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序章

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「それなら【動物愛】をスキル化して、【テイム】を獲得させよう」
「そうれがいいね。面白そうなスキルの種が幾つかあるからそれもスキル化しとこう!」
「そうだな。あとはこの世界にある魔法も仕えるようにしてやろう」
「それが良いですね。属性は?」
「ふふふ、それならカオリを連れてきた僕の属性だね。水は生き物の源だからね」
「確かに、それが道理ですね」
「ああ」
「だね」
「では、加護は僕と言うことで」
「まぁ、たくさん付けるわけにはいかないからな」
「ですね。ですが、機会があれば」
「だね」
「ふふふ、カオリ、話は纏まったよ。これから貴女にスキルや加護などをつけていくね」
「はい」

そう言うとウンディートたちは私のステータス画面を弄った。
そうすると私の中がポカポカした。
どうやらそれがスキルや加護の付与が行われている証みたい。

「さぁ、出来たよ。ステータスを確認してご覧」
「はい」

私は言われるままにステータス画面を確認した。

名 前:カオリ・サワグチ
種 族:人族
性 別:女
年 齢:20
職 業:テイマー
状 態:健康
レベル:1
H P:380/380
M P:490/490
 力 :95
耐 久:60
俊 敏:70
 運 :80
固有スキル:【ネットショップ】【亜空間収納インベントリ】【動物愛】
一般スキル:【鑑定】【料理】【裁縫】【言語理解】【錬金】【調合】【算術】【騎獣術】
戦闘スキル:【テイム】【鞭術】【剣術】【水属性魔法】
称 号:水と慈愛の神ウンディートの加護

何だか、すごく増えたわ。
私はウンディートたちを見た。
すごくいい笑顔だこと。

「とりあえず、説明かな?」
「お願いします」
「まずは固有スキルの【亜空間収納インベントリ】は君の記憶の中にあったもの、向こうのゲームからだね。【動物愛】は君の気持ちから出来たものね」
「戦闘スキルの【テイム】は人族や亜人族に魔族以外の生き物を従えることができるんだよ。扱いは君次第、向こうの世界のように接すればいいよ。【騎獣術】は【テイム】したものに乗ることのできるスキルだよ」
「戦闘スキルの【鞭術】は君のイメージかな。似合ってそうだったし、そういうことしてた?」
「してません!確かにそういう絵を頼まれて描いた事は何度もありますけど」

とんでもないことを言われたわ。
現代日本で鞭を振るう機会なんてあるわけないじゃない!
ファンタジー物の絵を描いている時に頼まれて調べたことはあるけど。
新体操のリボンをちょっと参考にしたけど。
私自身は使った事も、触った事も、本物を見た事もないわ。
私がそれを伝えるとウンディートたちは納得した様だったわ。

「それだね。それで知っていたから種ができていたんだね」
「極々小さい種がね」
「【錬金】と【調合】はこちら特有の物作りのスキルだよ。活用してね」
「【水属性魔法】と称号の【水と慈愛の神ウンディートの加護】はウンディートからね」
「僕の加護は【水属性魔法】が使えるのと愛、他者との縁を築きやすくなるんだよ。好意を受けやすくなるってことね」
「好意ですか?」
「そう。大丈夫、加護だから大変なことにはならないよ」
「そうですね」
「それじゃあ、これでカオリのステータスはできたな」
「ですね。後は体を再構築しないといけませんね」

体を再構築?
どういう事?
私は今、前の世界と同じ姿をしている。
だけど、それじゃあいけないの?
私が疑問に思い、首をかしげているとノールが苦笑しながら説明してくれた。

「ここは僕たちの暮らす場所。所謂、神界だから今は君の魂の記憶の姿なんだ」
「貴女は現在、地上では魂だけの存在です。なので、地上で生活するために新たにこの世界に合わせた体が必要なのです」
「あ!そうですね」
「だから、どんな姿がいい?ある程度なら希望を叶えられるよ」
「黒髪黒眼はおかしいですか?」
「まぁ、滅多にいないね。明るい色が多いかな」
「確かにね。ウンディートやリーノにイフリーやシルフィートとかの色が主流だね」
「逆に僕みたいな茶色はあんまりいないかな?明るめなら多いけど」
「それなら……ウンディートのような色がいいわ。髪は肩ぐらいの長さで」
「今みたいに長くなくていいのか?十分に合っているのに」
「私短くしたことないんです。勇気が出なくて。だから、今度は短めにしてみたいんです」
「ふふふ、いいじゃないんかな。他に望みはないかな?」
「ないですね。あとはお任せします」
「了解したよ」
「それじゃあ、転生させるぞ。行き先はなるべく安全な場所にする」
「体の再構築の際、基本ステータスが少し変わる可能性もあるから、下りたらまずステータスを確認してね」
「はい」

話が終わると魔方陣が現れた。
ウンディートに私はそこに案内された。
どうやらこれで転生するみたいだわ。
私が魔方陣の上に立つと光り、ウンディートたちが笑顔で見送ってくれている。
私はそれが嬉しくて、笑顔になっていた。
そうしていると、どこからか慌てた声が聞こえてきた。

「みんな!エンディアが!!」
「「「「「な、何?!!」」」」」
「なんでここに人間がいるのよ、しかも皆さんと楽しそうに!!」
「え?」
「や、やめろ!!」
「やめなさい!!」
「許さない!!」
「ええ?!!」

なんだか急にお怒りの女性と慌てた男性が現れた。
みんなが女性を止めようとしたみたいだけど、私が消える間際に女性の伸ばした手から何かが私に当たった。
こうして私はこの場から消えた。
完全に消える瞬間にウンディートたちの青ざめた顔が見えた気がしたわ。
何が起きたっていうの?



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