレイだってある程度なら手伝えるのだが、だいぶ前に調理中に戦闘が始まり、行きたくて仕方なくなったガイとか、マスターとかがうずうずして結局向かってしまってからマコトさん1人でするようになった。
だいたいマコトさんが料理中に戦闘が始まるのだ。
だから、マコトさんは手伝うと言っても苦笑して断るのだ。
でも、本人もレベル上げのために戦いたいと言ったので、料理が出来ない代わりに食料調達に向かっていたのを一緒に行くようにした。
話がそれていた。
どうやら、相手は5人みたいだ。
一番の大柄で馬車を襲っているのをマコトさんが相手することにしたらしい。
俺たちのリーダーはマコトさんなので、マコトさんがいる際はマコトさんの采配に従うように話し合いで決まっている。
いない際の戦闘はジャンケンだ。
前にマコトさんに教えて貰ってからやっている。
これがなかなか活用できて楽しい。
それで俺の相手はほそっこい2人の剣使いだ。
見るからに弱そう。
こう言っては何だけど、がっかりだ。
もっと戦いがいのある相手がよかった。
「…さっさと終わらそう」
「言ってくれるな」
「それは俺たちの言葉だ!」
敵は2人ともまっすぐ突っ込んできた。
特に連携などはない様で振り回すように切りかかってくるのみだ。
こんな攻撃なら何人いても変わらない。
俺はそれを避け、確実に一人一人に攻撃を入れて行った。
今は人型なので拳や蹴りで仕留める。
見た目同様、弱かった。
俺が一撃いれると吹っ飛んでいき、2人重なって動かなくなった。
「えっと~、弱すぎないか?」
「シエル終わったのか?」
「グラン、あっけなかったんだけど…」
「そういう時もある」
「戦えるだけいいじゃん!」
「物足りないぞ?」
ガイは戦いではなく馬車の護衛だからそういうがこれは完全に不完全燃焼だ。
あ、こうは言っているがマコトさんの采配に文句はない。
相手が5人とは言え、強そうなのはマコトさんが相手している1人だけで、あとの4人は弱そうだった。
中々戦いに参加できないマコトさんだから、大物を渡したいっていうのは俺たち全員の総意なんだけど、こう弱いと困る。
*** sideレイ ***
私が相手するのは腹が出てる者と全体的に小さい者の2人ですね。
何とも言えません。
見てて醜いです。
2人とも剣を持っていますが戦えるのでしょうか?
と言うより、近づいて欲しくないので魔法で終わらせましょう。
『風の刃』で逃げられないように近くの木に縫い付けましょう。
「風魔法『風の刃』」
「「うわぁぁぁぁぁぁ!!」」
おや?案外よく逃げますね。
何だか滑稽なダンスのようですね。
飛んだり、跳ねたり、回ったりと。
まだ、余裕がありそうなのでさらに『風の刃』をあげましょう。
「風魔法『風の刃』」
「「どわぁぁぁぁぁ!!」」
「風魔法『風の刃』」
「「あ、あぶ、あぶねぇぇぇぇ!!」」
「風魔法『風の刃』」
「「あ、あそぶなぁぁぁぁぁ!!」」
「レイ、遊ばないで戦いなさい。狩りではないのですよ」
おや?遊んでいるのがバレました。
ユリウスにも怒られたので仕方ありません。
止めをさしましょう。
生け捕りは絶対条件ですので、どうしましょう?
