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第一章
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はじめてマリアを見たアルバは一瞬にして恋に落ちた。
一緒にいたサマンサはキレイな感じで、マリアはかわいい感じだった。
「初めまして、サマンサ・ナーシェルです」
「妹のマリア・ナーシェルです」
「初めまして、アルバ・クリムゾンです」
「弟のサイモン・クリムゾンです」
両家での集まりは次第に増えていった。
アルバは一緒にいれる時間のほとんどをマリアと過ごした。
アルバは勉強の時間などがサイモンより多かったので、必然的に一緒にいれる時間は短かった。
マリアと一緒になりたい。
その思いは強くなっていった。
アルバはある決意を持って両親のもとに向かった。
「父上、母上」
「何ですか?アルバ」
「私はマリア・ナーシェル嬢に惹かれています。どうか、彼女と一緒になりたいのです」
「…マリアか」
「はい!」
「……ううーん、ですが、貴方にはまだ早いと思いますよ」
「ああ、彼女は可愛らしいがお前はまだ他の女性を知らないからな」
「いいえ!出会った瞬間に私は彼女に惹かれています」
「「ううーん」」
結局、両親は頷かなかった。
そして、数日後アルバは王との学園に通うことになった。
「王都の、学園…」
「そうだ。お前は我が領内しか知らない。広い視野を持つために学園に通うことになった」
「学園は全寮制です。至急、準備をなさい」
「ですが?!」
「これは決定事項だ!」
「………………」
アルバは愕然とした。
王都の学園にはある年齢になった貴族の令息令嬢が通うようになっており、アルバにもその通達が来ていた。
ただ、それだけだった。
王都より遠いクリムゾン伯爵領ではなかなか帰ることは出来ない。
長期の休みにもだ。
それ故にアルバはマリアと会える時間はほとんどなくなった。
その為、アルバはマリアの誕生日などに王都でプレゼントを見繕った。
直接渡せないため、実家を経由して渡すことしか出来なかった。
マリアがナーシェル子爵家の令嬢だとは言え、婚約者でもないアルバが贈っても非常識だとマリアの両親にプレゼントを突き返されてしまったのだ。
アルバの両親も叱りの手紙をアルバに送った。
上の爵位の令息が贈ったものを突き返す方が非常識なのだが、アルバの両親が出てきたためそれは通ってしまった。
故に実家を経由して渡すことしか出来なかった。
しかし、これが全て策略だとこの時のアルバは気付かなかった。
数年後、学園を卒業する日が近づいているある日、アルバに両親から送られた手紙にはサイモンとマリアが婚約した事が書かれていた。
そして、クリムゾン伯爵家はサイモンが継ぐことが決定したと書かれていた。
「なんで、なんで!私がマリアを愛しているのを知っていたはずだ……爵位も、サイモンが……………………ああ、私は邪魔なのだな」
アルバは家に帰らず、王都で働こうかと考えた。
次の一文を見るまでは。
『貴方は卒業後すぐに帰り、サマンサ・ナーシェル子爵令嬢と結婚し、ナーシェル子爵家を継ぐことになりました』
「帰ったら結婚?サマンサ嬢と?…………逃げることすら許されないのか」
アルバは泣き崩れた。
卒業したらマリアとの婚約を許して貰えるように上位の成績を残していた。
人脈も頑張って作った。
全てはマリアと一緒になりたいがためだった。
その全てを否定された。
この瞬間、アルバの中で何がプツリと1つ切れた。
一緒にいたサマンサはキレイな感じで、マリアはかわいい感じだった。
「初めまして、サマンサ・ナーシェルです」
「妹のマリア・ナーシェルです」
「初めまして、アルバ・クリムゾンです」
「弟のサイモン・クリムゾンです」
両家での集まりは次第に増えていった。
アルバは一緒にいれる時間のほとんどをマリアと過ごした。
アルバは勉強の時間などがサイモンより多かったので、必然的に一緒にいれる時間は短かった。
マリアと一緒になりたい。
その思いは強くなっていった。
アルバはある決意を持って両親のもとに向かった。
「父上、母上」
「何ですか?アルバ」
「私はマリア・ナーシェル嬢に惹かれています。どうか、彼女と一緒になりたいのです」
「…マリアか」
「はい!」
「……ううーん、ですが、貴方にはまだ早いと思いますよ」
「ああ、彼女は可愛らしいがお前はまだ他の女性を知らないからな」
「いいえ!出会った瞬間に私は彼女に惹かれています」
「「ううーん」」
結局、両親は頷かなかった。
そして、数日後アルバは王との学園に通うことになった。
「王都の、学園…」
「そうだ。お前は我が領内しか知らない。広い視野を持つために学園に通うことになった」
「学園は全寮制です。至急、準備をなさい」
「ですが?!」
「これは決定事項だ!」
「………………」
アルバは愕然とした。
王都の学園にはある年齢になった貴族の令息令嬢が通うようになっており、アルバにもその通達が来ていた。
ただ、それだけだった。
王都より遠いクリムゾン伯爵領ではなかなか帰ることは出来ない。
長期の休みにもだ。
それ故にアルバはマリアと会える時間はほとんどなくなった。
その為、アルバはマリアの誕生日などに王都でプレゼントを見繕った。
直接渡せないため、実家を経由して渡すことしか出来なかった。
マリアがナーシェル子爵家の令嬢だとは言え、婚約者でもないアルバが贈っても非常識だとマリアの両親にプレゼントを突き返されてしまったのだ。
アルバの両親も叱りの手紙をアルバに送った。
上の爵位の令息が贈ったものを突き返す方が非常識なのだが、アルバの両親が出てきたためそれは通ってしまった。
故に実家を経由して渡すことしか出来なかった。
しかし、これが全て策略だとこの時のアルバは気付かなかった。
数年後、学園を卒業する日が近づいているある日、アルバに両親から送られた手紙にはサイモンとマリアが婚約した事が書かれていた。
そして、クリムゾン伯爵家はサイモンが継ぐことが決定したと書かれていた。
「なんで、なんで!私がマリアを愛しているのを知っていたはずだ……爵位も、サイモンが……………………ああ、私は邪魔なのだな」
アルバは家に帰らず、王都で働こうかと考えた。
次の一文を見るまでは。
『貴方は卒業後すぐに帰り、サマンサ・ナーシェル子爵令嬢と結婚し、ナーシェル子爵家を継ぐことになりました』
「帰ったら結婚?サマンサ嬢と?…………逃げることすら許されないのか」
アルバは泣き崩れた。
卒業したらマリアとの婚約を許して貰えるように上位の成績を残していた。
人脈も頑張って作った。
全てはマリアと一緒になりたいがためだった。
その全てを否定された。
この瞬間、アルバの中で何がプツリと1つ切れた。
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