木に縫い付ける予定でしてがあれでは難しいですね。
木からも遠くなっていましたし、踊らせ過ぎて2人ともふらふらです。
これ以上の『風の刃』は危ないですね。
仕方ありません、ちゃんと責任をとりましょう。
私は本来のエンペストホークの姿に戻りました。
「なっ?!」
「え、エンペストホーク!?」
『はい、これで終わりです』
私の本来の姿に驚いている間に翼を一扇ぎして、2人ともを木の方に飛ばして羽根で縫い付けました。
これで予定通りですね。
回収?私はしませんよ。
このまま放置です。
こいつらをどうするかはマコトさんが決めてくれる筈なのでそれに従います。
私は触れたくないのですが。
「これはあとでお説教ですかね?」
「……ほどほどにね」
「甘くないですか?エドワードさん」
「ほどほどにね」
「分かりました、ほどほどにします」
マスターのお陰で惨事は免れました。
感謝、感謝ですが、私の身が危ないです。
馬車の自室でゆっくりしていたらマコトさんから呼ばれた。
どうやら襲われている相手がいるから助けるとのことだ。
俺はマコトさんらしいと思った。
マコトさん自身は自分のことを優しくないと思っているようだが、かなりのお人よしだと俺は思っている。
料理だって本当ならマコトさん1人でする必要はないのだ。
俺やレイだってある程度なら手伝えるのだが、だいぶ前に調理中に戦闘が始まり、行きたくて仕方なくなったガイとか、マスターとかがうずうずして結局向かってしまってからマコトさん1人でするようになった。
だいたいマコトさんが料理中に戦闘が始まるのだ。
だから、マコトさんは手伝うと言っても苦笑して断るのだ。
でも、本人もレベル上げのために戦いたいと言ったので、料理が出来ない代わりに食料調達に向かっていたのを一緒に行くようにした。
話がそれていた。
どうやら、相手は5人みたいだ。
一番の大柄で馬車を襲っているのをマコトさんが相手することにしたらしい。
俺たちのリーダーはマコトさんなので、マコトさんがいる際はマコトさんの采配に従うように話し合いで決まっている。
いない際の戦闘はジャンケンだ。
前にマコトさんに教えて貰ってからやっている。
これがなかなか活用できて楽しい。
それで俺の相手はほそっこい2人の剣使いだ。
見るからに弱そう。
こう言っては何だけど、がっかりだ。
もっと戦いがいのある相手がよかった。
「…さっさと終わらそう」
「言ってくれるな」
「それは俺たちの言葉だ!」
敵は2人ともまっすぐ突っ込んできた。
特に連携などはない様で振り回すように切りかかってくるのみだ。
こんな攻撃なら何人いても変わらない。
俺はそれを避け、確実に一人一人に攻撃を入れて行った。
今は人型なので拳や蹴りで仕留める。
見た目同様、弱かった。
俺が一撃いれると吹っ飛んでいき、2人重なって動かなくなった。
「えっと~、弱すぎないか?」
「シエル終わったのか?」
「グラン、あっけなかったんだけど…」
「そういう時もある」
「戦えるだけいいじゃん!」
「物足りないぞ?」
ガイは戦いではなく馬車の護衛だからそういうがこれは完全に不完全燃焼だ。
あ、こうは言っているがマコトさんの采配に文句はない。
相手が5人とは言え、強そうなのはマコトさんが相手している1人だけで、あとの4人は弱そうだった。
中々戦いに参加できないマコトさんだから、大物を渡したいっていうのは俺たち全員の総意なんだけど、こう弱いと困る。
*** sideレイ ***
私が相手するのは腹が出てる者と全体的に小さい者の2人ですね。
何とも言えません。
見てて醜いです。
2人とも剣を持っていますが戦えるのでしょうか?
と言うより、近づいて欲しくないので魔法で終わらせましょう。
『風の刃』で逃げられないように近くの木に縫い付けましょう。
「風魔法『風の刃』」
「「うわぁぁぁぁぁぁ!!」」
おや?案外よく逃げますね。
何だか滑稽なダンスのようですね。
飛んだり、跳ねたり、回ったりと。
まだ、余裕がありそうなのでさらに『風の刃』をあげましょう。
「風魔法『風の刃』」
「「どわぁぁぁぁぁ!!」」
「風魔法『風の刃』」
「「あ、あぶ、あぶねぇぇぇぇ!!」」
「風魔法『風の刃』」
「「あ、あそぶなぁぁぁぁぁ!!」」
「レイ、遊ばないで戦いなさい。狩りではないのですよ」
おや?遊んでいるのがバレました。
ユリウスにも怒られたので仕方ありません。
止めをさしましょう。
生け捕りは絶対条件ですので、どうしましょう?
木に縫い付ける予定でしてがあれでは難しいですね。
木からも遠くなっていましたし、踊らせ過ぎて2人ともふらふらです。
これ以上の『風の刃』は危ないですね。
仕方ありません、ちゃんと責任をとりましょう。
私は本来のエンペストホークの姿に戻りました。
「なっ?!」
「え、エンペストホーク!?」
『はい、これで終わりです』
私の本来の姿に驚いている間に翼を一扇ぎして、2人ともを木の方に飛ばして羽根で縫い付けました。
これで予定通りですね。
回収?私はしませんよ。
このまま放置です。
こいつらをどうするかはマコトさんが決めてくれる筈なのでそれに従います。
私は触れたくないのですが。
「これはあとでお説教ですかね?」
「……ほどほどにね」
「甘くないですか?エドワードさん」
「ほどほどにね」
「分かりました、ほどほどにします」
マスターのお陰で惨事は免れました。
感謝、感謝ですが、私の身が危ないです。
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